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第28話 エルフと共生

「おかえりバランさん、そちらお客さんですか?」


バラン村にレオとアナを連れて帰ると村人たちが集まってきた。


「あら、もしかしてエルフじゃないのその子たち」

「うっそ、エルフなんて初めて見たわっ」

「いい男ね~」

「お姉ちゃんきれー」


殺到する女性と子どもたちの波をかき分けながら俺は二人をガゼフさんに会わせるため自宅に帰る。

リエルに従って自宅でおとなしくしていたガゼフさんはレオとアナを見るなり「おおっ!」と目を見開いた。


「バランどの、この二人はエルフじゃな。一体どういうことですじゃ?」

「実は……」

俺はこれまでの経緯を説明した。



☆ ☆ ☆



「ふむ、なるほどオークの群れがのう」

「ええ、なのでしばらくエルフを百人ほどこの村に置いてもらえないでしょうか?」

「それはバランどのがそうしたいならそうしたらいいですじゃ。今の村長はバランどのじゃから何もわしに許可を取る必要はないですしのう」

ガゼフさんが言う。


「百人も受け入れられますかね?」

「一世帯に一人ずつ住んでもらえば余裕じゃろう、この村には男手が足りんからちょうどいいですわい」

確かにこの村には男手が圧倒的に不足している。

エルフたちが仕事を手伝ってくれれば村人たちにとってもプラスになるに違いない。


「だそうだ、レオ」

「ありがとうございます。では早速僕は他のエルフたちを呼んできたいと思います」

「あっ、兄さん私も行くわ」

「いや、お前はここで休ませてもらえ。僕一人で充分だから」

そう言うとレオはアナを置いて出ていった。


俺はレオが戻ってくる前に村人たちにエルフを受け入れてほしいこととオークが村に近付いてきていることを話した。

村人たちはエルフを受け入れることにこころよく賛同してくれた。

さらにオークに関しても「バランさんがいれば安心だよ」とみんな落ち着き払っていた。



しばらくすると百人のエルフを連れてレオが戻ってくる。

「すみません、お世話になります」

「「「よろしくお願いいたします」」」

エルフたちは声を合わせ一礼した。


村に来たエルフたちは老若男女様々いて怪我をしている者も少なからずいたが幸いなことに重傷者はいなかった。

この村で休養をとればきっとみんな回復するだろう。


俺の家(つまりガゼフさんとリエルの家だが)にはアナが居候することになった。

居候の先輩として俺はアナにバラン村での生活の仕方を教えようとしたがエルフの暮らしは田舎の人間の暮らしと大差ないようで農作業や家畜の世話などを俺より器用にこなしていた。



☆ ☆ ☆



そしてエルフたちが来て四日目の朝。

地響きのような音と揺れで目が覚めた俺は家を飛び出ると村のみんなも既に外に集まっていた。


「何の音だ?」

「奴らです。オークの群れがすぐ近くに来ています」

俺の問いにそう答えるアナ。


「アナっ」

「兄さんっ」

レオも外に出てきた。アナと手を取り合う。


「みんなはここにいてくれ。今から俺が見てくるから」

「バランさん、僕も行きます」

レオは弓をかついでいる。


「いや、レオはここに残ってくれ。そしてもし敵が来たらみんなを守ってやってほしい」

「わ、わかりました」

「じゃあ、行ってきます」

俺はガゼフさんたちに向き直った。


「バランどの……」

「バランさん、気をつけて」

「おじさん、頑張ってねーっ」


ガゼフさんたちが見守る中、俺はエクスカリバーを手に空に舞い上がるとより大きな音のする方へと飛び立った。

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