第15話 懐かしのベルーガ
俺は空中に浮かびながら明かりのついたベルーガ城と城下町を見下ろしていた。
「ベルーガ城だ……懐かしいな」
城内で働いていた鍛冶職人時代のことを懐かしむ。
その当時は城下町に住んでいたから見覚えのある町並みに心が躍る。
「にしても早く着きすぎたな。どうするか……」
俺は腕組みをして頭を悩ませた。
バラン村からベルーガ城へは二日ほどかかるとふんでいたのだが俺は予想に反して出発当日の夜に着いてしまっていた。
スカイマントで最短距離を飛んできたことでだいぶ時間を短縮出来たのが理由らしい。
所持金はゼロだから宿屋に泊まることも出来ないし、前に住んでいた家はとっくの昔に取り壊されているしなぁ……。
「なあおい、エクスカリバー。どうしたらいいと思う?」
『……』
「おーい、ベルーガ城だぞ、起きろ」
『……』
返事はない。
眠いから寝ると言ったきりずっとこの調子だ。
「気楽な奴だな……まったく」
格闘大会は明後日、俺は夜を明かすためとりあえず公園に下り立つことにした。
ひらひらとスカイマントをたなびかせながら地面に着地する。
公園にはカップルがいたが俺のことなど眼中にないようだったので俺は横を通り過ぎ公園内を歩いてベンチを探した。もちろん寝るためだ。
ちょうどよさげなベンチをみつけると俺はそこに横になった。
スカイマントで体を包んで眠りにつく。
「……う~、寒っ」
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