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10話 私は喧嘩の経験もありませんが戦ってみました

私とクルルは、攫われた他の女の子と一緒に、拘束部屋に捕まっています。

夜になり、人攫いの男たちは寝てしまったようです。

両手を縛られ、壁から出ている紐にその紐を結ばれ、両手をあげた状態です。


「そろそろ、救出しよっと!!ロープ引きちぎれるかな?」


『 ”拘束を解ける” ステータスに自動調整します』


「頑張れ、私!」


私は、手に力を入れて、ロープを引きちぎった。


「ち、ちぎれちゃった〜!!」


私はロープが本当に引きちぎれてしまって驚く。

攫われた女の子の一人が聞いてくる。


「あなた、私よりも、細い腕なのに...あ、あなた、攫われたんですよね?」

「当たり前じゃないですか!!こんなところに遊びにきたりしませんよ〜!!」

「あなたなら、簡単に逃げ出せたのでは......?」

「いえ、私とクルルは、攫われたあなたたちを助けたくて来たんです」


私は、真面目な顔で、女の子たちに伝えた。

私の言葉に攫われた女の子たちは泣いてしまった。


「ありがとうございます......私たち、もう、助からないかと」

「皆さんに喜んでもらえて......来てよかったです!!」


私はクルルと攫われた女の子の拘束を全て解いてあげた。

攫われた女の子たちは、全員冒険者だ。

その部屋に無造作に放置されていた自分たちの武器や防具を身につけた。


「ナル、どうやって、ここから脱出するにゃ?」

「え、家の出入り口から出るだけじゃないですか?」


私が当たり前でしょって顔で答えると、攫われた女の子の一人が言う。


「ナルちゃん、玄関は、夜もずっと、見張りの男たちがいるわ!!」

「分かりました!!裏口から出ましょう!!」

「裏口はトイレの横だにゃ!!案内するにゃ!!」

「裏口もきっと、見張りの男ががいるわよ!!」

「ええ、じゃあ、逃げれないじゃないですか!!困りましたね......」

「この外とつながる壁を破壊するのはどうかしら?きっと、そのまま外に出れるわ!」

「え、それは駄目じゃないですか?壁を破壊したら、人攫いのボスが泣いちゃいますよ?」

「そうだにゃ!人の家を壊すのはいけないにゃ!」

「ナルちゃん?クルルちゃん?そんなことを言っている場合では?」


攫われた女の子の一人が、私とクルルにそう言ってくる。


ん〜、と考えていると、拘束部屋のドアがど〜ん、と大きな音を立てて開かれた。

人攫いのボスが、部屋に来てしまったのだ。


攫われた女の子たちが、武器をそれぞれ構えている。


「話し声がすると思って来てみれば!!お前ら!何で、拘束が解かれてんだよ!!」


人攫いのボスが大きな声で私たちに言う。

私はトコトコと、人攫いのボスの元に駆け寄り、小さな声で言う。


「ボス、小さな声で喋ってください。他の男の人たちは寝ているんでしょ?起こしたらかわいそうです。ボスも眠いでしょ?まだまだ、夜中です。寝てていいですよ」

「そうだな......」

「はい」


......

......

......


「うるせーー!!お前らが逃げようとしてるのに、寝ているアホがいるかーー!!」

「ええーー!私はボスが寝不足で目元にクマができたらどうしようと心配して言ったのに!!」

「そんな、心配いらねーー!お前ら、逃げようとしているんだろ!!」

「ああ、そうです!そうでした!ボスに聞きたいことがあって!!」

「こんな時に何なんだよ!!」

「この壁を壊してもいいですか?玄関も裏口も見張りがいるじゃないですか?この壁を壊せば見張りに見つからずに逃げられるんです!!」

「そうだな、この壁を壊せば逃げられるな。見張りに見つかると面倒だしな。よし、いいだろう、壁を壊せ......」


......

......

......


「いいわけねーだろーが!!」


叫び声と共に大きな轟音が響く。


ドッコーーーン!!


