64:買われて想って想われて
おそらく今までで一番書き方に悩んだ回です。
「両新婦、ご入場––––」
その言葉が号令となり、静かに時を待っていた参列者は拍手し歓声を上げた。
その賑やかさに挙式特有の静謐さや神聖さは欠けらも感じられなかったが、そもそもここは日本ではないし式の雰囲気云々の固定観念に囚われる必要もない。
皆が思い思いの祝意を示してくれる。その時点で十分、この催しは成功であると言えた。
––––まぁ、そもそもまだ入場の途中なんだけども。
真紅の絨毯の両側にずらりと設置された、無数の花壇。それらに咲き誇るカラフルな大輪が、花嫁を祝福している。
そんな華やかなバージンロードを軸に、線対称で規則正しく設置されたベンチの列。ここが屋外でなければ、教会と見紛うばかりに整然とした会場だ。
––––そこには、沢山の人がいた。
酒場の店主さんは私にとって、お世話になった人の代表と言える。
一人暮らしの頃は料理もろくにできなかったから、食事の時は酒場に通い詰めだった。沢山気にかけてもらったし、気安く遠慮のない口振りで接してもらえたからこちらもなんだかんだ気楽にいられた。
そんな彼は、殺人でも犯していそうな顔を凶悪に歪めると軽く手を振ってくれる。だからブーケを控えめに振り返せば、僅かに笑みを深められた気がした。……いや、本当に殺されそう。ソフィちゃんがこの人の娘だってことが未だ信じがたい。
また、やや離れた位置には某召喚術師殿の姿も確認できた。大して親しくもない上、あんな粗末な手紙で呼びつけて律儀に駆けつけてくれるなんて泣きそうだ。いや泣かないけど。
それ以外の人たちは大半がレーナちゃんばかりを祝福していることだろうと思う。だって私基本単独行動してるからね! レーナちゃんほど交友関係の輪は広くない。
「……ねぇスミレちゃん、ふと気づいたんだけど」
広場中央へ足を向けながら、小さな翡翠のエスコート係さんに小声で尋ねる。
「……何なのです?」
「バージンロードってさ、確か人生を表してるとか聞いたことあるんだよね」
「はぁ……?」
いきなりどうしたこいつ、なんて不躾な視線を向けられるが、構わず二の句を継ぐ。
バージンロードがこれまでの人生の歩みを表している、という話を聞いたことがある。
最初の踏み込みが生誕、歩み終わりが現在。そして、この絨毯の上での一歩一歩が人生における『一年』に等しいのだという。いやまあ誰かからの聞き齧りなんだけど。
「と、考えてみるとおかしな事があるんだよ」
「というと?」
「だって、エスコート係のスミレちゃんは、私が生まれた時まだこの世にいないじゃん。なのに同じ歩幅とペースで絨毯歩いちゃいけなくない?」
「うーん……たしかに?」
私もレーナちゃんも天涯孤独の身の上であるからして、血族はいない。よって誰か知り合いにエスコートを頼もうとしたところ、件の幼女二人が立候補してくれたので即採用したのである。
しかしよくよく考えてみれば、同性婚な上にエスコートしてくれるのも自分より一回りは年下の小さな女の子たちと、中々規格外な結婚式。そうなると、真紅の絨毯の解釈はどうなるんだろうとふと疑問が過ったわけで。
「あ、でも、この国での挙式の絨毯の意味は、スミカの言うそれとは違ったものだったはずなのです」
「何それ気になる」
「知りたいのです?」
「知りたいですね」
「教えてあげるのです」
私のような変な人間の影響を受けて育ったせいか、スミレちゃんはやや変な方向の知識を溜め込むことを好んでいたりする。魔法の教本も独学で一部読み解けるようになってきているし、この子は将来何を目指しているのだろうか。
「長く続く赤々とした絨毯は、全身の血管を表しているのです。自分の血の管を伴侶に踏みしだかせることで己の命、ひいては血肉の一欠片、一滴残らず全身と全霊を捧げる……そういう意味がこもっているとか無いとか」
