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敵は小説  作者: 雪猫
2/2

新たな事件1

 本部に帰りまだ俺の部屋が決まってないと言うので閉じ込められた独房で就寝する事になった。前とは違って扉の入り口も開いてあるしご飯も机の上に置いてあったのでひもじい思いをしないで住んだのだがやっぱり福島県が恋しかった。


 今日は疲れたから寝ようとするが先程の怖い思いから中々寝付けないしまた目から涙が流れてくる。やっと寝付けた頃には朝の4時になっていた。気持ちよくは寝ていなかったが無理やり起こされる事になる背中がなぜか痛いバンバンと叩いてくる。


 痛いので少し目を開けてみると加藤が立っていた、

 「もう8時よそろそろ起きなさいあんたその目また泣いてたの……」


 「すみません基本へたれなんです」


 俺の目は涙を流しまくったのか赤くなっており加藤はため息を付く、

 「課長とみんなが呼んでいるわよ大丈夫行ける?」


 俺はこくりと頷くしかなかった、ドアの外に出て作戦本部室に向かうともうみんな座っていた。

 「佐藤くんおはよう昨日はお疲れ様」


 木本は優しく言うように俺に話しかけた、

 「優希さん目赤くなっていますよまた加藤さんにいじめられたんですか?」


 雨霧が俺を心配してくる、加藤は首を横に振っているみたいだった。

 「課長俺達を集めた理由はなんですか?こいつの身の振り方が決まったんですか?」


 顔にいっぱい傷のある男安斎が俺を指差す、

 「みんなはどう思っているのかな?佐藤くんの事を加藤くんはどうかな?」


 「私ですか身体能力・心身面どれを取っても一般人より劣っていますが役には立つと思います」


 一般人以下扱いされてまたも涙が溢れて来る、

 「あらまた泣かせちゃったわよ加藤貴方佐藤くんを泣かせるのはかなりの天才ね」


 桑原は大丈夫よといって俺の頭を撫でながら慰める、

 「でも面白いように泣くよなあもうあだ名は泣虫姫でいいんじゃないか?」


 安藤がふざけたふうに言うと桑原が睨む、

 「私は釈放させて普通の生活をさせた方がいいと思います」


 「私も桑原さんの意見に賛成です」


 桑原が意見を出すと雨霧が手を上げる、

 「俺は加藤の意見に賛成かな最初から出来るやつはいないし鍛えたら人並みにはなるだろうしな」


 安藤は加藤に賛成と言う、

 「安斎くんはどんな感じなのかな?」


 「俺は課長の命令に従いますが一般人を巻き込みたくはないので桑原の意見寄りです」


 安斎は煙草を吸いながら話す、

 「じゃあ安斎くんは俺の意見に従う事でいいんだねじゃ決定事項を発表する佐藤優希は引き続き加藤補佐にする」


 「ちょっと待ってください何で私があいつとまた組むんですか?」


 「加藤くん、君署内で何て呼ばれてるか知ってるかな?暴走王だよ佐藤くんが相棒ならそんなに無茶もしないでしょ」


 ぴくぴく顔を引きつらせて木本は書類を加藤に見せる、

 「それに加藤くんは命令違反40件物損破壊30件犯人を逮捕するにしても暴走しすぎで俺部長に毎日怒られてるからね」


 木本は涙目になりながら加藤を怒る、

 「佐藤くんこれ君の手帳だよ無くさないようにしてねあとは武器だけど何がいいかな?」


 「課長一般人に拳銃は不味いと思いますスタンガンあたりでどうでしょうか?いざとなったらこれで自分の身は守れますからね」


 加藤は提案すると木本は頷くとスタンガンと捜査手帳を俺に手渡してきた、

 「よしそれじゃ本題に移ろうと思うんだけどみんな準備はいいかな?」


 「え?優希の事が本題なんじゃなかったのか」


 安藤は一本取られたと言って笑っていた、

 「話を続けるからな1時間前に新たな事件が発生した一人の政治家が殺害された」


 その話を聞きみんなの顔がすぐに引き締まる、加藤が尋ねる、

 「被害者は男性ですか?」


 木本は頷く、

 「そうなんだけど写真を見てほしい」


 写真がメインスクリーンに映し出されると政治家の様な格好をしながら綺麗な女性の顔が白目を向きながら映し出される胸あたりに撃たれた傷がありそれが致命傷になっているみたいだった。

