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TS女子は女の子に怯えながら友達を助ける〜なんかみんな怖い〜

作者: 名無しの権兵衛さん

あはははは!なーんでこんな事になったんだっけぇ

俺もうわかんない!


右を見ても、左を見ても、女子女子女子!

そして俺も女子!


しかも、かわいい顔して喋ってる内容全部人の悪口!

もうお終いダァ!


女子会の火花飛び散る、心理戦の中元男の会話に全くついてけてない()だーれだ!

そう!俺ぇ!


って事で現実逃避兼回想入りまーすぅ!

誰か助けてぇ!


───────

あの時の俺はモテていた。モテ期が来ていた!


俺は生まれつき顔が良いと言われてきた。

でも、俺が生まれ持ったものはこれだけじゃねえ。全てをぶち壊す「残念さ」を待ってたのさぁ!


体育の時間には運動神経は、悪くないはずなのに床に落ちていたボールを踏んですっ転ぶとそのままサッカーゴールに衝突して気絶したり


調理実習で完璧な料理を作るも俺の男友達が秒で食い切って、逆に俺は奴等が創り出した【ダークマター】を食ってキラキラが口から溢れ出るのをその場面だけ女子に見られるなどなどetc….


お前ら、俺がなんで言われてたか知ってるか?


【残念イケメン】だよこの野郎!

だけどなぁ、最近クラスの美女2人に告白されたんだぜ!

羨ましいか?羨ましいよなぁ!


そんなウハウハハッピーな毎日を過ごしていると、学校の文化祭で『女装喫茶』をする事になった。


女装してみると驚き!俺ちょー美人!

もうヤッベェの!

告白して来た美人2人にも勝てるんじゃね?ってぐらいの可愛さで、なんか新しい扉開きそうになってたら道端でおばぁちゃん倒れてさ、優しい俺は助けてあげたわけ、『おばぁちゃん大丈夫?』つって保健室まで背負っていってあげたんだよね。


そしたら、おばぁちゃん凄い感謝してくれて『御礼にワシが未来を占ってあげよう』って。

その鞄から絶対出ないよね!?ってサイズの水晶取り出して、『むむむ』って言いながら水晶を睨み出して、いかにもエセ占い師みたいな雰囲気を醸し出した。

暫くしたら

『え?マジ?かわいそっ…』ガチで同情した眼差し向けてきて、


『あの、、流石に可哀想なんで異世界に行って頭冷やして来てください。本当に可哀想だから。しかも、全員同性の女の子にハメられてるし…』


おばぁちゃんキャラ、秒で崩壊してるし、いきなり同情されて困惑してたらなんかおばぁちゃんが真っ白に光出して、『目がぁ!目がぁぁぁぁ!』てなって死にかけて目ぇ開けたらなんか知らん制服着て知らんとこに立ってんの。


しかもスカート。しかも、スカート(2回目)


俺男じゃん。駄目じゃん。すね毛ボーボーだよ?

それもうただの変態だよ?俺今時の美容に気ぃ使ってる系男子じゃないもん!


急いで近くに鏡がないか探したよ?でもなかったよ。そりゃそうだよね。街中だもの。


すると後ろから女の子が走って来て俺を見るなり

『仲間いたぁ!遅刻しそうですよね?私もです!』

『へ?ドユコト?』

女の子は困惑してる俺の手を引いてでかい学校の前まで連れて来た。でも、よく見ると俺の着てる制服と一緒の制服着てた。


一向についていけない俺に、『女の子が同じ一年生!?それなら一緒に入学式行きましょ!』と言って講堂?と思われる所に連れて来た。この子コミュ力の塊じゃん…怖ぁ


謎に始まった入学式が謎に終わり、『トトト、トイレ行ってくる!』『トイレぇ!?違いますよれお花摘みって言うんです!』

謎に説教を受けてトイレに駆け込み自分を見た瞬間、自分の近くに透明な板のような物が出ているのに気がついた。


宇都宮 海斗

性別・男→女


彼の未来を憐れんだ天使が、異能を使い一時的に異世界に送られてしまった青年。

天使が彼を女と勘違いしたせいで、女にされている。期間が満了すると帰れる。ついでに女が喋った内容の訳が分かる異能付き。


称号・女装美女、残念イケメン、女運壊滅的、

   最高峰に良い男運、不運体質、変態、、?

