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笠地蔵

むかし、むかし、ある村にお地蔵様が立っていました。にこやかなその顔は他のお地蔵様と変わりはないのですが、なぜか、このお地蔵様は下半身が土に埋もれているのでした。村人はいぶかしながらも土を掘りおこそうとする者はいませんでした。


ある年の大晦日のことです。お地蔵様の前に笠を売る男が現れました。


「どうか。笠がうれますように」


手を合わせて、男は町に笠を売りにでかけていきました。


夜になると雪が降って来ました。笠売の男がとぼとぼと帰ってきました。どうやら、笠は売れなかったようです。男はお地蔵様の頭に雪が積もっているのをみると、雪を手で払って、笠をお地蔵様にかぶせました。そして、帰ろうとしたときです。何かにつまずいてしまい、こけてしまい、雪で土が柔らかくなっていたのか、お地蔵様の下半身が現れました。埋もれていたのはお地蔵様の下半身だけではなく、尼僧の像も一緒に埋もれていました。なんと、お地蔵様の下半身は尼僧にけしからないことをしているのです。それをみると男はムラムラしてきました。


「かかー」


男はそう叫ぶと一目散に家に走って帰っていきました。男は戸締まりをしっかりすると、かかにいどみかかりました。ことが終わったあと、男はつぶやきました。


「はあ・・・明日から、どうして暮らしていこう」


それをきいたかかがいいました。


「まあ、なんとかなるでしょ」


「うん、なんとかなるだろう」


男もいいました。二人の口ぐせはなんとかなるです。こんな調子で二人は暮らしてきましたが、今まで、不思議なことになんとかなってきました。二人はだきあいながら、その日は眠りました。




お地蔵様が笠のお礼にどっさり食べ物を持ってきてくれま・・・なんてことはなく・・・その頃、お地蔵様は・・・


「久しぶりに土から出たので、動けるぞ」


「私も土から出たので・・・」




はげんでいました。


おわり

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