「ボス、ややこしい反応しないでくださいよ!!壁を壊しちゃったじゃないですか!!」


私は、ボスにビシッと指を指して、指摘した。

人攫いの男たちが何事だと、この部屋に集まって来た。

そして、人攫いの男の一人が私を見て言う。


「か、壁がない......お、お前なのか壁を......」

「壁?壁なんて、簡単に......」


私は壁の大きな穴を見て、自分のやってしまったことを認識する。


「こ、壊せるわけないです〜!!わ、私がやっちゃったんですか?」


私は、動揺する。

人攫いのボスが私の疑問に答える。


「お、お前だよ!!この屋敷の壁は、特殊加工で、ドラゴンでもブチ破れないんだぞ......」

「そ、そんなヤバイ壁を私は......も、もしかして、私、強いんですかね」

「お、お前、冒険者ランクはいくつなんだよ?あんな依頼受けてたのに新人じゃないのかよ?」

「わ、私の冒険者ランクはGです〜!!新人です!!」


人攫いのボスが、私に向かって、剣を振り下ろしてくる。


「嘘つけーーー!!」

「嘘じゃないですーーー!!」


私は、負けじと拳を、人攫いのボスに向かって繰り出そうとする。

が、まだ私は、剣を向けられるのは怖い。


「やっぱり怖い〜!!」


私はビビって、頭を手で守って、しゃがみ込む。


『”人攫いのボスから身を守れる”ステータスに自動調整します』


パキン!

クルクル!

カシャン!


「か弱い女の子に剣を突き立てるなんてひどいじゃないですかーー!!」

「剣を、体でへし折ってる奴をか弱い女の子って言わねーー!!」

「どういう意味ですか〜!!私はか弱い女の子です〜!!じゃあ、見てください、このへなちょこパンチを!!」


そう言って、私はか弱さのアピールのため人攫いのボスにパンチを繰り出す。

運動ができなかった私は、これまで、一度もパンチなんてしたことがない。

弱々しい、へなちょこ屁っ放り腰(へっぴりごし)パンチを繰り出したのだ。


人攫いのボスは、私の弱々しいパンチに安心して、受け入れる。


ちょこん!!


私のパンチは、人攫いのボスの胸のあたりに当たる。


「ほらほら、こんなにか弱いんですよ!!私は!!思い知りましたか!!」

「なんで、弱い方に自信満々なんだよ、おま......」


ドーーーーーーーーーーン!!

ドドドドドドーーーン!!


人攫いのボスは、後ろに吹き飛び、家の壁という壁を突き破りまくった。

かろうじて、逆側の、屋敷の壁で、止まる。


私のパンチを見ていた全員の顎が外れ、目玉が飛び出た。


「ほら、言ったじゃないですか......か弱いって......」


私はそう言って、あははと冷や汗ダラダラの笑顔を作る。

現実が受け入れられない私たちは笑顔でその場を流そうとする。


『そうだね〜か弱いじゃないか!!』

『うん、安心したよ!君はか弱い女の子だ!!』

『女の子に力で負けたとあっちゃ、男の名が廃るよ!!』


私たちは、あははと和やかな雰囲気を作った。

その時、人攫いのボスが大きな声で叫ぶ。


「ゴホゴホッ!!ってぇぇぇぇぇぇ!!」


私たちは、笑顔が固まる。

そして、同時に叫んだ。


「全然、か弱くなかったーーーっっっ!!」

「「「「「全然、か弱くねーーーっっっ!!」」」」」

ナルは、日本に住んでいた普通?の女の子なので、自分のチートな力にまだまだビビっています!!

人攫いのボスも避ければよかったのに、へなへなパンチでついつい、受けてしまったようです!!


次回も、ナルは攫われた女の子を逃すため、へなちょこパンチをドーーンとぶちかまします!!

次か、その次くらいで、人攫い編が追われるように、執筆頑張ります!!


ブックマークありがとうございます!!

執筆の励みになっております!!

これからも頑張ります!!

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