スキル・翻訳(女限定)

良い女に会える確率…0.1%

良い男に会える確率…10.9%

残り期間約3年

ーメッセージー

少女よ、女の怖さを知れ。by天使


───────

『いや、ふざけんなよ!?』

思わずあの時は俺叫んじゃったよ。

女になってるんですけどぉぉ!でも良かった!すね毛ボーボー女装男になってない!ってね。


その後も、俺は称号の変態、、?にキレながらも

少し、この予測不能の事態を飲み込めた…と思っていた時期が俺にもありました。


ここの寮に自分が過ごす事が判明した直後、最初の女の子と同室だった事が判明。


クラスに行くと、共学だったようで男女共に座っていた。


授業を受けて女の子と交流するのを繰り返していたある日、『お茶会、来るでしょ?』同室の女の子…ミラに言われてお茶会に参加。『お茶会…?』女の子達がキャッキャウフフして。仲良くするのかなぁ〜って、楽しみだなぁ〜って。


〜現実〜

「あらぁ貴方のその所作!新鮮ですわね!」

訳:きったねぇ所作。出直してこい。

「そういう彼方様こそぉ!制服にリースをつけて!とても良い趣味ですわね?」

訳:人のこと言えんだろ、制服魔改造趣味悪やろう

「うふふふ」

「おほほほほ」


飛び交う火花!真ん中にいる俺!まさに地獄!女の子ってさ、もっと良い匂いとかするじゃん!こんな怖くないじゃん!だからさ、俺がここに至るまでの回想(現実逃避)しても仕方ないと思うんだよね!


「カイコちゃん、お茶会楽しいね!みんな仲良いし!」

「ソ、ソ、ソ、ソウデスネ」


女の子…こと、ミラちゃん、純粋過ぎんだろぉ!始めも、言ってる言葉が全て本心で裏がなかったから翻訳が作動していなかったみたいだし…く、この純粋なミラちゃんは俺が守る!


「あら、そこのお二人はどうされたの?先程から何もおっしゃられないけど」

訳:お前らも喋れ?気になったウゼェんだよ

「そうですわぁ!お名前はなんと言うのですか?」

訳:そうだそ、さっさと自己紹介しろノロマ


と、飛び火してきたぁー!!

く、ここは穏便に気にくわねぇと思われないぐらいの自己紹介を、、、


「私の名前はミラだよ!よろしくね!」

「」


や、やりやがったぁぁぁぁぁ!普通の学校ならいいが明らかなんかなお偉いさんっぽいじゃぁぁぁん!

お、し、ま、い、だぁ!!!!


はっ!黙っている場合じゃない!


「お、私はカイコです、よろしくお願いします」


思った数倍声が小さくなったぁぁぁ!詰んだぁぁぁいじめられるぅ!


「あら、ずいぶん元気な方と、大人しい方なんですわね?」

訳:うっせぇ奴と、ハキハキ喋んなぁ奴だな?

「うふふふふ、貴方はお可愛らしいわね?」

訳:はっきり言えよ、うざってぇ


なんでさっきから訳が男言葉なんだよ!更に怖ぇわ


しかし、俺のヘタレっぷりが功を奏したのか興味を失ったかのようにまたお互いで火花を散らす。

喜んで良いのか…女にすら気押されるヘタレっぷりに悲しめば良いのか…


俺の目から水が出て来たのは言うまでもない。

…あぁ,しょっぱいなぁ。なんでだろう?シクシク


そうして、地獄を味わった後俺達はようやく解放された。

ミラは、まっっっっったく戦いに気がついていないようだった。


首を傾げて、げっそりしてる俺を心配してくれている。

この子の純粋さは、絶対に守る…

改めて俺は誓った。


───────

俺は甘かったぁぁぁぁぁぁぁぁ!

