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「サン・ジェルマン並行宇宙を行く」(セーラー服と雪女 第22巻)  作者: サナダムシオ


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⑪ 雪子に紹介

 サン・ジェルマンが、"昭和の時間軸"の亜空間レストランに戻ると、そこには既に雪子が居て、レモンティーを飲んでいた。


 まるで自宅のように寛いでいるが、本来の彼女の時間軸が"照和"である事は、再三述べている通りである。


「あら、お帰りなさい。お先に、お茶をいただいてるわ。」

「おお、コレは、コレは、雪子さん。ちょうど良いところに、いらっしゃいましたね。」


「…どうかしたの?何だか随分、楽しそうな顔をしているじゃない?」

「実はつい先日、ちょっとした発明をしまして…見せましょうか?」


「あら、何かしら。見せて、見せて。」

「では地下駐車場まで、ご一緒にどうぞ。」

 そんな訳で二人は、今来たばかりの駐車場へ戻って来た。


「コレなんですがね…。」

「あら、今度のビートルは黒いのね。渋くてイイじゃない。好きよ、私。」

「…心臓部に、"並行宇宙へ跳ぶ機能"も追加しました。」

「なに、それ。凄いじゃない!」


「まだ完成度としては、80%といったところなので、他所の時間軸に行く時には、多少、誤差が出ますが…この前なんか、超時空雪女会議の真ん中に出ちゃって、流石の私も焦りましたよ。」


「ああ、村田京子さんのご先祖様たちの会議ね?」

「何故か私の事も、話題にしているようでしたよ。」

「だってアナタは、"あの"サン・ジェルマン伯爵なんですもの。」


「だから、なんですか?ソレ。」

「うふふ。そのウチに分かる日が来るわよ。」

 天下のサン・ジェルマンにも、この世に分からない事があるのが、雪子には愉快だった。


「まあ、そういう訳で、そのウチに、雪子さんの"照和の時間軸"にも、実験がてら、お邪魔しますから…その時はヨロシクお願いしますね。」(第21巻 参照)


「あら、それは楽しみね。待っているわよ。じゃあ、これで私とアナタだけは、お互いの時間軸を、双方向に行き来出来る事になったのね?」


「はい。めでたくも、そういう事になりました。」

「ところで、そのマシンの技術は…やっぱり秘密なのよね?」

「ええ、ソレが猫族との約束なので…まあ、でもコレ、雪子さんには、必要有りませんよね?」


「そうでもないわよ。私のチカラは、あくまでも、自分の同位体が居る並行世界に、魂を飛ばして、憑依させる事が出来るもの。"昭和の時間軸"だけは、雪村のチカラのおかげで、例外だけどね。」


「…とにかく、この技術は、極力秘密にします。アラハバキたちも、不便なポータルを使っているうちは、大規模なニンゲン世界への侵略も、出来ませんから。」


「そうね。それがイイわね。」

 雪子も同意見だった。

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