表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/35

カプリコーンの親友

やっと伏線回収できたー!

「うわぁー。 ここがヒビっくんの牧場?! ここ、ベータテストの時はお爺さんとおばあさんが経営しててかなりおっきかった記憶があるんだけど!」


牧場を見て、リリが驚きの声を上げる。


「ベータの時はトガリさんが運営してたんだね。結構本サービス開始してからイベントとか変わってるのかな?」


「全然違うらしいよー。 ベータの時はクエストとかはほとんどなくて、システムとAI達のチェックがメインだったみたいだし!」


「へー! そうなんだー!」


そんな会話をしながらリリを家に招き入れる。


家の中はまだハウジングなど弄っていないため、大きな木のテーブルと椅子が置いてある。


「どうぞ座ってちょっと待ってて。お茶入れるね。」

「ありがとー!」


お茶の準備をしてリビングに戻ると、リリはとても興味深そうに部屋の中を見回していた。


椅子は大きめなものしかないため、足をプラプラさせながら部屋の中をキョロキョロ見回している。


「あはは、まだ何も部屋弄ってないんだけど。何か面白いものあった?」とヒビキが聞くと、


「うん! 暖炉とかランタンとか農具とか色々面白そうだねー! 暖炉は使った?!」と目をキラキラさせながら聞いてくる。


「まだ春だし使ってないよ! 冬になったら使おうと思ってる!雪とか降ったらすごい楽しそうだよねー?」とヒビキも尻尾をパタパタして答える。


「とてもイイ! それ見たい!!」

「うん、雪が降ったら遊びにきてよ!」

「絶対来るー! あー楽しみだなー!」


お茶を飲みながら、牧場での話や、マンドラコンの話、オーリンさんのピッピの話など取り止めのないことで会話が弾む。


結構な時間が経ったところで、ふとヒビキが当初の目的を思い出す。


「あ!リリ! そういえば俺を探してたって言ってた理由を聞いてなかったよ!!」


「あ!! そうだったそうだった! 楽しくてすっかり忘れちゃってたよー!」

テヘペロをごく自然にしてくるリリ。


「いや、ヒビっくんの事を探してた理由はね!

ボクの『親友』からヒビっくんの話を聞いてねー!

面白そう!気が合いそう!って思って探してたんだよー。」


「え?? リリの『親友』がオレの知り合いなの?」


「いや、『彼女』は直接ヒビっくんに会った事ないみたいよ?」ちょっと悪戯っぽい目でニシシと笑いながらリリが言ってくる。


「んーー。降参! 焦らさないで教えて!」

少し考えたが心当たりがなかったため素直に降参する。


「へへー! 答えは『管理者AI NO12 カプリコーン』でしたー!」ドヤ顔で薄い胸をバンと張り答えをいうリリ。


「え?!カプリコーンさんってヴァルゴさんと同じ管理者の??」

思っても見なかった名前が出てきて困惑するヒビキ。


「そーそー! カプちゃんがね。仲のいいヴァルちゃんと、とても意気投合してくれたプレイヤーが来たよ!ってすごい嬉しそうにしててさ!それで話を聞いたら、ボクも気が合いそうだし会ってみたいなーーーって思って探してみようと思ったの!多分ファーマーギルドに行けば見つかるかなーと思ってね!」


「ヴァルゴさんにはとてもよくしてもらったし、また会いたいと思ってるんだけど。リリの『親友』がカプリコーンなの?」


「うん!ベータテストの時も遅れちゃったってさっき言ったでしょ? 実はキャラメイクの時にカプちゃんと会ってね。 そこで意気投合しちゃって!

キャラメイクしないでずっとカプちゃんと話してたんだよー!」あははと笑いながら話すリリ。


「あーー!! 情報板で噂になってたベータテストの時にベータテスト期間の半分をキャラメイクにかけた人ってリリの事?!」


「うぐ…噂になってたの…。恥ずかしいな…。カプちゃんとキャラ作りしながらずっとダベってたら半分期間が過ぎちゃってたんだよ…。その時ノリで身長もチビっ子にされちゃったし!」


「あれ?でもキャラクリのルールで身長とかあまり大きくは弄れないって聞いてたんだけど。」


「んーカプちゃんは悪戯大好きっ子だから、勝手にルール弄っちゃって特別に小さなキャラ作っちゃったみたいよ?」


(おいおい、いいのか管理者AI。)

心でツッコミを入れるヒビキ。


「だから! リアルではこんなちびっこじゃなくて!

もっとスタイルいいんだからね!」

と強調してくるリリ。


(んーあまりにも大きく変えた場合リアルに影響が出るって話だったし。つまり弄れる範囲を超えて小さくされてるけど、《過剰》ではないと。)


こっそりそう思うヒビキ。言ったらリリが怒るであろうから言わないけれども。心の中にそっとしまっておく。


「そういえば俺が開始時にヴァルゴさんがカプリコーンって同僚と順番変わってもらったって言ってたなー。」 ふと思い出した内容で話を逸らすヒビキ。


「そうそう! カプちゃんもヒビっくんに会いたかったみたいだけど、ヴァルちゃんの為に涙を呑んで代わってあげたの!ってすごい楽しそうに言ってたー!」


「それ涙呑んでないよね?」


「彼女は常に楽しそうだからね! 楽しくないことはしなそうだし。 カプちゃんがヒビっくんに興味あるのは事実っぽいから気をつけてね! 彼女すごい悪戯大好きだから。」


「えーーー!?どう気をつけろと!?」


「まあ悪いことはしないから大丈夫!多分。」


「不安しかないんだけど!?」


「あはは! まあしばらくは会えないみたいだし大丈夫大丈夫! あーカプちゃんに早く会いたいなー!」


笑っているが、心から会いたいと思っている様子でリリがそういうので、


「うん。ボクもヴァルゴさんに早く会えるように牧場を頑張らなきゃ!」と決意を新たにするヒビキだった。

お読みいただきありがとうございます。

ブックマークしていただける方も増えて励みになってます。 どうぞこれからもよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