第3話 王都を去る
俺が【紅の旅団】を追放されたことはすぐに国中に広まった。
普通はSランクパーティーにいた冒険者とくれば引く手あまたで沢山のパーティーからお誘いがかかるものだが俺にはそんな声は一切かからなかった。
それどころか、
「あんたがいなくなってせいせいしたよ」
「失せな、おっさん!」
「金魚のフンのくせしてセフィーロ様に迷惑かけてたんだから当然の結果よ!」
「マリアちゃんに二度と近付くなっ」
数々の罵声を浴びせられた。
だがそんなことは大して気にはならない。
ベルーガ国王の幼なじみというだけで勇者のパーティーに属していた俺は以前から町の人たちには好かれていなかったからだ。
俺が本当にショックだったのは仲間だと思っていたセフィーロたちからも同じように思われていたということだ。
よかれと思って戦闘の邪魔にならないように陰から見守っていたことやマリアの荷物持ちを買って出ていたことなどがすべて裏目に出ていたわけだ。
「はぁ……これからどうするかな」
冒険者としてのレベルがゼロに等しい俺を受け入れてくれるパーティーなど存在しないだろうし、一人でダンジョンをクリアするだけの実力もない。
「マリアの言う通り職人に戻るか」
俺はセフィーロたちと冒険を共にするまではベルーガ王国の城内で鍛冶屋の下働きをしていた。
それも今思うとコネみたいなものだったが。
幼なじみのベルーガ国王が人付き合いの苦手だった俺を気遣って雇い入れてくれた、ただそれだけのこと。
「なんでベルーガ国王は俺なんかをセフィーロのパーティーに入れたんだろうな」
今までは純粋に鍛冶職人としての腕を買われたのだと思っていたが、セフィーロとは年の離れた兄弟のように接していた時期もあったからもしかしたらセフィーロの子守り役のつもりで俺をパーティーに入れてただけなのかもな。
セフィーロのことを考えていたらふと頭によぎる。そういえばセフィーロの剣、刃こぼれしていたっけ、と。
ついでにランドルフの盾もそろそろ修復が必要そうだったな。
ゾーンとマリアのローブも氷耐性に特化した物だからその分炎耐性が弱点になっているはずだけど大丈夫だろうか。
……って今さらこんなことを考えていても詮無いことだ。
あいつらとはもう二度と会わないのだから。
「よいしょっと……行くか」
荷物を持ち上げると肩にかける。
俺は冒険者として生きることをやめ俺のことを誰も知らない土地で生きていくことを選び王都をあとにするのだった。
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