キャラメイク完了
やっとキャラメイクーー どんどん長くなってまとめる能力が足りないなあと反省中。
さあ、いよいよキャラクター作成だ。
名前は響をカタカナにして名字を外して【ヒビキ】にする。
現実世界に影響を与えないように、性別や大きな体格は変更が出来なくなっているが種族は選ぶ事ができる。
種族は外見と、ステータスや取得できるスキルに若干の影響があるらしい。
ステータスへの影響はそこまで大きくない。 エルフでタンクやドワーフで魔法使いプレイも問題ないそうだ。
ただスキルと称号の一部に種族限定の物があるらしい。それによってジョブにも影響がでるのでよく考えてくださいねとヴァルゴからアドバイスをもらった。
ただ自分の性格的に効率の為に種族を選ぶのは性に合わない気がしたので、自分の気に入った外見の獣人を選んでみる。
獣人はモデルとなる動物を選び、またパターンも完全獣顔や耳と尻尾だけのライトタイプが選べてバーのスライドで深度も変えられるようだ。
モデルの動物もかなりの数がある為、獣人だけでかなりのバラエティが生まれるんじゃないだろうか。
猫と狼と狐で迷ったのだが、狼がカッコ良かったので狼のライトタイプを選んでみる。
響は大人しめで静かな性格をしているため、性別を変えるつもりもなかった。
体格は少し痩せているが背は高め、顔はよく見ればまあまあ整っているが、前髪が長いことや、あまりおしゃれをしないため目立たない顔立ちをしている。
大学でも仲のいいグループと一緒に遊ぶことなどはあるが、基本的には一人でゲームや本を読んでいる事が好きな落ち着いた性格をしている。
あまり目立たないように顔をあまり弄ることはなく、
目と髪の色だけ変えて、黒色をベースに白のメッシュを軽く入れてみる。
その色に合わせて狼の耳と尻尾も色を調節。
獣度合いをライトにしているので、犬型獣人とあまり変わらないなあと思いつつ、これで決定。
獣人系のボーナスは身体能力に少しのボーナスだったため、STRとVIT、AGIに1ずつボーナスが入っている。
自分がしたいプレイスタイルだとあまり役にたたないかなあと思いつつ、どうしても狼型の獣人が気に入ってしまったので気にしないことにする。
ステータスはDEXを多めにバランス型。
ここまで簡単に決めているように思えるが、色々悩みながら決めており結構な時間が経っている。
「よし、やっとメインのスキルだ…」
そう思わず呟いてしまうほどには。
響が悩みながら決めているのをニコニコしながら見守っていたヴァルゴが、
「響さまは【オール•クリエーション•オンライン】で、どのような生活を送りたいなど、ご希望はございますか?」とたずねてくる。
「ゲームはなんでも好きだったんだけど、俺が一番好きなゲームがファンタジーRPGと農場とかを作るゲームだったんだよね。 だから魔法を使って牧場とか、製作とかをしたいかな。」
昔にやったことがあるゲームを思い浮かべてながらそう伝える。
「でしたら【飼育】と【魔法技能】はいかがでしょうか。牧場などを作る時にお役に立つかと。」
「ヴァルゴさんが勧めてくれるなら、取ってみようかな。」 響は即決でそのスキルを取得する。
「んー、それなら他はこれにしようかなあ…」
【飼育】に関連して【農業】、【魔法技能】に合わせて【調薬】などを取ってみる。
「【加工】はあるのに鍛冶とかはありそうなのにないんだねー。」
「【鍛冶】などもございますが【加工】からの派生になりますね。取得条件は秘密です。」
「ふむふむ、【加工】の時に何を加工するかで派生するのかな?楽しみだなあ!」
とりあえず加工もポチッと取ってみる。
残り5Pだが基本スキルだけではなく、必要スキルPが高い物も少し取ってみたい。
だが、必要スキルPが高いスキルはパッと見で効果がわからない物も多く少し躊躇ってしまう。
うーんと唸りながらリストをスクロールしていくと、
一番下にスキルランダムという表示を見つけた。
「ヴァルゴさん、これはなに?」
「それはスキルガチャというそうです。5スキルPを使ってランダムでスキルを取得するそうです。
またどんなスキルが当たったかはゲーム開始するまでわかりません。【オール•クリエーション•オンライン】は依代を一度作成してしまうとやり直しができませんので本当に運となってしまいます。 ただ必要スキルPが3以上のスキルは発生に特別な条件が必要な物も多く、5はほとんど特殊なユニークスキルとなります。流石に5は出ないと思われますが、3以上なら5Pの価値ありっ かもしれませんよ。」
スタートダッシュで攻略組目指すわけでもないし、
その選択肢もありかな…?
できれば生産に役立つスキルがいいなあと思いながら
スキルランダムのボタンにチェックを入れ、キャラメイクを完了させた。
「ふーっ、思っていたより時間がかかっちゃったなあ… 簡単に作るつもりだったんだけど、選択肢が本当に多くて悩んじゃった。 ヴァルゴさん、こんなに長く付き合ってくれてありがとう!」
「いえいえ、こちらこそヒビキ様と一緒にいられてとても楽しかったです。」
「キャラメイクは一回だけだから、もうヴァルゴさんとは会えないんだよねえ…」
「新しい命などを育てていっていただければ、ヒビキ様とはまたお会いできると思います。」
「そうか、ヴァルゴさんは命の女神なんだっけ? ゲームの中でもまた会えるかもしれないんだね。」
「ええ、簡単にお会いはできませんが、再会を楽しみにしております。」
ヴァルゴは穏やかに微笑みながら会釈をしてくれる。
ヴァルゴに会釈を返しながら、響はパラメータボードの下にあるログアウトのボタンを押すと響の体はゆっくりと消えていった。
「とても暖かい方に会えてよかったです。また会いたいですね。」 誰に聞かれるともなくヴァルゴは呟くとゆっくり空を浮かびそっと消えていった。
お読みいただき心から感謝を。