どんぐらい甘いかって、マカロンの上に蜂蜜と粉砂糖と和菓子を100キロづつ加えたくらいあまかった!


まず、迂闊に喋れねぇ!ここ、よくある貴族社会のゆるいバージョンみたいな世界だったから、礼儀作法とかは少し齧った程度の俺でも出来たが、王族とかいるし、その中で俺とか言い出した瞬間俺は死ぬ!(身分などについては謎の天使パワーで一応男爵家ぐらいはあるそう)


次に、そこら中で悪口が聞こえてくる!あの男はキモいとか(もっとやんわりとした言い方だが、翻訳でどストレートになってる)

女同士の心理戦とか!最近はあのミラでさえげっそりして来てる…すまん守れなかった…だって怖いんだもん…


そして入学して2年、すっかり俺の女子に対する考えは180度変わっていた。

女子…怖い…無理…きっと元の体に戻った時、俺は女性恐怖症になるだろう。ははっ


しかし、こんな我慢もあと1年…2年も耐えたんだ…耐えれるさ…でも、あと1年もかぁ…いける!俺ならきっといけるさ!


人はこれを、フラグと言う。


「今日から編入生が入ります」

先生が新学期最初の挨拶の途中で言う。


(最後の一年でこの地獄に新メンバーが加わるって?最悪だ…)


鬱な気分で入ってくる編入生へと目を向ける

その姿に心を奪われた。…悪い意味で


(ピンクだ…真っピンクだ)


頭はパンク瞳もピンク制服も心なしかピンク

えっ?怖っと言う感情しか出てこなくなった。


(え?わざわざ髪の毛をクソダサピンクに染めたの?まじで?しかも、目カラコン入れてる?腐ってもここ学校なんだけど)


心の中で密かにドン引きしているとこちらに向かってウインクをして来た。おぇぇぇ気持ち悪い


「メイリン・サイジャーです!よろしくお願しますぅ!」


はい!以上から分かるように問題が起きる予感しかしないヤバい奴が編入して来た訳ですが、俺のこの世界にとどまる期間はもう約1年!こんなメロンサイダーみたいな奴が、そう簡単に大問題を起こすはずが────…


人はこれをフラグという(2回目)


はい!起きました問題!フラグ秒速で回収しちゃいました!お終い!今まで以上に女の人が怖い!死んだぁ!

クソがぁぁぁぁぃ!


何が起きたかって?聞く?聞いちゃう?

あの!編入生が!王族とか!高位家族みんな侍らせたんだよぉ!


幸い王族は第二王子だったから王にはならないけどそれでもめちゃくちゃヤバい。国の終わりレベルでヤバい。俺はいなくなるから関係ないけど…


しかもぉ!あの野郎ミラを悪者にしやがった!編入して2ヶ月で自分をミラがいじめてきたことにしてさらに男に擦り寄るの繰り返し。それに騙される男もどうかと思うがここにくる前の俺だったら騙されてたかもしれない…クソぉ〜


そのせいでミラは孤立してしまい最近は俺に有る事無い事編入生が吹き込んできてそれを見たミラが俺から距離をとるようになっちまった。


そうして今に至る訳だ。俺の残りの一年…どうしてくれんだよ…


すると、視界の端にミラが映る。


「ミラちゃん!!待ってぇ!誤解!お、私、ミラちゃんが何もしてないこと知ってるからぁ!」

「!ついてこないで!」


スタスタ遠くに行ってしまう。これも全部編入生のせいだ…!


