カレー好きだからこそ
カレー・エッセイが密かなブームと聞いてw
自分は無類のカレー好きです。
気づけば一日三食カレー味のものを食べていることもあるし、一週間連続でも全く気になりません。
何なら、自分が死んだ後にも墓前には花よりカレーを供えて欲しいくらいです。
でも、それほどカレーを愛しているからこそ、自分に厳しく戒めていることがあります。
それは──『決してカレー作りには手を出さない』ということです。
もちろん、普通に料理好きなのでカレーは作ります。しかし、ルーはあくまで市販のものを使い、二種類をブレンドしたりスパイスを足すくらいにとどめています。
世の中には、大量の各種スパイスを買い込み、自分好みのオリジナル・カレーを作り出そうという人がいます。
やってみたい気持ちはもちろんあります。TOKIOがTV番組内でオリジナル・カレー作りをしているのを観て羨ましい気持ちにもなりました。
でも、自分はオリジナル・カレー作りには絶対に手を出しません。素人がうかつにそれを始めると、間違いなく周りに迷惑がかかるのです。
皆さんも聞いたことありませんか?
定年後、それまで無趣味だったおっさんが急に蕎麦打ちにハマってしまうという謎の現象を。
あれはたいがい、家族や周辺の人に大いなる災厄を引き起こします。
素人が打った大して旨くもない蕎麦を、しょっちゅう食べさせられるんですよ?
ご本人は『今日はつなぎの配合を5%変えてみたんだ』などとご満悦でしょうが、そんなもんわかるかいっ!
それ以前に、はっきり言ってマズいんじゃぁぁっ!
──などと言えるはずもなく、そのままつき合わされて、しまいには蕎麦嫌いになってしまう人も少なくないのだとか。
自分は、自分が凝り性でハマり体質であることを知っています。
オリジナル・カレーの開発──それはさぞ楽しく、自分の残りの人生を鮮やかに彩ってくれることでしょう。
しかし、自分の楽しみのために、周囲の人をカレー嫌いにさせてしまう──そんなことは断じて許されないのです。
同様に、『蕎麦打ち』『珈琲のブレンド』などにも手は出さないと決めております。
世の中には、好きだからこそその分野を探求しない、という選択肢もあるのです。