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水仙と椿  作者: 桜葉奈義


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07

「ふふっ。あ…失礼しました」

思わず微笑ましくて笑ってしまった。

「構わんさ」

「どうして私なんかに声を掛けてくださったのですか?」

「パーティー会場で目にはいったからだな。着物姿の年配女性はちらほらいるが、若い女で着物で……とても暗い顔をしていた」

「……あ。相応しい振る舞いではありませんでしたね」

椿は暗い顔をし下を向く。

頬に暖かいものが触れると顔をあげる。

頼久が椿の頬を優しく撫でる。


「そんな顔をするな、綺麗な着物が泣くぞ」

「はい……」

祖父母が「優美なあなたにピッタリ」と言ってわざわざ選んでくれた椿の着物。

「何かの縁だと思って連絡先交換しないか?」

「え…あ…あの……」

頼久がスマホを出す。

それを見た椿は慌てる。

「ん?嫌だったか?」

嘘を付くのは苦手なので本当のことを言うことにした。

「私、スマホ持っていません。両親から禁止されてまして……」

「今どきに?珍しいな」

本当は買ってもらえない。

世間体を気にしているので必要最低限は用意してもらえる。

だがスマホは贅沢品のため買ってもらえない。

連絡先を交換する友達もいないし、持っていても妃月に壊されるか奪われる。


スッと頼久は紙を出す。

「俺の連絡先だ。困ったことがあったら公衆電話からでもいいから掛けてこい」

「はいっ!ありがとうございます!」

目に涙が溢れそうだった。

初めて連絡先を教えてくれた人、こんなに優しくしてもらえて嬉しかった。


「ご談笑中、失礼致します。そろそろお戻りになられませんと……」

「左京…わかっている。椿、一緒に戻るか?」

ため息をつきなが嫌そうな頼久。


「私は外の空気を吸っていきます」

「そうか。パーティーも終盤だから少ししたらちゃんと会場に戻るんだぞ」

頼久と左京右京と共に去っていった。


「ふぅ……風が気持ちいいな」


椿は胸に手を当てるとなんだか暖かくてドキドキしている。


「また会いたいな」




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