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天賦の才

「無理です。優良な血統を取り入れ続け、あれだけのスキル持ちを揃えている家なんですから」


 優良スキル持ちを生み出すことにのみ特化した魑魅魍魎の集まり。それがアルバレス家だ。俺があんなところで暮らせていたのは、まだスキルが判明していなかったからだ。それと、ルクレツィア姉さんの庇護下にあったおかげでもある。


 そんな姉さんも今では王国軍の遠征に同行して不在だが。


「そうだな。アルバレス家は確かに強い。だが我ら五大勇者はの実力は規格外。それはお前も知っているだろう?」


「ですが、あなた方は死人です。私が技や力を受け継いだとして、実家の連中には遠く及びません」


「そんなことはない。お前は十分に強い力を持っている。9999/259999の霊力を持っているだろう?」


「なぜそのことを?」


「俺が見えるようにしたからだ。ヴェルデ。お前には才能がある。なにせこの十五年間、俺たちの祟りを防いできたんだからな」


 確かにそうだ。俺には死者の声を四六時中聞かされても狂わないだけの精神力があるし、怨霊を近づけないだけの意志力的なものもある。


「その力の正体こそが霊力だ。魔力やスキルのように広く知られている力ではないが、最も根源的な力。古くから存在するが、皆忌避してきた力だ。だがそれをお前は使いこなせる」


 バカなことを。


 この力が対怨霊以外の役に立たないことは知っている。


「生者相手には何の役にも立たない力です」


「ではさっき、お前に衝撃を与えたのはなんだ?」


「それは……」


 確かに、さっきは、霊体であるはずの剣から衝撃が伝わってきた。


「あれはあなただからできたことでしょう?」


「いいや、違うな。霊力は生者にも死者にも作用する力。全生物の魂に直接働きかける力だ。鍛えれば誰にでも使えるが、誰も使おうとしない。だがお前は違う」


 レギアさんは俺の顔面を指差した。


「お前は十五年間、俺たちの祟りを防いできた」


 なるほど。俺は今までの人生で無意識のうちに霊力を鍛えられてきたというわけか。


「では、私に教えてくれませんか? この力で食っていく方法を」


「構わない。いずれはイエラの呪いを解くためにも、いくらでも協力しよう。それより……」


 レギアさんは遠くを見る。


「えぇ、いますね。かなりの怨霊に憑りつかれている。人を食うモンスターでしょうか?」


 試しに討伐してみるのも悪くないな。この力を試すためにも。


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