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亡きお父さんと話をして見習い天使の海斗くんに助けてもらう

二部分がかけました。

会話が多いので読んでいて読みにくいかもしれません。

楽しく読んで頂けたら幸いです。


宜しくお願いします。

次の日、私は真理恵にメールをした。


『真理恵、昨日は秘密を教えてくれてありがとう。また今度はお父さんに会わせてね。』


真理恵から返信が来た。


『いいえ、お母様に莉乃のこと紹介出来て嬉しかったです。

莉乃が良かったら今日、莉乃のお父様に会いに行きましょうよ』


『いいよ』


『では今日の17時前に夫婦岩の前で待ち合わせね。メールは削除して下さいね』


『分かった。17時前に行くよ。メールを削除するね」


私はメールを削除した。



私は今日お父さんに会えるんだ!と思うとニコニコが止まらなかった。


「な〜に?一人で笑って。嬉しいことでもあったの?」


「お、お母さん!」


私はお母さんが私を見ていたのだと知って驚いてしまった。


「なんでもなーい」


平静を取り繕った。


「お母さん、これから仕事に行くから莉乃が家から出る時は鍵をかけて出てね」


「はーい!」


「元気がいいわね。

じゃあ、行って来ます」


ガチャ


とお母さんは鍵を掛けて仕事に行った。



私はベッドに横になりお父さんに会ったら何を言おうか、と考えて興奮していた。




そして真理恵と約束の時間に間に合うよう着替えて16時15分に家を出た。


夫婦岩に着いたのは16時45分だった。


ー真理恵はまだ来てないんだ


私は近くの草むらに座って待っていた。



そして17時になっていた。


ー真理恵に電話してみよう


真理恵に電話をすると


『おかけになった電話は電波が届かない所にあるか電源が入っていません』


アナウンスが流れた。


ー真理恵はお父様に怒られたか何かで携帯電話が使えなくなったのかな?

ーでも私お父さんに会いたい!

ー真理恵がこの前唱えていた言葉を唱えてみよう


私は夫婦岩の大きな石に右手を当てて


「麗しき…えっと、夫婦岩様…だったかな?私を祝福して下さい。

霊界の門を開けて下さい!」


夫婦岩の間に光の白い道は現れなかった。


「あ!ソラノイロ!」


夫婦岩がグラグラ動いて強い風が吹き、夫婦岩の間から大きな光の渦が現れて莉乃はその光に包まれて吸い込まれていった。




「痛……いっ」


私は背中や腰や腕やが痛くて起き上がろうとして三回目でなんとか起き上がった。


見渡すとそこはピンク色や黄色や白色の綺麗なコスモスのようでいて違う花が沢山咲いていてチョロチョロと川のせせらぎが聞こえていた。


ーえっとー私は夫婦岩でうる覚えのお呪いを唱えて光に包まれて…それから覚えてないけど、今はここにいるんだな


立ち上がった私は川岸へと近づいて行った。


10メートル先にお父さんがいるのが見えた。


「お父さん!!」


私はお父さんが少しフラフラしているように見えて気づいてもらいたくて大声で叫んだ。


「お父さん!」


すると


「莉乃!何している。何でこんな所にいるんだ」


お父さんは驚いたように私に言った。


「お父さんに会いに来たんだよ!待ってて!川を渡るから」


私は川に右足を入れた。

しかし冷たさも水の感覚もせず普通の場所を歩いているだけに思った。


そしてその時、右腕を強く掴まれて私は右後ろを振り返った。


大きな白い羽根を背中に二つ付けた天使のような若い男性が私の右腕を右手で掴みながら浮いていた。


「何するの?」


私は尋ねたし右腕がかなり痛かった。


「この川を渡ってはいけない」


足が宙に浮いている天使は言った。


「お父さんの所へ行かせて!話したいこと、聞きたいことが沢山あるの」


私は泣いていた。


「莉乃!お前はまだ来てはいけない!」


お父さんが遠くから叫んでいた。


「お父さんの所には行けないけれど、話だけなら特別に許可されているよ」


天使の男性は地面に降りて来て優しく私の目を見つめて言った。


「話すだけでもいい。

ありがとう」


私は天使の男性にお辞儀をして、右腕からは手は離れた。


「お父さん!こんな風にお父さんと会えると思わなかった。

お父さんが死んだ時悲しくて悲しくて、お母さんも私どころじゃないくらい泣いていてお父さんは知っていたの?」


私はお父さんに問いかけた。


「ああ、お母さんと莉乃のことは気がかりで何度も見に行っているよ。

お母さんが月命日の日には今でも仕事場を見に来ていることや、お母さんの心の声も莉乃の心の声も死んだら聞こえるようになったよ」


お父さんは悲しそうな声で言った。


「お父さん、成仏出来てるの?

