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小竜記  作者: シダ丸
7/10

行方不明

 とにかく恐竜たちは逃げ出した。逃げ出さなかったのは、エラスモサウルスのリゲルとティロサウルスのアルタイル、ノトサウルスのカロンの水生種だけだ。

 まずい。この町は島なので町内にいるが、あのサイズだ。見つけにくいし、車なんかに引かれたりするかもしれない。事態は一刻を争う。

「急げ!私は本町を探す。龍介は南町、平太は青海町、直人は西町を当たってくれ!富士宮さんはもしものためにここに残ってくれ!」それから鶴端は私と来てくれ。」いつもはどこかうっかりした教授だが、こういう時は頼りになる「館長」だ。

 ということで、私は教授と一緒に探すことになった。どこを当たればいいかわからず困難を極めた。町にはカゴや虫取り網を持って恐竜を探す人々がいっぱいだ。マスコミまで一緒に探している。

 そんな中、山の方を探している教授が何かを見つけた。それはピットホールトラップという方法で使われる「落とし穴」だ。フィールド観察に使われるような方法で、しかも仕掛けたのはかなりのプロだ。そう教授は推理した。

「町中で闇雲に探す野次馬とは違って、非常に冷静だ」もし研究者なら場合によっては解剖されるかもしれない。

 その時、私に名案が浮かび上がってきた。

 夜。山の中腹。私と教授はとある所にいる。するとそこにある男がやって来た。そこでは埋めてあるバケツが掘り返されていた。これは私たちがやったものだ。男はバケツを埋めなおす。あと一個という所だ。

「何してるんですか。」鋭い声が男に突き刺さる。後ろにいたのは龍介だ。そこへ私たちも行って問い詰める。

「あやしいと思って見張っていたんです。あなたは何者ですか?」男は帽子を脱いだ。その顔は因縁の顔だ。亀城甲かめしろ こう。爬虫類学者。小学校から会えば喧嘩ばかりしていた二つ下の男。

「お前、なんでこんな事してる?」

「金城とかいう大富豪が恐竜を欲しがってるんだとよ。それで資金援助を条件に恐竜捕りしてるんだよ。」金城は裏でよからぬ事をやって富豪に成り上がった「平成の悪徳商人」だ。

「お前ともあろう奴がそんな事を!」

「うるせぇ!俺がどうしようが俺の勝手だろ。」

「何をー」

喧嘩になりかけたのを教授が止めた。

「とにかく急がんといかん。」

 それから一週間。何の手掛かりもなく多くの人は諦めていた。

 そんな中、白羽鳥社が目を疑う特ダネを引っ提げてきた。

『恐竜捕獲!見つけたのは爬虫類学者』


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