 「被害者は女性の議員なんですか?」


 雨霧が驚いた様に尋ねると木本は首を横に振る、

 「被害者は男性だ名前は塚本太郎59歳で胸を拳銃で撃たれて即死その後に犯人が顔を整形したみたいなんだ」


 その年齢にびっくりする殺された死体の顔はどうみても20代の女性の顔だからだ。桑原が口を開く、

 「この事件も佐藤くん絡みですか?」


 「そうだありえない技術で死体の顔を変えているからな」


 木本は頷くと加藤が喋りだす、

 「何か犯行予告的な物があったんですか?」


 「3日前から不振な手紙があったらしいんだが破り捨てたらしいその1枚を復元する事に成功をした予告状の名前にはスキントランスフォーマーと書いてあったらしい、佐藤くん聞き覚えはないかな?」


 俺は考えるように頭を抱えながら思い出す名前だけは覚えているのだがどんな設定をしたのか全く覚えていなかった。

 「すみません名前だけは覚えているんですがどんな設定にしたのか殆ど覚えてないです」


 加藤は舌打ちをしながら言う、

 「本当にあんたは役に立たないわね」


 また悲しくなりながら涙を流すと加藤は強く言ってしまった事に気がつき俺をなだめる、

 「フフ案外お似合いのコンビかもしれないわね」


 「桑原さんそんなとこで笑ってないで泣いているこいつをあやすの手伝ってくださいよ」


 赤ちゃんみたいな扱いをされて俺は耐えられなくなりぼろぼろと泣き出してしまう、

 「加藤お前は脳筋だな少しはお前も学習をしろ」


 安斎は見てられなくなり加藤を叱る、

 「ちょっと安斎先輩脳筋ってひどくないですか私だって考えて行動しているんですよただこいつが泣き虫なだけで……」


 もっと泣く俺を加藤は睨み付ける。

 「少しは言葉遣いも気を使えと言っているんだ課長加藤に何も言っても治そうとしないと思います俺からの提案なんですが佐藤が1回でも泣いたら次の時間の飯を加藤はなしにする事にしてもらえませんか?」