なんかお父さんフラフラユラユラしてる」


私はお父さんの姿の見え方に心配になっていた。


「お父さんは莉乃のいる世界に未練があって自分で死を受け入れるのに時間がかかり一年以上死んだまま仕事場に居たんだ。

通りすがりの大天使様に、あなたは死んでいるからあの世へ一緒に行きましょうと言われたのが最近のことだからまだこの世界に慣れていないんだ…」


「莉乃!あまりこの場にいてはいけないから最後に言う事がある。

お母さんを大切にしてやってくれ。

そして実は莉乃は…」


「莉乃さんのお父様、そこまでにして下さい!後は僕が莉乃さんに伝えますから。安心して下さい」


天使の男性が私のお父さんの言葉を遮った。


「さあ、莉乃ちゃん時空と次元を今から超えて僕の住む場所まで行くから」


そう言って天使の男性は私の体をを両腕で持ち上げた。


「お父さーん!私お母さんのこと大切にするから安心して!」


私は言った後に目を閉じてお父さんに見られないように泣いていた。



「それでは23次元へ行きます。目を閉じたままでいいですからね」


天使の男性は言い耳から鳥のような鳴き声が消えてツーンとして5秒ほどしてから





「着きましたよ」


ホッとするようなお兄さんのような声で天使の男性は呟いて私を下ろした。


「僕は見習い天使の海斗。

僕のこと覚えてないかな?

僕は大天使ウリエル様の元で働いているんだけど、僕の知り合いの地上界の子が三途の川の前で倒れているから助けに行ってくれって言われたんだ」


「あの川は渡ったら死ぬという三途の川だったんですね。

私は天使に知り合いはいません」


私は当たり前のことを言った。


「僕は莉乃ちゃんと本当は同じ年で同じ団地に住んでいたよ。小学四年生の春に持病の喘息で死んだんだ」


「えー!津島くん!?津島海斗くん!?」


「だって見かけ大人だよ」


私は驚いて言った。


「この世界では好きな年齢にしてもらえるから18歳にしてもらったよ」


津島くんは言った。中学二年生から見たら18歳も大人なのだった。




私は思い出していた。


小学四年生の春休み


私は体育座りをしてお母さんが料理している所でお母さんとお父さんと夕方に話をしていた。


「まだ桜咲いていないけれど、今年もお花見に行きましょうよ」


母は楽しそうに言い


「そうだなー春と言えばお花見だ!」


父が言って三人で笑った。



そんな時に


「リーーン!リーーン!リーーン!」


私は今日の電話はけたたましく鳴るなーと思いビクッとした。お母さんが電話に出て


「ええ、ええ、はい、ええ、はい」


短いやり取りだった。


「三号棟の莉乃と同じ年の津島くんが喘息で亡くなったらしいの」


私は津島くんは目立たなくて色白で外で遊ばない男子だなーと思っていただけで話はしたことがなかった。


ー喘息って死ぬくらい怖い病気なんだ


子供心にそう記憶に残っていた。





「また、会えたね」


見習い天使の津島くんはにっこりして私に言った。


「う、うん!津島くんは元気?」


私は死んだ人に元気かどうか聞くのも気が引けたけれど聞いてしまった。


「海斗でいいよ。僕は元気だよ…君にまた会えて嬉しかった。

僕はずっと君を見ていた」


海斗くんは懐かしそうな目をして私を見つめていた。私はなんだか海斗くんが告白をしているような気持ちがして少し顔が赤くなっていた。


「地上界に来て私を見ていたっていうこと?」


私が尋ねると


「いや、違う。

生きている時に団地の部屋の窓から見えるグラウンドで莉乃ちゃん達が元気に遊んでいるのを見てた。

莉乃ちゃんは輝いていた。

笑顔が特にいいよ!」


海斗くんはまたにっこりして遠くを見つめた後に私の目を見つめて言った。


私は小学生の時から好きな男の子に片思いで告白出来ずにいたけれどさらりと告白めいたものを私に言った海斗くんを意識し始めていた。


「海斗くん、褒めすぎだけど優しい人だったんだね」


私が照れながら言うと


「莉乃ちゃんは僕の初恋の人なんだ。

好きだったんだ」


海斗くんは何故か寂しそうに目を下に向けて言った。そして


「僕は莉乃ちゃんばかり目で追っていたけれど、僕だけじゃないんだ。

皆んな男子も女子も莉乃ちゃんを見ていた……それには理由があるけどね」


「理由って何?」


私は皆んなから見られる意味が分からなかった。


「莉乃ちゃんがこの世に生を受けた時から証を手のひらに持っていて特別だという事と、莉乃ちゃんのお父さんが最後に言おうとしたのは…莉乃ちゃんは莉乃ちゃんのお父さんとお母さんの本当の子供じゃないんだ…皆んな知ってること」


沢山のことを聞いたけれど一番ショックだったのは私がお父さんとお母さんの本当の子供ではないということだった。



私は頭をガツンと殴られるとはこの事かと思い思考力がグワングワンと音を立てて何も考えられなくなりその場にしゃがみ込んだ










二部分を読んで下さりありがとうございます。


三部分はまだあまりストーリーを考えていないので投稿まで時間がかかると思います。


また宜しくお願いします。

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