遠くから編入生を睨んでいたら後ろから声をかけられた。


「そんな顔してどうしたよ?お!あれは噂の編入生?」

「ビッッッッックリしたぁ!ヴェクターかよ」


今背後をとって来た男の名前はヴェクター。こいつと会ったのは一年前、とある事で王宮の夜会に招待されたのがきっかけだっだ。


何故か、テラスで隠密魔法を使って隠れていたので話しかけたのだが、何だかとても落ち込んでいたので、慰めたり天使から貰った翻訳を使って悩み事を解決していたら何故か懐かれてしまった。


その際、天使と通信する事が年一で出来るようになったので、月一で元の男に戻れるようにしてもらった。しかし、それは3時間しか持たない上ヴェクターに見られてしまったため、こいつの前だけ素で話すようになった。


「─で、何で編入生睨んでるの?あいつのこと嫌いなら消してあげるよ?」

「人が回想してる時に物騒なこと言うんじゃねぇよ!それに、あいつ消したってミラの冤罪は消えねぇだろーが」

「ふむ、じゃぁ証拠を集めてミラ嬢の冤罪証明して社会的に抹殺したら?」

「それ、最高じゃん!」


こうして、俺とヴェクターは手を組んだ。


「編入生は、美しい男に目がないと言うし、俺が言ってこようか?」

「大丈夫だよ。ヴェクター。お前、女嫌いだろ?」


痛い出費だが仕方ない。俺は男の姿になる。


「ふふ。これで一ヶ月元に戻れねぇ」


俺にこれを使わせたこと。後悔させてやる!!

そうして俺は後ろで何故か崩れ落ちているヴェクターをおいて、編入生の元へ向かった。


「あぁ、そうやって俺の心をすぐに揺さぶるんだから…カイト、俺から逃げられると思うなよ?」


後ろでなんかヴェクターがぶつぶつ言っていたが聞こえなかった。


「こんにちは!君が噂の編入生?とっても可愛らしいね!ぜひ、お友達になりたいな?」

「誰ですかって、ちょーイケメンじゃん!ぜひぜひ!お友達に。なりましょう!」


一瞬で落ちた。ちょろっ!最近猛獣(女の子)達の中に女としていたから尊厳なくなってたけど、俺ってやっぱ,イケメンの筈なんだよなぁ


そうして、だったからの3時間で死ぬほど証拠が揃った。そうして、月に一回づつ会って話すだけで溢れんばかりの証拠が集まり,あっという間に卒業パーティー直前になった。


【メイリン・サイジャー視点(編入生)】


人生は所詮顔で決まる。それは、当たり前のことだった。転生する前の私はそれはもうブスでずっといじめられて来た。

だから私は、乙女ゲーム「天使が君を導く」にハマった。


そこは、美形しか存在しなくて可愛い友達が沢山できて、王子様に見そめられてかっこいい男の人に囲まれるハーレムが作れる…そんな夢見たいな所。


それでも、現実でも幸せになろうと思ってクラスの少し抜けているかっこいい男子に告白してみた。でも、同時に私よりもずっと可愛い女の子からも告白されていて、勝てないと思ってしょんぼりした気持ちで文化祭を歩いていたら、いきなり光が私を包んでこの夢みたいな世界に転生させてくれた。


だから私は歓喜した。ここは天使が君を導くの世界だったから。でも、ヒロインは私じゃなかった。


可愛い友達も、明るい性格も、全て本当のヒロインの『ミラ』が持っていた。だから、全部奪った。かっこいい王子様も、周りの賞賛も。代わりに周りにミラの悪い噂を流した。周りに誰も寄り付かなくなるように…ただ、あの可愛い子だけは引き剥がすことしか出来なかったけど。


そんな毎日を過ごしていると、私の目の前に男の人が現れた。私の元の世界で告白した海斗くんに似たかっこいい人が。 


その人にはうっかり全て話してしまった。ミラを貶めたことや、周りに対する劣等感とかを…でも、少しだけスッキリした。


天使様…この世界に私を転生させてくれてありがとう!


