浦島太郎
むかし、むかし、浦島太郎という漁師がいました。
浦島太郎が砂浜を歩いていると何人かの子どもたちがカメをいじめていました。
浦島太郎は言いました。
「お前たち、カメをいじめるなら、俺の亀頭をいじめろ」
浦島太郎は自分の一物をほりだしました。そうです。浦島太郎は変態でした。
「うわ~!変態だ!にげろ~」
子どもたちは蜘蛛の子を散らすように逃げていきました。
カメは思いました。
助かったけど、かかわりにならないほうがいい。カメは逃げようとしましたが、捕まってしまいました。
「あの、なにか」
「うまそうな。カメだな」
「あの・・・ボク、、、食用のカメじゃないんですが・・・」
「心配するな。俺の女房は料理上手だ。それにすっぽんが食えるなら、同じカメなんだから食えるだろ」
「そんな、どんな理屈なんですか。食べられるなんて嫌です」
「あ、そうだ、見逃してくれたら龍宮城に招待します」
「竜宮城?竜宮城ってのは海の底だろ。俺は息は長い方だがさすがにそこまで息は続かないぞ」
「大丈夫です。このPの形のバッジを咥えてもらえば、エラ呼吸ができるようになります」
「まあ、、、それなら、、、いってみるか」
ということで、浦島太郎はカメに連れられて竜宮城にやってきました。
「少し、ここで待っていてください」
そういうとカメは竜宮城に入っていきました。カメは龍宮城に入ると乙姫様の部屋に走っていきました。
「うわ~ん。乙姫えも~ん様~」
「どうしたのです。騒々しい」
カメは浦島太郎を龍宮城に連れてきたいきさつを乙姫様に話しました。
「仕方のない人、いえ、カメね。連れてきたものは仕方ない。歓待して帰ってもらいましょ」
浦島太郎はご馳走を振る舞ってもらい、鯛やヒラメの踊りを見せてもらい、楽しみました。
そして夜は・・・・
漁師浦島太郎がうとうとしていると乙姫様がやってきました。
「な・・・なんだ・・?」
「あら、夜、男と女がすることは決まっているじゃありませんか」
乙姫様は浦島太郎の着物をはだけようとしました。
「や・・やめてくれ。俺にとって女は女房だけだ」
そう。浦島太郎は変態でしたが愛妻家でした。
乙姫様は少し、浦島太郎を見直しました。
「私が誘ってなびかなかったのはあなたがはじめてですよ」
乙姫様ははにっこり微笑みました。
それから、3日の間、浦島太郎は竜宮城で楽しみ、帰ることにしました。
乙姫様ははカメにこっそり、玉手箱を渡しました。
「あの男が困ったら、これを開けるようにいいなさい。これは時戻りの箱です」
来たときと同様、浦島太郎はカメに乗って家に帰りました。
浦島太郎が家に帰ると女房の海女が迎えてくれました。
「まあ、、、随意分とお久しぶりですね。どこへ行って行ってたのやら」
「そう、言うなって」
「まあ、いいわ。粥が煮えたところよ。たべる?」
「ああ・・・」
浦島太郎は竜宮城でご馳走になりましたが、本当に好きなのは女房の作る質素な料理でした。
仲良く、食事した、その日の夜、二人はいつもよりも、なお、いっそう仲良くなりました。
朝、浦島太郎が目覚めると、どうしたことか、家は朽ち果て女房の姿もありません。
「な、、、なんだ、、、どうしたことだ?」
浦島太郎は外に出てみました。
隣の家の人が出てきました。しかし、見覚えのない人でした。
「あなたは・・・」
「あ?誰だい?お前さんは?」
「俺はこの家のもんだ」
「なんだって、その家はもう何年も誰も住んでいないぜ。朽ち果てて危ないから壊そうかって、村のみんなで話してたんだ」
「何を言ってるんだ。俺はずっとここに住んでるし、家を開けたがわずかな間だ。家を出たときはこんなに家は朽ちてなかった」
「変なことをいうな。あっ、そういえば村の古老に聞いたことがある。ここで夫に去られた海女が何年も待っていたが、とうとう死ぬまで帰って来なかったって・・」
「嘘だ。俺は、昨日、ちゃんと女房と・・・」
隣の男は怪訝な顔をしてました。
「とにかく、そういうことだ。お前さんも変なこと言ってないで自分の家に早く帰んなよ」
そう言って、自分の家に入ってしまいました。
あとに残された浦島太郎はそこに佇んでいました。そこへカメがやってきました。
「お困りですか?」
「おい、どういうことだ?」
浦島太郎はカメをしめあげました。
「地上と海の底では時間の立ち方が違うのです。でも、安心してください。乙姫様からこの玉手箱を預かってきました」
「この箱は?」
「時戻りの箱と言ってました。あなたが困っていたら渡すようにと」
「じゃあ、俺が龍宮城に行く前に戻れるのか」
「ええ・・多分・・」
「じゃあ、開けてみろ」
「は・・・はい・・」
玉手箱を開けると白い煙が立ち上り、浦島太郎はおじいさんになってしまいました。
「おい、、、どういうことだ?」
「ボ・・・ボクも・・なんだか・・」
カメもおじいさんになっていました。
そのとき、一羽の鶴が飛んできました。
「あなた・・・」
「お前・・」
「私はあなたの女房だったときは、すでに死んでいて、、、何度も転生を繰り返して、、今は鶴なのです。でも、何度転生を繰り返してもあなたが忘れられなくて、、、もう一度、あなたの女房になりたかった」
「おれも・・おまえが忘れられない・・・お前と同じ鶴になりたい」
その瞬間、浦島太郎は鶴の姿になりました。
そして二羽の鶴は仲良く連れ立って飛び立って行きました。
あとには年とったカメが残されました。
「ボ・・ボクはどうなるんだ。やっぱり、あんな変態と関わらなければよかった・・・」
その後、カメは海に千年、山に千年住み、玄武となりました。(嘘です)
おわり