「え、いやそういうグロいなのはちょっと」
こっちに来てから割とそういう耐性も付いたけど、あまり気分は良くない。というか実際に見るより言葉から想像した方が精神的にクるものがある。
「あははぁ、あくまで一説なのですよぉ」
血肉の話題なんて挙げながらにんまりとした笑顔を浮かべるな。サイコパス感が凄い。
が、その笑みは次の瞬間ちょっぴりその色を変えて、私の目をまっすぐ見返す微笑に変わった。
「でも、どんな解釈であれこの結婚式が二人を祝福していることは間違いないことなのですよ」
「……うん、そだね」
この子のこういうところ、結構好きだ。
スミレちゃんが何も言わなければレーナちゃんは覚悟を決めてソフィちゃんに正体を明かすこともなかっただろうし。
人の気持ちを動かすこと、誰かの為に真摯になれることは美点だ。
「スミカとレーナは、スミレの名付け親で、家族なので––––」
「––––」
「心から、おめでとうなのですよ」
そんな改まって言わなくても、祝福してくれてるのは分かってるというのに。
気恥ずかしさと嬉しさから、破顔してわしゃわしゃと頭を撫でてやる。可愛い奴め、このこの。
「わ、わ、ひ、人目があるのにそういうことやめて欲しいのです」
「今更でしょ。私がこういう人間だってことはもうバレバレだもん」
「だからって……あぁ、もう! 離すのです! スミレはもう席に行くのですよ!」
「うん。最後までよーく見ててね」
「……はいなのです!」
そうするうち、バージンロードの果てはあっという間にやってきた。
その辺り本当に人生と一緒だと思う。自分以外の誰かがいるだけで、時間なんて瞬く間に過ぎてしまう。
「じゃあ、近くで見てるので、変なことやらかしちゃダメなのですよ」
「お母さんか」
「養い子なのです」
「へいへい、違いない」
ぴゅーっと絨毯を降りて駆けて行ってしまう彼女。並ぶ席の中でもいっとう壇上が見やすい所に腰掛けると、にんまり笑ってくつろぎ始めた。
––––こんな時まで緊張感が無いというか、一体誰に似たんですかね。
****
––––真紅のカーペットを進む。参列して下さった皆さんは勿論、全員顔見知りだ。
八百屋のファムさんには、旦那さん共々お世話になった。美味しい野菜をおまけしてもらったこともあったし、私が風邪を引いた時なんて、本当に。
花屋のお爺さんとは会話が弾んだ。村の奥様方には料理の作り方を教えてもらったこともあったし、井戸端会議なる興味深いお話も聞けた。牧場では、冒険者の方には、村長さんには、お医者様には、男の子たちには––––五年に及ぶ日々の中、村での出来事はそれこそ枚挙に暇がない。そしてそのどれもに、分け隔てない好意と温情があった。
「……レーナお姉さん」
「ソフィちゃん?」
周囲に気取られない程度の小さな声音で、私の名を呼ぶ小さなエスコート係さん。ふと反対側を見れば、私の花嫁さんもスミレちゃんと何やら会話しているようだった。
「どうしましたか?」
「あ、えっ、と、ね……ほ、ほらっ、みかちゃんも言ってたでしょう? 緊張、してないかなって」
ソフィちゃんから声をかけてきたはずなのに何故か彼女はオロオロと落ち着きがなかった。
何か言いかけたようにも見えたけれどそれを誤魔化して、別の話題を持ちかけてくる。
何だか表情にも影が差していて、けれど隠した事を無理に聞き出すのは気が引けた。
「……緊張は、勿論してます。こういう自分が見られる場は、本当に苦手で」
「あ、あはは、そうだよね、何聞いてるんだろうね……わたし」
私は元々上がり症だ。沢山の人目は本当に苦手で、正体を晒したまま外を堂々と歩くのにだって、慣れるのに暫くの時間が要した。
「でも、固まってばかりもいられませんから」
「……そっか」
