白狼との再会
ブックマークしていただけた方 本当にありがとうございます。少し不定期ですが更新頑張ります!
ヒロイン早く出したいなあああ!
肉と一緒に出たのは【ウサギの尻尾】というアクセサリーだった。
レアアイテム枠だが、そこまで激レアという訳ではないようで効果は【LUKに+3】という効果だった。
とりあえず早速装備してみると腰のベルトにちょこんと白い毛の玉がキーホルダーの様に現れる。
肉は謎の笹に包まれた肉だった。自分で解体をしなくてもいいことに少しホッとする。
狼に会えるかまだわからないが、もう少し分量が欲しいので狩りを継続することにした。
ウサギを探し、斧を振り下ろす事数回。
意外と肉はレアドロップなのかまだ出ていないが、
レベルアップのログが流れたので、今回はSTRとDEXに振っておく。スキルは今から作る料理用に【料理】と【狩猟】をとってみた。
【狩猟】は魔物を倒した際に毛皮や肉が出やすくなると書いてある。派生で解体とか出たらどうしようと少し悩んでしまったが、今回ピンポイントに欲しいスキルだったのでとってみる。
他にスキル欄をざっと眺めてみたが、イマイチ琴線に触れるものがなかったため、今回はこの二つだけとって保留にしてみる。
ステータスを振り終わり、よし!!っと気合を入れ直して再度ウサギ狩りに向かう。
1匹目は何もドロップがなかったが、2匹目で肉がドロップ。【狩猟】の効果が効いているかもしれないと、
やる気が上がる。
その後毛皮が続き、4匹目で3つ目の肉をゲットした。
3つあれば十分だろうと一旦家に戻り、肉のサンドイッチを作る。 パンや調味料も街に買いに行かなきゃなあと思いつつ、自分で料理をしていると3つ目のサンドイッチを作り終わった時に取得ログに【HQ ミートサンドイッチ】を取得したとログが流れた。
(え?料理もHQとかあるの?!)
確かにスキルに頼らず、自分で作っているのでHQができる条件は満たしているが、農作物だけだと勝手に思い込んでいたため、びっくりしてしまうヒビキ。
(まあラッキー!HQだと美味しくなったりするんだろうか?あとで食べ比べてみるかな!)
できたサンドイッチをアイテムバックに仕舞い込み、
斧を担いで森に行く準備をする。
森に向かう途中で泉で水を汲み、水筒に補充する。
(この泉の整備の為にも、街で鎌を買わなきゃいけないんだよなあ。 いくらぐらいするんだろう?)
そんな事をつらつら考えながら、森に入る。
森に入ると、遠目にターゲットできる木が見える。
前回と同じでブナの木だったので、この森ではブナの木しか採れないのかもしれない。
ターゲットマークが光っているところに斧を振り下ろすとHPバーが減り、【ブナの木】が3つ取れる。
スキルLVが上がるとやはり取得数が増えるようだ。
また前回と比べると疲労感も少なく感じる。
気を良くしたヒビキはどんどん木を切りながら奥へと進んでいった。
もう少しで以前狼と会った白い木にたどり着けるところで、猪型の魔物と遭遇する。
名前には【スモールフォレストボア】と書いてある。
今までスライムやウサギなど弱そうな魔物しか倒していなかったため、少し緊張しながら斧を構えて対峙する。
【スモールフォレストボア】はヒビキを確認すると「ブモァアオオ」と鳴き声を上げながら突っ込んできた。
「うああ!?」 いきなりの突進で驚き、不格好に転がって避けるヒビキ。
【スモールフォレストボア】は一回突進するとすぐに方向転換できないのか、木にぶつかり『ズシン』と音を響かせ止まる。
その隙に立ち上がることができたが、今の音からして食らうと結構ダメージを食らってしまう気がする。
慎重に行動しなければと思いつつ、初のまともな戦闘に身体が強張りうまく動ける気がしない。
舌も乾き、手も少し震えてしまう。
その間に【スモールフォレストボア】はこちらを向き直し、再度「ブモァオオオオ」と鳴き声を上げながら突っ込んでくる。
身をかわしてすれ違いざまに攻撃しなければと思うが、やはり大きく避けてしまい、攻撃するチャンスが生まれない。
斧を握る手に汗がにじみ、額からも汗が流れる。
(VRでここまで再現しなくてもいいのに!!)
と内心毒づきながら【スモールフォレストボア】が再度こちらに突っ込んでくるのを待つ。
三度鳴き声を上げながら突っ込んできた【スモールフォレストボア】に、「ええいっ!!」と避けながら通り過ぎる体に斧を振り下ろす。
『ガンッ』という音と共に光が出てダメージが与えられる。
「やったか!!!」とヒビキはその場面で一番言ってはいけないセリフを言ってしまう。
「モァアアアアアアア!!!」と咆哮があがり、【スモールフォレストボア】が光の中からヒビキ目掛けて突っ込んでくる。
(やばっ!?)
そう思う間も無く、胴体にズシン!!と突進を食らって吹っ飛んでしまう。
「うぐぅ!!!」と呻き声を上げながら吹っ飛び、白い木に叩きつけられるヒビキ。
ヒビキは獣人でステータスもバランスよく振っていたため、VITも低すぎるわけではないが、この森中央部分『白狼の森』は元々高LVマップになる。その近くのエリアは『白狼の森』ほどではないが、周りと比べ少しLVが高い魔物が出現する。
【スモールフォレストボア】も比較的強めのモンスターであり、その突進は一撃でヒビキを吹き飛ばし、HPバーを8割削っていた。
木に叩きつけられ、身動きが取れないヒビキに再度【スモールフォレストボア】が狙いを定め、足で地面を掻く。
(あー…死んだらサンドイッチどうなるんかな…)と
ある意味呑気な事を考えながら【スモールフォレストボア】が突進してくるのを眺めていると、
(またオマエか!!!)
という声が後ろから聞こえ、白い風が【スモールフォレストボア】に襲い掛かった。
パシッ!!!と効果音と光が発生し、光が消えると【スモールフォレストボア】がいた場所には前回出会った【白狼】が凛々しく立っていた。
お読みいただきありがとうございます。