【ミラ視点】

ある日突然、身に覚えのない事を言われるようなった。


編入生さんの、教科書を破いたとか、画びょうを仕掛けたとか。そんな事してないのに、だんだん噂は悪い方向にエスカレートしていって、私の周りから人が消えていった。


カイコちゃん…あの子にだけは軽蔑されたくなくて、いつからか避けるようになってしまった。


どうか、私を嫌わないで…どうか私を軽蔑しないで…


『ミラちゃん!!待ってぇ!誤解!お、私、ミラちゃんが何もしてないこと知ってるからぁ!』

『!ついてこないで!』


こんな事を言ってくれた日もあった。でも、私は誤解されるのが怖くて酷い事を言ってしまった。

あの日から、カイコちゃんは私に話しかけてくれなくなった。


これでいいの…私に関わるとカイコちゃんまで悪く言われちゃうだろうし。

でも寂しいな…もっと一緒にいたかった。


そして今日、私は卒業パーティーに向かっている。あの人達のことだから、今日私は断罪されるのだろう。1番恥をかいて、1番今後に響く場所で…


全く趣味の悪いことだ。でももう、疲れてしまった。パーティーが終わればカイコちゃんともお別れ。あっても2度と笑いかけてくれることはないだろう。最後に会いたかったな。


そうして、私はパーティー会場へと入っていったのだった。


【カイコ(笑)海斗視点】


つーいに始まりましたぁ!卒業パーティーでぇす!

ヴェクター曰く今後に1番響く今日が断罪にするのに完璧な日程だから、その日にやると言っていた。

畜生どもめ。俺は今日帰るからしっかり無罪を証明してあげないとな!


念の為男に変身して会場に立っていると、耳障りな声が聞こえた。


「ミラ・サーヴァント嬢!貴様は我が愛しのメイリンを貶めた罪は重いぞ!」

「殿下、そのような事実はございません」

「見苦しいぞ!罪を認めろ!」


こんなのが第二王子って…この国大丈夫か?

第一王子はまともだといいんだがなぁ

うるさく騒いでいる会場の中心へと向かう


「殿下、異議を申してもよろしいでしょうか?」

「あ?いいぞ!できるものならなぁ!」


俺は持って来た書類を会場全体に魔法で複製してばら撒く。複製魔法覚えるの、死ぬほど大変だったんだからな…


編入生は、俺をみて口をぱくぱくさせている。

ミラは誰?と言ったふうに困惑した表情だ。

すっかりやつれちゃって、許せん!


「いかがでしょうか?ミラ嬢は何もしてはいませんし、全てメイリン嬢の自作自演です。」

「嘘だ!嘘だ!嘘だ!騎士よ!偽の証拠を提出したこの者を捕らえよ!」


騎士が俺に向かってくる。いよいよこいつダメだ。すると、後ろからヴェクターの声が聞こえてきた。


「──見苦しいぞ。ライアン、騎士まで使って勝手に令嬢に罪を着せるとは。父上に報告だな」

「あ、兄上…」

「兄上ぇ!?」


思い切り口に出て振り返ってしまった。

それに気づいたヴェクターは、意地悪な笑顔を浮かべてウインクしてくる。

あとで覚えてろよ…! 