ここでじっと固まって動けなくなってしまったら、スミカさんを待たせてしまうことになるから。
羞恥することはやめられなくとも、恐れる理由はもうない。私は、私のままでいいのだから。
「……いいなぁ」
ソフィちゃんは、搔き消えそうな声量で何事かこぼす。
羨むような、諦めたような。複雑に入り混じった感情を内包したそれは、しかし私には聞き取ることができなくて。
「今、なんて……?」
「ううん、何でもないよっ。本当におめでとう、式、頑張ってね!」
今度こそ追求しようとすると、彼女は静かに首を振って、最後の激励をくれた。
「幸せにね」
まるで『擬態』。その表情は紛れもなくいつも通りの無邪気なソフィちゃんに戻っていた。いっそ先ほどまで気のせいだったかのように、負の感情は見当たらなくて。
「はい」
だから、安心してしまったのだ。
そうこうするうち、牧師様の立つ祭壇が間近に迫ってくる。
「じゃあ、見てるからね」
「はい」
それとほぼ同時、スミレちゃんは軽く私に目配せしてから絨毯を降りて行った。ソフィちゃんもまた、それに追従して行く。
「スミレちゃんと何を話していたんですか?」
「バージンロードの何たるかを語り合ってた。レーナちゃんは?」
「は、はぁ……えっと、私は軽く応援してもらいました」
「そっか、親友だもんね」
「はい」
そうだ。私をいつも慕ってくれて、対等に扱ってくれる彼女は、私にとって大切な一番の友達だ。
「あの……壇上に上がる前に、少しいいですか」
「うん?」
「最後に……十秒だけ、手を握らせて下さい」
緊張を紛らわすことはもう殆ど成功している。だからこれは、最後の仕上げ。
「十秒なんて、そんな急がなくていいよ」
「……はい」
スルリとスミカさんの手が伸びてくるので、片手をブーケから外し、それに重ねる。じんわり熱が伝わってきて、ほぅ……と思わず吐息が溢れた。彼女の体温には、やはり精神安定効果があるらしい。
このままずっと握っていたい衝動に駆られるけれど、必死にこらえ、きっかり十秒で離す。
「……あ」
すると、隣からどこか名残惜しそうな声が。
「ど、どうしました?」
「……う、ううん。なんでもない、なんでもないよ」
チラチラと私の手と自分の手を見比べるようにした後、スミカさんは前を向いてしまった。
もしかして、もっと私の手を握っていたかったとか、そういうことだったりするのだろうか。実は私と同じくらい緊張していて、私と同じように、相手の体温に安心感を覚えたとか。
だとしたら、
「……ふふ」
素直に言えないスミカさん、可愛いな。
そんな風に、心を満たした愛おしさのお陰で緊張は然程気にならなくなっていった。
これでもう、大丈夫。
****
「両新婦、神の御前へどうぞ」
バージンロードを歩き終え、花嫁たちは神の御前––––もとい、牧師の眼前へ。
この国の、重ねて言えば庶民の結婚式の流れは、日本のそれに比べるとかなり簡素で、手順も省略されている。そもそも、皆が皆貴族ほど大胆にお金を使えるわけでないので、正式で豪華な結婚式はそうそう挙げられるものでもないのだという。
スミカもレーナも村の広場を会場にさせてもらうと決めた以上、村の人たちがこれまでしてきたような形式の、温かな式がいいと思った。
神の御前で牧師さんに促され、誓いの言葉を口にし、いくつかの手順でその心を示す。そんな、ささやかながら意味のある式が。
とは言え、レーナのための出費を出費だとはこれっぽっちも思っちゃいないスミカは、式が一段落ついた後の食事会なんかに手を加えた。
それは、大きなウェディングケーキを用意してもらったりだとか、そういうささやかなアレンジで。
––––だってレーナちゃんと共同作業の入刀したかっただもんね。そういうのデフォルトで無いなら、特注するしかないじゃん。
最後に二人並んで数歩。それを終えれば本当の意味で式が始まる。
