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《1月23日発売!》Sランクパーティーを追放された鍛冶職人、世界最強へと至る ~暇になったおっさんは気晴らしに作ったチート武器で無双する~  作者: シオヤマ琴
第一章 追放者編

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第5話 ガゼフ村

「ここがガゼフ村ですじゃ」


ガゼフさんに連れられてやってきたのは周りを山と海に囲まれた自然豊かな村だった。


「ガゼフ村ってガゼフさんと同じ名前なんですね」

「この村の名前は村長の名前とまったく同じにする決まりなんですじゃ。もしバランどのが村長になったらその時はこの村の名前もバラン村に変わるのですじゃ」

バラン村か……それは照れくさいな。


「ガゼフさん、その人誰ー?」

「あら、もしかして冒険者って人かい?」

「村長、早かったわねー」

「おじさん、強いの?」


村の中を案内してもらっていると田畑で農作業をしていた女性や子どもたちが集まってきた。

ガゼフさんに聞いていた通り本当に年頃の男は一人もいなかった。


「ああ、この方が冒険者のバランどのじゃ。Sランクの冒険者なんじゃ、すごいじゃろ」

「あ、あの……元Sランクです」

Sランクといっても鍛冶職人という戦闘には不向きな職業でしかも俺は――。


「Sランクって何? すごいの?」

一人の少年が俺の周りを飛び跳ねる。


「え? う~んまあ、Sランクは一応一番すごいってことになってはいるけど、俺の場合は……」

「こらザジー、当たり前のことを訊くでない」

「いいじゃん、ケチー」

ザジーと呼ばれた少年は走り去っていった。


「ほら皆の衆も仕事に戻ってくれ」

「はーい」

「あいよ」

「おじさんまたね~」


農作業へと戻っていく面々。


「まったく、緊張感のない者たちばかりで困ったものじゃ。すまんのうバランどの」

「い、いえ、みなさん落ち着いているようで安心しました」

モンスターが襲ってきたというのに全然ストレスを感じていないようだ。

おおらかというか神経が図太いというか……辺境の村だからなのかな?


「それでバランどのにはとりあえずわしの家に泊まってもらおうと思っていますがよいですかな?」

「あ、はい。ありがとうございます」


村長の家は村の中央にある一番大きな家だった。

中に入るとひんやりしていて涼しい。

そういう家の造りなのかもしれない。


「おーいリエル、今帰ったぞ」

「おかえりおじいちゃん」

ガゼフさんの声を聞いて奥から二十歳くらいの髪の長い女性が姿を現した。


「こちらは冒険者のバランどのじゃ」

「元ですけど」

「それでこっちのが孫娘のリエルですじゃ」

「こんにちは。初めましてリエルです」

リエルはガゼフさん同様俺の目をしっかり見て礼儀正しく挨拶する。

髪が揺れた瞬間いい匂いが俺の鼻孔をくすぐった。


「バランです、どうも」

「リエルや、バランどのをお客人用の部屋に案内してやっておくれ。バランどの、何かあればリエルに申し付けてくださいな」

「あ、はい、わかりました」


「ではこちらにどうぞ」とリエルに廊下を通される。


立派な家だ。

客室もあるようだし伊達に村長してないな。


あまりきょろきょろするのも行儀が悪いので視線を落としてリエルの後をついていく。

リエルは女性の割に背が高い。俺と同じくらいかもしれないな。


なんとなくリエルの後ろ姿を眺めていると、

「こちらです」

客室に案内された。


「今お茶をお持ちしますね」

「あ、それよりリエル、さんは――」

「リエルでいいですよ」

「リエルは今日襲ってきたモンスターは見たのか?」

「はい、見ました」

「どんな奴だった?」

事前に聞いておけば俺でも何か対策が出来るかもしれない。


「下半身が馬みたいでこんなに大きなモンスターでした」

リエルは腕を大きく動かしながら答える。


下半身が馬?

ケンタウロスのことかな?

ケンタウロスは【紅の旅団】で何度か倒したことがある。

といっても俺は見ていただけで実際に倒したのは他の四人だが。


あいつ人語喋ったっけなぁ……。

いつも遠くから見ていただけだったからそれさえ憶えていない。


でも相手がケンタウロスだとしたら望み薄ではあるが勝機はあるかもしれない。

ケンタウロスは炎が弱点だから炎属性の超強力な武器を作ればいいんだ。

ここは鍛冶職人の腕の見せ所だぞ。


「リエル。お茶はいいからこの村に鍛冶場ってないかな? あれば案内してほしいんだ」

「はい、ありますけど。どうされるんですか?」

「そのモンスターを倒すための武器を作るよ。俺は鍛冶職人なんだ」


タイムリミットは明後日。

俺は静かに闘志を燃やしていた。

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