 「そうだね加藤くんルールを設けないと絶対に駄目かもね」


 昼飯なしという安斎の言動と木本が頷くのを見た加藤はものすごく嫌な顔をする、

 「待ってくださいそれはひどすぎませんか?こいつの性でご飯なしとか何て拷問をするんですか」


 「課長2泣きをした場合はこいつの給料から600円を天引きして飲み物を加藤以外に買わせるようにすればどうでしょうかね?」


 加藤は興奮しながら言うと反省をしない彼女に安斎はもっと過酷なルールを設けるとみんなは拍手をした。

 「嘘ですよね……待ってください桑原さんと雨霧まで拍手しているんですか?」


 「だって飲み物が無料で買えるのよ嬉しいルールじゃないそれに佐藤くんの泣き顔を見なくて済むしね」


 「そうですよね加藤はすこし厳しすぎるので少し優しくなったほうがいいと思うんですよねそれに我慢の修行だと思えばいいんじゃないですか?」


 加藤は雨霧に言われた修行のところを深く考え頷く、

 「わかりましたやってやろうじゃないですかでも今はカウントに入ってないですよね次からですよね?」


 勢いよく啖呵を切った加藤だったか今からじゃないよねと心配をする。

 「よっしじゃあ決まりだねじゃあ話を戻すね実は20分前に第2の犯行予告がきたその人の警護を6人に頼みたいんだけどいいかな?」


 俺以外の5人は了解しましたと敬礼をしている。すぐに加藤に連れられて警護対象の元に行く、その家に着くと何人も警察がいるみたいだった。

 「人多すぎだろそこまで有名な政治家なのか?」


 桑原・安藤組も現場に到着すると喋りだす、

 「ええかなりの有名な人よ名前は安部鞘子56歳女性議員ね」


 「中々黒い噂を聞くやつだけどなお前等飲まれるなよ?」


 顔に傷のある男安斎・雨霧組も到着すると年長者らしく注意をする、

 「いやーでもすごいですねこの家かなり広いですよ」


 6人は玄関から入ろうとするが怖そうな刑事に止められるが安斎の顔を見るとすぐに道を空ける、

 「さすが安斎さんですね」


 「安斎さんってそんなに有名な方なんですか?」


 俺は恐る恐る聞いてみると雨霧は頷く、

 「警察庁の鬼刑事と呼ばれた名刑事だったんですが4年前の事件で――――」


 「雨霧勝手に俺の過去喋っているんじゃねえそろそろ警護対象の部屋で身を引き締めろ」


 安部鞘子の部屋に着くとトントンと扉を叩き安斎が最初に入る、

 「あらあらお久しぶりね安斎くん貴方が私の警護に来てくれるなんてね世の中もかなり変わったって事ね」


 「ええまあそうですねあれからもう10年ですからね」


 「安斎さん10年前に何かあったんですか?」


 普通に聞けない事を直球的に加藤が尋ねる、

 「この子私の不正の事でかなり噛みつかれてねそのときにいざこざがあったのよいい思い出よね?」


 「そんな事もありましたね話は変わりますが犯人との接点は何かないんですか?」


 「ないわねぇただ殺された塚本くんとは少し交流があったくらいね」


 ここで最初の被害者の名前が出た加藤がまた尋ねる、

 「また不正を起こして恨みを買ったんじゃないですか?本当に政治家は屑ばっかしですよね」


 加藤が失礼な事を真っ正直に言うと雨霧がすぐに口を塞ぐ、

 「あらあらまた面白い子を部下に持っているわね」


 「こいつは部下であっても相棒ではないですよ塚本議員とどんな話をしてたか教えては貰えるんですか?」


 「それは秘密よ公安の貴方ならわかっているはずだけど国家に関係する問題だから教える気はないわ」


 安部はこの話は終わりと言うと飲み物を取りに警護をつけ台所に行く、

 「お前よくそんな事が言えるよな俺びっくりしちゃったよ」


 金髪の安藤が加藤を褒めていた、

 「とりあえず時間まで各自、自由時間だ雨霧行くぞ」


 「はーい」


 安斎・雨霧組は違うところ行き警備の確認をするみたいだ、

 「俺達はどうする?」


 「怪しい人物いないか一人ずつ探していきましょう」


 桑原・安藤組は人が多く行き来しているので一人ずつ確認するみたいだ。

 「うーん私達はどうしようか優希?」


 「あの急に何で呼び捨てになったんですか?」


 「だって課長と安斎さんが言葉遣いに注意しろって言ったじゃないだから呼び捨てにする事にしたの優希も私の名前呼び捨てにしていいわよ」


 加藤は笑顔で言う、

 「そういえば名前教えてなかったわね私の名前は冬香(とうか)よ覚えた?」


 「すみませんいきなり呼び捨てはきついのでさん付けでもいいですか?」


 「しょうがないわねまあいいわよ」


 冬香は頷きながら了承をする、

 「まあ私達は車の中で待機ね仮眠取って置こう」


