最終話 私のチートな風魔法は嵐を巻き起こしました
私は、絶賛、人攫いの男の人たちと戦いをしています。
人攫いのボスは、胸の辺りを押さえながら、この部屋に戻って来ました。
「ボ、ボス、ごめんなさい!!」
「お前、アホなのか、強いのかはっきりしやがれーーー!!」
人攫いのボスは、私にパンチをしてくる。
今度はしっかり、見て避けるんだ!!
私は人攫いのボスのパンチをよく見て、避けようとしてみる。
来るよ!!
来るよ!!
「ひいい!!やっぱ無理ーー!!こっちに来ないでーー!!」
私が叫んだ瞬間、頭の中に、声が聞こえた。
『 ”人攫いのボスを吹き飛ばす魔法を使える” ステータスに自動調整します』
え、魔法?今、魔法って言った......?
私の体は瞬く間に光って、ステータスが更新された。
ビュォォォオオオーーーー!!
その瞬間、私の体から、暴風が噴き出した。
その風を諸に受けた人攫いのボスは、後ろに吹き飛び、また、壁に激突した。
ドーーーーーーン!!
「ひいい!!ご、ごめんなさいーーー!!」
しかし、私の体から出る暴風は止まらない!!
私はパニックになる!!
「ど、ど、どうやって、止めるんですかーーー!!」
暴風は力を増して、周囲に被害を与えはじめた。
私の暴風は私を中心に球状に広がっていく。
「に、逃げてくださいーーー!」
私は大きな声で叫ぶ。
人攫いの男たちも攫われていた冒険者たちも逃げる。
『アホーーー!!』
『自分の魔法くらい、自分で止めろーーー!!』
『ぎゃーーー!!』
『みんな逃げろーーー!』
私の暴風で、屋敷は崩壊し、瓦礫の山となっている。
魔力が無くなったのか、私の願いが通じたのか、暴風の魔法はなんとか止まる。
「と、止まった....」
攫われた男たちが慌て始めた。
『ボスーーー!!』
『今、助けますからーーー!!』
『死なないでくださいーーー!!』
人攫いのボスが、屋敷の瓦礫の下敷きになってしまったようだ。
人攫いの男たちが必死に瓦礫をかき分ける。
しかし、瓦礫が重いのか、思うように、救助作業が進んでいない。
「私が、最初に吹き飛ばした時に、気を失っていたから!!助けにいかなきゃ!!」
私はすぐに駆け出そうとした。
すると、肩を掴まれる。
「待って!!」
私は振り向く。
私の方を掴んだのは攫われた冒険者の一人だった。
「あの!!早く助けにいかないと!!」
「あの男は、私たちを攫って、売り払おうとしたのよ!!そんな男助けちゃダメよ!!」
「でも......」
「また、新人の冒険者が餌食になるかもしれないのよ!!助からないのは自業自得でしょ!!」
私の気持ちが一瞬、揺れる。
クルルが私の手を握ってくる。
そして、ナルの気持ちにナルが嘘をついてはダメにゃ、と示すかのように私の顔を見る。
「確かにボスは人を攫うなんて許し難いことをしたと思います」
「だったら......」
「でもここで助けなかったら、ボスと一緒じゃないですか!!悪い人たちと一緒です!!」
私はごめんなさいと言って、ボスが埋まっているであろう場所に走った。
「ボス助けますから、少し、待ってくださいよ!!」
「「「ナルの嬢ちゃん、ありがとーーー!!」」」
私は、ボスが埋まった瓦礫に向かって、へなちょこ屁っ放り腰パンチをする。
「やああああ!!」
ちょこん!!
ドコーーーン!!
私のパンチで瓦礫は吹き飛んだ。
私は、倒れた状態の人攫いのボスを見つける。
「ボス、大丈夫ですかーーー!!」
「お前のボスじゃないって言ってるだろ......お前、俺を助けるとか何を考えているんだよ?」
「え、何って、ボス助けたーいって感じですか?」
「お前、アホなのか?不思議ちゃんなのか?」
「えーー!何なんですか、その評価!!」
「どんな評価が欲しいんだよお前は!!」
「もちろん、クールビューティーな冒険者って評価ですかね!!」
私は、ポーズを取ってアピールをする。
人攫いのボスは、私を優しく突っ込んだ。
「クールビューティーな冒険者は、そんなことしねーよ!!」
「ええーーー、そこは、クールビューティーって言ってくれてもいいじゃないですか!!」
「そうだな、お前はーー」
人攫いのボスがいい顔をして話すのを横切って、クルルがやってくる。
「ナルーー!!早く帰らないとヤバイにゃ!!」
「どうしたのクルル!!」
「キルナの花の依頼の締め切り時間が迫ってるにゃ!!」
「ええーー!!帰るよ!!クルル!!背中に乗って!!」
「はいだにゃ!!」
私は、クルルを背負って、街に向かって走り始める。
人攫いのボスは、大きな声で叫ぶ。
「おい、お前ら、俺たちはどうするんだよ!!」
私は急いでいるんですけどっという表情で答える。
「え、どうするって何がですか?」
「捕まえるとかするんじゃないのかよ?」
「え、ボス、もしかして、悪いこと、またやっちゃうんですか?」
「やらないって言って、信じるのかよ?」
「何で、信じないんですか、逆に?」
私の言葉に人攫いのボスと、その男たちは目を丸くした。
......
......
......
男たちは叫んだ。
「「「「「お前の頭はお花畑かーー!!」」」」」
私はにっこり笑って、答えた。
「違いますーー!!」
私は走り始めた。
私、ナルとクルルが冒険者として活躍して、クレイジーフラワーズと呼ばれるお話は、また、少し後のお話です。
ここで完結となります!!
短い間でしたが、毎日、読んでくださっていた方、ありがとうございました!!
読者の方々いらっしゃるんだと思うことで楽しく、執筆することができました!!