01話 私はお菓子のタブレットをご馳走になりました
私、山本奈留は15歳で死んじゃいました。
天国に行くのかなと思ったのですが、この妙な空間に飛ばされました!
ただいま、ケモミミ幼女の神様と絶賛、会話しています!
「異世界転生時に割り振れるステータスポイントは前世の人生によって変動するのにゃ。えっと、ナルのステータスポイントは、すごいにゃ!カンスト値の100万ポイントにゃ!」
「ええっ!それってすごいの?」
「これまでの最高値は、1万ポイントくらいなのにゃ!」
「やったー!」
「ナルは『日本』という国から転生するんにゃ?」
「うん、私の住んでいた国は『日本』だよ」
「了解にゃ、じゃあ、これで、ステータスポイントを割り振ってくれにゃ」
ケモミミ幼女の神様が、何かを私に投げる。
私はその何かをキャッチする。
ん?お菓子?
「ねー、神様、これをどうするの?」
「日本では、この、タブレットというものが流通しているのではないのかにゃ?情報を打ち込むのに使っていると聞いたから具現化して見たのにゃ」
「これは食べるタブレットだよ?情報を打ち込むタブレットはこんな感じの四角いの!」
私は指で概形を示す。
「にゃにゃ!」
「これじゃ〜、何も打ち込めないよ〜!」
「ごめんなのにゃ!クルルのミスでナルはステータスを打ち込めないにゃ」
ケモミミ幼女の神様のクルルがショボンとする。
か、可愛いよ!
「気にしないで、クルル!私、転生できるだけで嬉しいんだ!」
「ナルのステータスポイントがカンストしているのは納得にゃ!ナルの心は澄んだ水のように綺麗だからだにゃ!」
「ふっふ〜ん!私にかかれば、誰でも笑顔にできるんだ!」
「転生先でも頑張るにゃ!応援してるにゃ!」
「ありがと、クルル、楽しんでくる!このタブレットどうする?」
「いつもは回収するんのにゃ、でも、今回は間違ってしまったから特例として、あげるにゃ!ナルが食べたらいいにゃ!」
「わかった〜!それじゃ遠慮なく、いただきま〜す!」
タブレットを食べたら、私の体が輝いた。
「クルル、これ、どういうこと?」
「分からないにゃ!もう転生が始まるにゃ!剣と魔法の飛び交うファンタジー世界にゃ!ナル、いってらっしゃいだにゃ〜!」
「うん、行ってきま〜す!」
私の体は、光とともに消えていく。
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目を開けると、そこにはファンタジーな街並みが広がっていた。
「おお〜、すごい!ゲームや絵本の中の世界みたいだよ」
私は周りを見渡す。
露店の店主とお客さんが値段交渉をしている。
頑張れ!
子供たちがかけっこをしている。
可愛い!
魔法使いの格好や剣を腰に携えている人がいる。
かっこいい!
私もなれるのかな!
私がその場で、街の雰囲気を楽しんでいると、叫び声が聞こえる。
「にゃーーーーーーーー!」
聞き覚えのあるこえに私は声がした上を向く。
上空から、クルルが落ちてきた。
「ええーーーーーーーー!」
「受け止めてにゃ!」
「クルルーーーーーーー!」
私は手を出したが、そのまま突き抜けた。
どーーーん!
クルルは穴から這い出てくる。
「ひ、ひどいにゃ!」
「ごめん、クルル!私、全く力が入らなかったの!」
「ナルはステータスを全く振らなかった影響かもしれないにゃ」
「ごめんね、クルル......」
私はショボンとする。
「クルルが悪かったのだから気にしないでいいにゃ!」
「ありがと、クルル!でも、どうして、クルルもこの異世界に来たの?」
「クルルは、ナルに対して、仕事を全うできなかったから、神様を辞めさせられたにゃ!」
「ええ!ごめんなさい!」
「ナルはそこは怒るところにゃ!クルルは自業自得だから気にしなくていいにゃ!」
「うん......」
「一緒について行ってもいいかにゃ?クルルはすべてのステータスが0にゃ......」
「神様なのに!私もステータス0以下だけどね!」
「そんなの気にしないにゃ!!」
「クルル!!私たちはまず、何をしたらいいかな?」
「この世界にはギルドがあるにゃ!とりあえず、冒険者ギルドに行って、冒険者登録をするにゃ!そうすれば依頼を受けて、お金を稼ぐことができるにゃ!」
「うん!了解!」
私たちは、冒険者ギルドに行くことにしました。
神様、タブレットを間違えるなんて、『日本』に詳しくなさすぎです!
ケモミミ幼女の神様といくほのぼの異世界生活が開幕です。
爽快でスカッシュに主人公のナルのチート劇を描いていきます。
次回は冒険者ギルドに向かいます!