裏切り
亀城に先を越されてしまったらしい。記事には恐竜を捕獲したのは爬虫類学者の亀城甲であったこと、一週間かけて四匹捕まえたこと(トリケラトプス、ステゴサウルス、ティラノサウルス、ブラキオサウルス)、さらにその恐竜は金城に売るという事が書かれていた。
どうすることも出来なかった自分に腹が立った。向こうで何されるか分かったものではない。
しかし、その二日後。白羽鳥社の号外に、『恐竜脱走!値段に不服か?』の記事が。ふむふむ、記事の内容はこうだ。
亀城は約束通り恐竜四匹を捕まえ、金城のところへ行った。恐竜を売るためだ。しかし、金城は約束していた値段の十分の一で買い取ろうとした。それを許せない亀城はカゴの中にいた恐竜を逃したようだ。ストレスが溜まっていたのか、カゴから出ると、室内を荒らしまくったそうだ。小さくても恐竜。いろいろな機械の回路を壊した挙句、どこかへ逃げていったそうだ。しかも、亀城は金をもらわなかったが、まだ不服だったらしく、金城の行った悪行の数々を証拠付きで世間に公表した。おかげで金城はマスコミと野次馬と警官にもみくちゃにされながら御用となった。
取りあえず原点回帰といった感じだろうか。しかし、のんびりはしていられない。七人であちこち駆け回り、目撃情報や痕跡を探し回った。
その結果、もう町中では目撃されなくなったこと、山では度々見かけられることが分かった。 そこで、山に絞って探すもなかなか見つからなかった。
そんなある日、山の空き地で恐竜の死体を見たという情報が。みんな慌てて駆け付けるとそれはトカゲのものであった。まぁ恐竜じゃなくてよかった。こんな感じで探し続けていいのだろうか?