バージンロード––––すなわちそれまでの人生を経て、今度はまだ見ぬ未来へ踏み出した。一歩進むたび、否応無くこれまで隣の彼女とともに歩んできた日々が脳裏にフラッシュバックした。
––––幾多の幸福な記憶の中で、やはり印象的なのはあなたに出会った、始まりの日のことだ。
一歩、また一歩。
––––薄汚れてなお際立った美しさを持っていた銀と白と琥珀の美貌。
初対面では全然笑ってくれなかった。君はむしろ、私がいつ暴力を振るってくるかとか、無茶振りをしてくるかとか、そういうのを警戒してたらしくて。いやまぁ、無茶振りはたまにするんだけども。
でもいつの間にか、当たり前に笑ってくれるようになった。その笑顔が何より尊い。もうずっと笑っててほしい。嬉し泣きならいざ知らず、悲しい涙はなるたけ見たくない。
また一歩、また一歩。
––––憎まれるのは当たり前で、自分に好意が向くことなんて有り得ないと思っていた。
私を選んでくれた理由は、一目惚れなんてひどく曖昧なもの。
私のいた枠に別の誰かが収まっていたなら、あなたはその誰かでも良かったのかもしれない。
代替えの効く存在でも、必要とされるなら最初はそれでも良かった。
けれど気がついたらあなたのことがどうしようもなく好きになっていた。あなたに無二の存在として扱われて、胸が焼け焦げるように熱く、どうしようもなく苦しくなって。
恵まれていると思う。だから、いつまでもこの幸運をずっとずっと大切に。
この手にしっかり掴んで、離れていかないように大事にするのだ。
一歩、一歩。
研ぎ澄まされ、美を追求され尽くした現在の君に、もはやあの頃の澱んだ印象はこれっぽっちも残っていない。
あの時被らされていたフードと、現在君の銀を飾る漆黒のベール。
生気が無かった瞳と、感極まったような潤んだ熱っぽい瞳。
状況は当時と全く違うのに、光景が重なった。
最後に、もう一歩。
そうして祭壇への最後の一段を上り終え、神の御前へやってくる。
そして、何より愛おしい、君を見た。
何より大切な、あなたを見た。
牧師を一瞥した後、互いの視線が交わる。
あれからもう五年だ。過ぎればあっという間だったけれど、毎日が楽しかった。
あの時––––君を買ったから、今がある。
あなたに買われて、今に繋がっている。
君を想って。
あなたに想われて。
共に日々を過ごして、こんなところにまでたどり着いた。
……いや、たどりついたわけじゃない。こんなのは通過点だ。
ゴールはまだまだ先であるし、その道を一緒に歩くあなたがいるから、不安なんてこれっぽっちも湧いてこない。
だから前と、たまに隣だけを見て、この先も進んでいくのだ。
「右の新婦に、左の新婦」
「……はい」「はい」
牧師のやや固めな声がかかる。
新婦と新婦。新郎という言葉が発されない結婚式は、どこかおかしい。
ふふっ、とつい声を漏らすと、隣からも同じ気配がした。
見ればあなたも笑っていた。
私たちは一緒だ。これから先もずっと、同じものを見て、食べて、同じ場所で過ごして、同じ時を経ていく。一緒に泣いて笑って人生を生きるのだ。それ以上の幸せを、私たちは知らない。
「––––これより、誓いの儀を執り行う」
緩みかけた空気と花嫁の表情は、態とらしく咳き込んで厳かで格式ばった牧師の声音によって引き締められた。
私たちの顔を交互に見やった後、また私に視線が帰結し、誓いの真偽を問われる。
「汝、スミカはいつ如何なる時も、伴侶となるこの女、レーナを尊重し、尊敬し、想い、支え、共に歩み、死が二人を分かつまで、愛し続けることを、誓いますか」
「はい」
迷うことはない。ただ首肯する。むしろ死で分かたれても愛し続けてやるのだ。
「汝、レーナはいつ如何なる時も、伴侶となるこの女、スミカを尊重し、尊敬し、想い、支え、共に歩み、死が二人を分かつまで、愛し続けることを、誓いますか」
