翔太編〜1話
初心者がノリと勢いで書いた物語です。
不自然な点が多々あると思いますがどうぞよろしくお願いいたします。
『勉強したくない』
誰しもそんなことを思ったことがあるだろう。
らいねん大学受験を控えている翔太にとってもそれはよくあることだった。
「ゲームだったらずっと続けられるのに」
課題を終えた翔太はペンを置き、そばに置いてあったゲーム機に手を伸ばす。ゲーム好きの翔太にとってゲームをすることは勉強と違い、決して嫌いにならない行為であった。
また、ゲームをすることで受験があるという現実から目を背けることができた。
「もうこんな時間か」
時計を見ると深夜1時を過ぎていた。
「はぁ、結局課題以外の勉強できなかったな 勉強が好きになったら楽なのになぁ」
そんなことを考えながらベッドに入る。憂鬱そうなその目が閉じるまで5分も掛からなかった。
気づくと翔太は書斎にいた。目の前には古びた机があり、その机の上には1本の万年筆と1冊のノートが置かれている。
「悪魔の交換日記?」
ノートの表紙にはそう書かれていた。悪魔、交換日記という文字に興味が湧いた翔太はそのノートのページをめくってみた。古びたページには小さな文字が乱雑に書かれていた。
―1日目―
この日記は人の欲望を叶える力がある。
少年よ、お前の欲望はなんだ?お前の望みを次のページに書くのだ。そして次の日またこの日記を見るといい。きっと少年の望みを叶える助けになるだろう。
「どんな望みも叶う?」
翔太は疑った。なんの対価も無しにそんなうまい話があるはずがないと。しかし、好奇心には勝てなかった。
ここで1つ問題があった。叶える望みが思いつかなかったのである。いざ、望みは何かと言われると人はすぐに思いつかないものだ。翔太は悩んだ。
「お金はアルバイトすればいいから別にいいんだよなぁ。欲かぁ…3大欲求は満たされてるし。他は…」
翔太は1つだけ望みがあったのを思い出す。
「勉強だ」
大学受験を来年に控えている翔太にとって、[勉強が好きになる]ことはとても魅力的なことだった。
震える手で万年筆に手を伸ばす。黒い光沢のあるそれは翔太に不思議な感覚を与えた。まるで万年筆が翔太の手の一部になったような感覚だった。
その手で書くと鮮やかな赤い光沢のあるインクがでた。
―2日目―
勉強が好きになりたい。
色褪せたページに広がる新鮮な赤いインク。何か違和感を感じた。
その違和感を感じた直後、世界が反転した。