じいちゃん
『じいちゃん』
じいちゃんが隣にいる
じいちゃんが笑って
じいちゃんに似てる誰かと
楽しそうに話してる
じいちゃんが呼んでいる
白く焼けた日差し
白く同化した建物の遥か先
じいちゃんがいる
足元の影だけがはっきりと見えた
じいちゃんは手を振っている
じいちゃんと話をした
いつものように炬燵に入りながら話す
身の回りのこと最近の事家族の事
だけどじいちゃんの昔話は話さなかった
じいちゃんの目を見る
じっと目を合わせる
じいちゃんが言う
「 」
じいちゃんの黒目が大きくなる
黒々と輝く 薬品の匂い
じいちゃんが遠くなる
「 」
朝が来た