第18話 第二試合
二回戦目はマーレとダーソンの試合だった。
開始と同時に魔法使いのマーレは剣士のダーソンから距離を取ると氷系の魔法、アイスショットを連発した。
アイスショットは大気中から氷柱を作り相手めがけて飛ばす魔法だ。
魔法使いなら誰でも使えるような基本的な魔法だが氷柱の一つ一つが大きく、さらに連発しているところを見るとかなり鍛錬を積んだ魔法使いだとわかる。
レベル178は伊達じゃない。
しかしダーソンはそんな魔法の連続攻撃を剣一本ですべてはじいていく。
はじきながらじりじりと距離を詰めていき、気付けばおしていたように見えたはずのマーレが逆にリング際まで追いやられてしまっていた。
あとがないマーレは手を前に出し、
「エクスプロージョン!」
と声を上げる。
その瞬間、ダーソンを中心として大爆発が起こった。
爆風でマーレのかぶっていたつばの広いとんがり帽子が宙を舞う。
エクスプロージョンはゾーンが得意としていた魔法の一つだ。
あんな上級魔法まで使えるのか、と驚いて見ていたが俺以上に驚きの表情を浮かべている者がいた。
マーレ本人だ。
というのもダーソンは爆発を両腕でガードし防ぎきっていたからだ。
「ふう……今のはまともにくらったら結構やばかったな」
「……っ」
「でも今ので打ち止めらしいな」
ダーソンはマーレに顔を向ける。
マーレは口をぱくぱくさせていた。
「おりゃっ」
ダーソンが一足飛びでマーレに近付くと剣の鞘でお腹を突いた。
マーレはその一撃で体がくの字に折れ曲がる。
「おっと……」
地面に倒れ込みそうになったマーレをダーソンが抱きかかえた。
「キスギさん、おれの勝ちでいいですよね!」
大会委員長兼司会者のキスギさんに声を飛ばすダーソン。
「は、はい……勝者、ダーソン選手!」
こうして決勝戦はレベル150の鍛冶職人である俺とレベル400の剣士ダーソンという組み合わせに決まった。
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