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0-2. 研究目的(Purpose of Study)
本稿の目的は、映像作品『魔法少女まどか☆マギカ』および関連劇場版に描かれた描写をもとに、
魔法少女システムの構造を明らかにすることである。
物語中には、感情表現や象徴表現、演出上の暗喩が多く含まれている。
これらは作品の魅力である一方、構造理解を難しくし、
登場人物の行動理由やシステムの作用を曖昧に見せる要因にもなっている。
本稿では、物語的な価値判断(善悪、感情、正義、犠牲)を直接扱わない。
代わりに、観測可能な情報から以下を明らかにする。
・ソウルジェムがどのような役割を持つか
・グリーフシードへの変換が何を意味するか
・魔法少女という存在が成立する条件
・魔女化とはどのような現象か
・魔法少女システムの運用主体は何を目的としているか
・願いによって発生する力が、世界の構造にどのような影響を与えるか
・時間遡行が成立する理由と、世界改変における例外処理
目的は、作品世界の内部で起きている現象を
「魔法少女システムの内部仕様」として再記述し、
物語を支える基盤を読み解くことである。
結果として、作品内の出来事が
運命や奇跡といった超常的概念ではなく、
体系化された構造として理解可能であることを示す。




