1-4. インキュベーターの役割
魔法少女システムにおいて、インキュベーター(キュゥべえ)は
意思決定主体ではない。
作中で観測できる範囲において、
彼は「契約を提案し、成立させ、管理する存在」であり、
願いの内容そのものを設計・選別している様子は確認できない。
インキュベーターの行動は、常に以下の範囲に限定されている。
・契約条件の提示
・願いの確認
・契約成立の宣言
・契約後の仕様説明
・エネルギー回収に関する行動
これらはいずれも、
契約プロトコルの実行者としての振る舞いであり、
魔法少女個々の行動方針や感情に介入するものではない。
特に重要なのは、
インキュベーターが「願いをこう使え」「こう行動せよ」
と指示する場面が存在しない点である。
彼は、願いがどのような結果を生み、
どのような形で実装されるかについても、
原則として関与しない。
つまりインキュベーターは、
魔法少女システムの管理者ではあるが、
運用主体ではない。
また、感情を持たないという性質についても、
善悪や価値判断の問題として扱うことはできない。
作中で確認できるのは、
彼が感情を基準とした判断を行わず、
一貫して同一の仕様に従って行動しているという事実のみである。
この性質は、
インキュベーターが「人格を持つ登場人物」ではなく、
高度に自動化された契約インターフェースであることを示唆している。
したがって本稿では、
インキュベーターを
「意思を持つ存在」や「物語上の黒幕」としてではなく、
魔法少女システムにおける
契約受付・実行・管理を担当する
観測可能な機能単位として位置づける。




