第7話 黄金の剣
モンスターがガゼフ村を襲うと宣言した日は明日。
つまり猶予は今日一日だけ。
「あのう……お休みになった方がいいんじゃありませんか?」
リエルが心配そうに口にした。
「目の下のクマがすごいことになっていますけど」
「いや、問題ないよ。絶好調だ」
一睡もすることなく徹夜でクロスボウを仕上げたため眠気はピークをとうに過ぎ逆に目がギンギンに冴えていた。
このまま続けて防具の作成に取り掛かろう、そう思っていると、
「おじさん、ぼくにもなんか作って」
と昨日会った少年が鍛冶場にやってきた。
確かザジーだったか。
「ザジー駄目よ、バランさんはわたしたちのために必死で働いてくれているんだから。それにもう休んでもらわないと」
「ええー、いいじゃんぼくにも武器作ってよー」
「こーら、ザジー。子供に武器なんて危ないでしょ」
「やだやだ、おじさん作ってー!」
ザジーは地面に寝ころび駄々をこねだした。
汚い地面でよくやるよ。
「ザジー、いい加減にしないと怒るわよ」
「いいよリエル。ついでだから作ってやるよ」
「バランさん……」
「いえーい! やった、やった、やったー!」
飛び上がり喜びを爆発させるザジー。
正直子どもは苦手なのだがここまで喜ばれると嬉しいものだな。
「バランさん、ザジーは子どもですから武器なんて――」
「わかってる。見せかけだけの全然斬れない武器を作るから」
ザジーには聞こえないように小声で返す。
当然だ。
子どもに本物の武器なんて持たせたら危険だからな。
骨休めにもなるしちょうどいい。
適当に見栄えだけは最高の武器を作ってやるか。
☆ ☆ ☆
俺はザジーが見守る中、十分足らずで黄金の剣を作り上げた。
もちろん本物の剣ではないし黄金でもない。ただのレプリカだ。
だがザジーは、
「かっけー!!」
と言ってはしゃぎまわっていたからそれで充分だろう。
モンスター、おそらくケンタウロスが襲ってくるのは明日。
逆算すると作れる武具はあと一つといったところか。
武器はクロスボウでいいとして防具は鎧か盾が欲しいところだ。
「なあ、ザジー。鎧と盾だったらどっちがいいと思う?」
「そんなの盾に決まってんじゃん。鎧なんか着てたら走れないもん」
至極真っ当な意見だった。
非力な俺では鎧なんか装備しても身動き取れなくなるのがオチだ。
……よし、盾にするか。
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