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「サン・ジェルマン並行宇宙を行く」(セーラー服と雪女 第22巻)  作者: サナダムシオ


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⑫ 再び犬猫会議

 超時空通信により、全ての犬族・猫族に、緊急招集が掛けられた。


 それを受けて、亜空間の会議場に、続々とメンバーが集まって来る。もちろんそこには、獅子王、虎王、狼王の姿も有った。


「それでは皆さん、静粛に。」

 議長の一声で、そこら中に響いていた、ニャーニャーワンワンの声が、一斉に静かになり落ち着いた。


「本日の議題は、猫王子ミケーネから出された、例の"あのサン・ジェルマン"についてである。では早速、猫王子より報告を。」

 

「はっ。かいつまんで申し上げます。サン・ジェルマン伯爵が、遂に他の並行世界に行く手段を、手に入れてしまいました。」


「それは、キミのせいだという報告が入っているが、本当かな?」

 獅子王レオンが、不規則発言をした。

 とたんに、会議場がざわめく。


「レオン君、意見が有る場合は、挙手を。」

 議長がたしなめる。

「はっ、以後、気をつけます。」


「ミケーネ君、その件については、どうなのかな?」 

 議長が尋ねる。

「私のせい、というのは、あながち間違いでは有りません…。」


 再びザワザワする会議場。

「静粛に!ミケーネ君、続けなさい。」


「はい。彼は、壊れた私の船の修理を、親切心から手伝ってくれました。しかしながら、そこで得た知見を、自らが前々から研究していた、並行宇宙を旅する技術開発の、参考にしたのです。」


「…では、あくまでも不可抗力、というのだな。」

 議長が重ねて尋ねる。

「はい。彼自身、最初から技術を盗むつもりではなかったと…。」


「そんな話、信じられるのか?」

「あのサン・ジェルマンだぞ?」

「一体、何を考えているのやら…。」

「迂闊過ぎるぞ。」

 などと、皆口々に喋り始める。


「静粛に!皆、静かにしなさい!」

 今日の議長は大変だ。


「ではこれ以降、サン・ジェルマン伯爵も、先の他のニンゲン同様、監視対象とする。コレを本議会の総意とする事に、反対する者は挙手を!」


 一人も異議を唱える者は無く、本案は可決されたのである。


 最後に議長が言った。

「なお、猫王子ミケーネは、くれぐれも以後の行動を自重するように!」


 猫王子は犬王の顔を見たが、彼はヤレヤレというポーズで、首を振るばかりだった。


 ミケーネは、尻尾も耳も下に垂れたまま、すごすごと会議場をあとにする外は無かった。


 そして、今後サン・ジェルマンが、"あの技術"を良からぬ事に使わぬように、ひたすら心から祈ったのである。

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