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桃太郎

むかし。、むかし。


男と女がいました。男と女は生まれたばかりの男の赤ん坊を挟んで困っていました。なぜなら、二人は正式に結婚していなかったからです。二人は仕方なく、桃の形のカプセルに赤ん坊を入れて川へ流してしまいました。



カプセルが流された先には川で洗濯をしていたおばあさんがいました。カプセルをみつけたおばあさんは家に持って帰りました。やがて、おじいさんが家に帰ってきました。

「どうしたんだい。これは」

「川で拾いました」

「まったく、何でもかんでも拾ってくるんじゃない」

と、そのときです。カプセルの中から大きな鳴き声がしました。不審に思って、爺はカプセルを叩いてみました。カプセルは割れて元気な男の赤ん坊が出てきました。


「どうしょう。おじいさん」

「どうしようもない。また、捨てるわけにもいかないじゃないか」

おじいさんとおばあさんはもらい乳などをして、苦労して育てました。赤ん坊はすくすく育ち、桃のカプセルからでてきたので、桃太郎と名付けました。桃太郎は年頃になると立派なニートになりました。おじいさんとおばあさんは、少しは働けと言って、家から放り出しました。

桃太郎は仕方なく仕事を探しにでかけました。道行く人に何かいい仕事はないかと尋ねましたが、近頃は不景気だからというような返事しか返ってきませんでした。

しばらく、歩いていると犬が倒れてました。

「どうしたんだい」

桃太郎が声をかけると犬は言いました。

「お腹がすいて力が・・・」

桃太郎はおばあさんがお弁当に持たせてくれたきびだんごを一つ、分けてやりました。犬は桃太郎の後をついてきました。また、しばらく歩いていくと猿が倒れていました。

「どうしたんだい」

桃太郎が声をかけると猿は言いました。

「お腹が空いて力が・・・」

桃太郎はおばあさんがお弁当に持たせてくれたきびだんごを一つ、分けてやりました。猿は桃太郎の後をついてきました。また、しばらく歩いていくと雉が倒れていました。

「どうしたんだい」

男の子が声をかけると雉は言いました。

「お腹が空いて力が・・・」

桃太郎はおばあさんがお弁当に持たせてくれたきびだんごを一つ、分けてやりました。雉は桃太郎の後をついてきました。

どんどん、歩いていくと海にきました。どうしょうかと思っていると、漁師のおじさんに声をかけられました。

「どうしたんだい」

「仕事を探してるんだけど」

「じゃあ、漁師でもやるかい」

桃太郎と、犬、猿、雉は漁師のおじさんの船に乗せてもらい、漁にでました。しかし、嵐にあい、海にほうり出されてしまいました。そして、ある島に流れ着きました。

その島では鬼たちが平和に田畑を耕して暮らしていました。


桃太郎と犬、猿、雉、漁師のおじさんは鬼たちに親切に介護してもらいました。すっかり元気になった桃太郎たちは、何かお礼にできることはないかと尋ねました。

桃太郎は仕事を探していたというと、鬼たちは言いました。

「そういえば、お城の門番のじいさんが年だから引退したいって言ってたから、どうかな」

「ありがとう。じゃあ、やってみるよ」

漁師のおじさんは、鬼たちに船を借りて帰ってゆきました。

「漁師のおじさん、ありがとう。またね」

そうして、桃太郎と犬、猿、雉はお城の門番に就職しました。

あるお休みの日、川辺を歩いていると、キラキラ光るものが見えました。あれは砂金じゃないか。でも、誰も砂金を取ろうとしません。仲良くなった鬼に桃太郎は聞きました。

「あれ、砂金じゃない。どうして、誰もとらないの」

「なんだい、あんなものがほしいのかい。あんなもの、食べられないじゃないか」

「じゃあ、僕がとってもいいの」

「ああ、ほしいだけとればいいよ」

門番の仕事を続けつつ、桃太郎と、犬、猿、雉は砂金採りに精をだしました。

「これだけ、あれば、おじいさんとおばあさんは楽ができる」

そう思った、桃太郎は、一度、おじいさんとおばあさんのところへ帰りたいと鬼の王様に申し出ました。

鬼の王様は桃太郎たちが真面目に働いていたのを知っていたので、お土産に金銀財宝を持って帰るようにと言ってくれました。

「お前たちは、ずいぶん、こんなくだらないものが好きなんだなあ。食べられもしないのに」

鬼たちに見送られて、桃太郎たちはおじいさんとおばあさんの待つ村に帰りました。

おじいさんとおばあさんは放り出したものの心配していたので、無事に帰ったことを喜んでくれました。

桃太郎たちが金銀財宝を持ち帰ったことを噂に聞いた土地の領主は鬼が住むというその島へ軍団を仕立てて攻め込みました。

平和ボケボケしていた鬼たちはあっという間に制圧されてしまいました。

その後、鬼たちの間で議論がかわされるようになりました。

「俺たちも、自分の身を守るために、軍事力を持つべきだ」

「いや、俺たちは平和を愛する種族だ」

「軍事力を持たなければ、相手が攻撃してこないなんて、脳内お花畑だ。この間、攻め込まれたじゃないか」

「いや、あいつらの目的は金銀財宝なんだから、そんなもの渡してやればいいじゃないか」

結論はなかなか、出ないのでした。


おわり


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