「あと、メイリン嬢!貴方にも後々お話がありますので。騎士、2人を連れていって差し上げろ!」

「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁ!俺は王族だぞ!」

「私は何も悪くないわ!カイトさん!助けて!」


2人は連行されていった。


「カイト、ミラ嬢、こちらへ。皆様!お騒がせいたしました。我々はお暇させていただきます。この後も楽しい時間をお過ごし下さい。」


殺伐とした空気の中、俺達3人は会場を後にした。


…王宮の個室にて。


「王太子殿下、助けていただき誠にありがとうございました」

「気にするな。俺は彼の頼みだから聞いただけだ。」


ミラがこちらを向く。かつての快活な彼女はやつれて、すっかり元気を失っていた。


「ミラちゃーん!!!」


俺が抱きつくと真っ赤になって震えた声で俺に問う。


「あ…あの?どちら様ですか?」

「俺、俺ぇ!カイコだよぉ〜!」

「カイコちゃんはそんな乱暴な喋り方しません!」


ちょっとしゃんとなりながら変身を解く。


「え!?カイコちゃん!?」

「そうだよー」


今度はミラが抱きついてくる。すっかり照れてしまっていると、ヴェクターが,俺達を引き剥がした。

ああ〜何すんだよ!


「カイト、俺も頑張っただろ?撫ででくれ」


ぐい。と頭を突き出してくる。良々と撫でてやって

横で困惑しているミラに、俺の本当の名前と,事情を説明した。何だか泣いて感謝してくれて、『この恩は絶対に返すわ…ずっと親友よ』と、少しやばめの目で言われたが気にしない。

そして、俺はヴェクターにずっと疑問に思っていたことを聞いた。


「ヴェクター。お前第一王子だったのか?」

「そうだよ。でもそれは半年前までで、今は王太子だね」


王太子という言葉に目が飛び出そうになる。


「…マジで?」

「マジで!」


あれ?これ、不敬罪じゃね?と思ったが気にしないことにした。だってもう11時55分後5分で元の世界に帰るんだから!あのガバガバ天使によると入学式から三年じゃなくて卒業パーティーのある日が終わると帰る。つまり、12時になると元の世界に帰るのだ。


「まあ、これにて一件落着!問題ないな!」

「あぁ。これでもうカイト、君を逃さない」

「ええ、カイトくん。貴方に恩を返すわ」


なんかやばい目をして2人が近づいて来たが、そろそろ時間になった。


「ごめん2人とも!俺もうそろそろ帰るんだ!」


残り2分あたりで、帰る時間が迫ってくる。少し寂しいが、2人に俺が異世界から来た事を伝えた。


「え!?待って!行かないで!」

「おい!聞いてないぞ!行くな!」


2人の叫びは虚しく俺の体が光ってゆく。そして

俺は元の世界に戻った。


──────────


「は!?」


保健室、目の前にはおばぁちゃん。3年前の風景のままだ。


「女の怖さはしれたかい?」

「ありがとうおばぁちゃん。おかげで、女の子の怖さも良さも知れたよ」

「それではもう一度占ってあげよう」


おばぁちゃんはまた水晶を見る。今度は小刻みに震え出した。


「お前、悪化してるじゃーん!やばいやつ2人も引っ掛けてるじゃーん!何回か話してて思ったけど、()()()にまでくるなんてどんな執着してんのよ!?」


もう面倒見てらんない!と言って、どさどさ歩き出した。


困惑しながら保健室を出ると、俺に告白してきたクラスの美少女がへたり込んでいる。

俺は瞬時に女の子の恐ろしさを思い出して、思わずその場で告白を断ってしまった。


そして、もう1人の元にもいって告白を断る。

すっきりした気分で歩いていると、後ろから抱きつかれた。


「ぶへぇ!いってぇ…って!ヴェクターにミラちゃんじゃん!どうしてここに!」

「「カイト(くん)もう絶対に、逃がさない」」

物語に出て来た編入生は、保健室の前にへたり込んでいた美少女、本名を高梨桃香と言います。生まれながらにしてとんでもない美少女でしたが、それが原因でブスなど罵られていじめられてしまい,自分がブスだと思い込んでしまっているだけの美少女です。

海斗が異世界に送られる際巻き込まれてしまい,転生します。

しかし、また元の世界に戻って来て勉強をほとんど忘れてしまっている状態からのリスタートですが、異世界の経験のおかけで、性格がとんでもなく良い上,あの地獄を生き抜いた鋼のメンタルをてにいれ、幸せにくらしたとか、暮らしてないとか…

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