「はい」
迷うはずもない。静かに頷く。しかし死に分かたれても、彼女を愛し続けることはやめないと思う。
確かな覚悟を持って、それぞれ誓いを立てる。
それに満足したように牧師は頷き、二の句を継いだ。
「ブーケはそちらの台へ。指輪の交換を」
すると二つのリングが乗った、小さな台が運ばれてくる。
どちらの指輪も白く澄んだ色をしていて、まるで水晶のような不思議な材質をしていた。
「えっと……お先、失礼するね」
「……はい」
ブーケを手放し、代わりに指輪の片方を慎重に手に取る。
レーナちゃんの真っ白な左手に私のそれを添え、右の手でリングを少しずつ、薬指の根元まで押していく。
サイズはぴったりで、やがて完全に嵌め終わると純白のリングは光を反射しキラリと輝いた。
「……ふふ」
それを見て、彼女は満足げに琥珀の瞳を細めているがまだ式は終わっていない。
「嬉しそうなところ悪いけど……私のも、お願い」
「あっ……はい」
指輪に見惚れていると、スミカさんに催促されてしまった。
自身に嵌め込まれた際とほぼ同じ手順を踏み、ゆっくりと関節を抜け、根元までリングを通していく。
「ふへへ」
すると、彼女もまた己の指に嵌められたそれをニマニマと眺め出したので、人のことを言えないのではと思った。やはり、同じ家で暮らしていると似てしまう部分も出てくるのだろうか。
「––––では、最後に誓いの口づけを」
再度の軽い咳払いと共に、牧師は次の試練を課してくる。
流石に式の回数をこなしているのだろう。夢心地なカップルを我に帰らせるタイミングなんて、完璧に心得ているのだ。
「……レーナ、ちゃん」
「……す、スミカさん」
正直、これが二人にとって一番恥ずかしい。人前でキスなど、難易度が高すぎる。
「……難しければ、別に無理にしなくてもいいですよ。強制ではありません」
明らかに素の苦笑と共に牧師がそう嘯く––––が、それはそれで負けたような気がしてならない。むしろそれで心に決意の火がついたと言っていい。
「い、行くよ……?」
「はい……」
レーナは一生懸命に爪先を震わせ、背伸びをした。
推定百四十センチ程の小柄な彼女に、立ったまま身長差のある口づけは辛いものがある。
早く終わらせてあげなければ、と軽く体勢を折り、スミカは彼女のふっくらした唇に自分のそれを––––合わせた。
「ん……は、ふ」
「はふ……ん、んっ……」
軽く唇を引き合わせ、けれど一度付けてしまえば互いへの愛おしさに歯止めが利かなくなり、ぎゅっと互いを抱きしめ合って、スミカはレーナを持ち上げ、頬ずりを始めた。ひどく幸せそうにだらけた表情だった。
「ふへ、ふへへ……かぁいい、レーナちゃん、めっちゃかぁいい……」
「だいすきです……スミカさん、だいすき……」
「お、おーい……そ、そこまでしなくていいんですよー……?」
そんな風に、僅かに引いた様子の牧師が声掛けしても、二人はもう互いしか見えていないようで、心底安らかな顔で頰を擦り合わせていた。
「で、では誓いの儀については、これにて終わり……です。はい」
そう締めくくった牧師と、冷やかしの口笛が混じった歓声を上げる村人たちによって、ささやかな結婚式の一幕は、終わりを告げた。
一度目書き上げたらデータ消失、二度目は典型的な挙式にしすぎてぐだぐだになり、気に入らなかったのでNG。そんなこんな、三度目を書き上げるのに日が経ってしまいました。
ベールを位置を変えたり、ブーケを手放す際など、本来の挙式では相応に順序がありますが、異世界なのに日本と同じである必要はないな、と。
作者自身挙式の知識はとても浅く、もっとこうした方がいいと思った、これはしちゃいけないことだ、などご意見が御座いましたら、指摘していただければ幸いです。
後書き長文失礼しました。