 車に行き後ろから毛布を2枚取り出すと椅子に座りながら仮眠を少し取る事になった。犯行予告の30分前に窓をトントンと叩く人がいる安藤だった。

 「起きろよくお前等寝てられるよな俺そこは関心しちゃったよおいおいまだ加藤寝てるのか」


 はぁと溜息をつくと安藤はマジックペンで悪戯書きをする。

 20分前には安斎が来ると同時に加藤が目を覚ます、

 「おはようございますよく眠れました安斎先輩どんな感じですか?」


 「加藤お前鏡で自分の顔をよく見てみろ……」


 そういわれると、加藤は鏡を出し自分の顔を見ると少し間が空いた頃に手鏡を握り潰した、

 「安藤あの野郎何処行った」


 「安藤くんならトイレ行ってくるらしいわよププクスクス加藤ひどい顔ね」


 「桑原さん笑うなんてひどいです何か落とせるのないですか?」


 桑原はバックから取り出すと加藤の顔に塗りマジックを落としていた。犯行予告10分前になると加藤はトイレから戻ってきて加藤の制裁を食らっていた。


 5分前になるとみんな緊張をしているのか一言も言葉を喋らなくなる、時間があと3秒前になり0秒になるが場はシーンとしているだけで何秒立とうが、何も起こらなかった、

 「何も起こらないじゃん」


 加藤は一瞬緩むと一瞬にして明かりが消え真っ暗になったと思ったらしたから煙が出てきて俺と安藤はガスを吸い込んだのか咳き込む、数秒後に銃声が何発も聞こえ叫び声が聞こえる、その聞こえた方向に加藤・安斎・桑原・雨霧は口を押さえながら急いで現場に向かう。


 前から一人の女性が走りこむ、

 「貴方達ここにいたのね助けて頂戴」


 安部鞘子が俺達に慌てたように助けを求める、

 「桑原・雨霧の両名は安部議員を安全な場所に連れて行く事俺と加藤は犯人に突撃するいいな」


 「わかりました」


 二手に分かれて行動する事になった。銃声が聞こえたとこに行くとお付で付いていた屈強な男二人が胸を見事に打ちぬかれて殺されていた。

 「駄目ですねもう息してないです」


 よくよく安斎が目を凝らしてみると、もう一人倒れている人に気づくがその人も死体になっていた女の服に20代くらいの男性の顔が付いていたのだ。

 「警備の人ですかねこの人と安部議員を間違って殺したみたいですね」


 加藤は言うと安斎は難しそうな顔をして考えているようだった。

 「いや待てその死んでいる死体の右手の腕時計は阿部議員の物で間違いがない」


 「ちょっと待ってくださいよ阿部議員ならさっき保護したじゃないですか……」


 「まさかあれが犯人だったのかもしれない雨霧・桑原の身が危ない急ぐぞ」


 安斎は深刻な顔で言うと事の次第がわかったのか加藤も焦る、安藤・佐藤サイドは煙が出ていて思いっきり吸ったせいか今だに咳をしていた。

 「おい優希大丈夫か?とりあえず煙が出てないとこまで下がろうぜ」


 「はいわかりました」


 安藤が俺の肩を持ち上げながら移動を始める。雨霧・桑原サイトに話が戻るが、

 「阿部議員大丈夫ですか?お車まで移動をしますね」


 「こちらです足元に――――」


 桑原が何かを言おうとした時には気を失っていた、桑原が後ろで倒れると雨霧は構える、

 「議員一体なにをなさるんですか?落ち――――」


 落ち着かせようとした瞬間後ろ首のあたりに痛みが走り気を失う事になった。俺と安藤はやっと咳が止まったのでハンカチで手を覆いながら中に戻っていると桑原・雨霧が倒れている事に気づく、近づくと二人は気絶しているみたいだった。

 「おい桑原どうした何かあったのか?」


 「安藤さんとりあえず外に運びましょう」


 俺は雨霧を担ぎながら安藤に言うと頷く、加藤・安斎はすぐに来た道を戻るが3人の姿がいない事に焦っていたすぐに外い行き状況を確認しようと行くと俺と安藤と出くわした。

 「安藤こっちに桑原・雨霧来なかったか?」


 「安斎さん二人は大丈夫です気を失っているので犯人にやれれたんだとおもいます」


 「よかったわ二人無事だったのね」


 安藤が安斎に状況を説明すると、加藤は安心したのか腰をぬかしていた、煙は何分か立つと消えてなくなった。何人も警察官が家に入っていく色々状況を整理した結果亡くなった人数は3人だった。


 本部に戻ると木本に怒られたが、今日はまだ何もわかっていないのと雨霧・桑原両名がまだ気を失っているという事で各自解散という事になった。

 まだ俺の入るマンションが決まってない為に独房のベットで寝るはめになった白い部屋で寝るのは淋しかったが布団を被るとすぐ眠気が来て目を瞑るといつのまにか寝てしまう。



 

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