表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/11

05話 私はお花畑で笑い地獄に誘われました

『 ”異世界言語が読める” ステータスに自動調整されました』


私とクルルは依頼の掲示板を見ながら品定めをしているところです。


「クルル、どの依頼にしようか?」

「初めてだし、簡単なやつにするのがいいんじゃないかにゃ?」

「そうだね〜、これなんかどう?」


私は依頼を指差す。


募集:ケモミミっ子

報酬:1万ゴールド

依頼:ケモミミをモフモフしたいよ。ぐへへ。


「い、依頼文だけで、気持ち悪いにゃ!」

「えー、簡単なやつって言ったじゃん!」

「ナルはこの依頼でも受けるにゃ!」


今度はクルルが依頼を指差す。


募集:若い女の子

報酬:1万ゴールド

依頼:パンティを見せてくださいお願いしますお願いですから


「き、気持ちわるいよ〜!」

「見せるだけだにゃ!簡単だにゃ!」

「見せるだけって何よ〜!」


結局、無難な依頼に決まりました。


募集:誰でも

報酬:5千ゴールド

依頼:キルナの花の採集


「行くよ〜、クルル!」


私は、クルルが乗りやすいように、しゃがんであげる。

私はクルルに顔を向ける。

そして、私の背中に乗って、と笑顔で示す。


「ありがとうだにゃ!」


クルルは笑顔でそう答える。

そして、私の背中にひょいっと乗る。

私はクルルを背負い、初めての依頼に出発した。


私たちは歩く。

クルルのナビのおかげで、採集場所に迷うことなく着いた。


「うわ〜〜!すっごい綺麗なお花畑〜!」


私はクルルを下ろしてあげる。

私はお花畑とダダっと走る。

そして、迷うことなくキルナのお花畑にダイブする。

フローラルな香りが私を包み込む。


「気持ちいい〜!いい匂い〜!」


クルルが焦った口調で私に言う。


「ナル!キルナの花は食肉花だにゃ!綺麗な見た目で獲物を惹きつけて食べるのにゃ!」

「ええ!」


私は離れようとすると、蔓が至る所から伸びてきて、私は捕獲される。


「クルル!捕まっちゃった!」

「不用意にもほどがあるにゃーー!今、助けるから待つにゃーー!」


クルルは私を助けようと頑張ってくれている。

ノー天気な私の頭の中に声が聞こえる。


『ぷぷぷ、ナルさん、どんくさ...』

......

......

......


「今、スキルさんに笑われたんだけどーーー!」


『 ”キルナの花に耐える” ステータスに自動調整します』


クルルは、持ち合わせていたナイフでキルナの花を刈りながら歩く。

クルルが到着するまではまだ時間がかかりそうだ。

私の周りのキルナの花は、茎が伸びて、ガバッと、花の先端部分が開いて、牙が出てきた。


「こ、こわいよーー!」


キルナの花は私に向かって、牙で噛みつこうとする。

私は怖くて、目を閉じながら、思ったそのままを口にした。


「せっかく、見た目が可愛いのに!」


私は噛みつかれると思って、身構える。

......

......

......


「あれ?」


私はそっと、目を開ける。

そこには茎をくにゃくにゃとさせて動くキルナの花たちがいた。


くにゃくにゃ♪

くにゃくにゃ♪


牙は仕舞われて、さっきまでの可愛いお花になっている。


「く、くにゃくにゃ踊ってるよーー!可愛いって言ったからかな!」


キルナの花は、花の部分を頷くようにうんうんとさせて答える。


うんうん♪

うんうん♪


「な、なんていい子たちなの!でも、その踊りは気持ち悪いよ〜!」


パリーン!


私の言葉に、パリーンとガラスが割れる心の音が聞こえる。

キルナの花のくにゃくにゃ踊りが止まる。

そして、牙がガバーーっと出てきて、私を襲う。


「ぎゃーーー!」

「ナルは何をやってるにゃーーー!」


私はビビって、目を閉じる。


お腹の辺りに違和感を感じる。


「お腹、噛まれた!?」


......

......

......


痛くない......?


私はそっと、目を開ける。


すると、キルナの花が私のお腹に噛み付いていた。


「あれ?」


私は首を傾げる。

噛み付いていないキルナの花も花の部分をクイッとして、首を傾げる。


一瞬、沈黙が訪れたのも束の間だった。

私のお腹に噛み付いたキルナの花はガブガブと牙を突き刺そうとしてくる。


ガブガブ!

ガブガブ!


私が全く痛がらないのでムキになって、噛み付いてくる。


ガブガブガブガブ!

ガブガブガブガブ!


でも、私のお腹はステータスのおかげか、完全ガードしている。


痛いんじゃなくて、どちらかと言うと......


「ふふふ!くすぐったいよ〜〜!やめてよ〜〜!」


キルナの花は負けじとガブガブする。


ガブガブガブガブガブガブ!

ガブガブガブガブガブガブ!


私をさらにくすぐってくる。


「ふふふ!あはははは!」


そこに、クルルが到着する。

一生懸命、キルナの花をかき分けて来てくれたのだろう。

クルルは真面目な顔だ。


そして、笑いまくって、地面を転がる私を見つける。

クルルは言う。


「ナルは何をやってるにゃーーー!」

「くすぐってくるの!この子たちが!捕獲されてて動けないし、これは本物の笑い地獄だよ〜!」


『 ”笑い地獄とキルナの花に耐えるための腹筋強化” ステータスに自動調整します』


「そんな自動調整いらないってばーーー!」

「ナルのスキルは使えないにゃーーー!」


私はこの後、クルルに助けられました。

ついには、ナルはスキルにまで馬鹿にされてしまいました!!

たまーに、スキルも喋る設定なので、ご期待ください!!


次回は、ギルドに戻って、依頼完了の報酬を受け取ろうとするのですが...その道すがら...


ブックマークありがとうございます。

執筆の励みになっています!

爽快でスカッシュをモットーに頑張ります!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