花咲かじいさん
むかし、むかし。
おじいさんがいました。おじいさんは一匹の白い犬を飼っていました。
ある日、裏の畑でやたらと犬が鳴くので、何事かと思って見ると、犬はどうやら、ここを掘れと言っているようです。
「ここを掘れと言うのかい」
おじいさんはクワを持ってきて掘り出しました。出てきたのは、おじいさんが若かりし頃、大変お世話になったエロ本たちでした。そこへとなりのおじいさんがとおりかかりました。
「おや、いいものを、掘り当てたな。うちの畑にも何か埋まってないかと探してくれないか」
「わん」
犬はとなりのおじいさんについて行きました。となりのおじいさんの畑からはばらの本やゆりの本。さぶの本たちが出てきました。
ある暖かな日、二人のおじいさんは並んで、仲良く畑で畑で掘り出した本を読んでいました。
一人のおじいさんが言いました。
「俺たちは長く生きてきて女遊びも男遊びもしたし、もう、こんな本はいらないんじゃないか」
「そうだなぁ。もういらないなあ」
もう一人のおじいさんも言いました。
二人のおじいさんは相談して、その本たち燃やすことにしました。
畑で本を燃やし終えると灰が残りました。
その時、風がふいてきて、灰が枯れ木にかかりました。
すると、どうでしょう。枯れ木にきれいな花が咲くではありませんか。ポンポンっと。二人の爺は灰を掴むと灰を枯れ木に、向かって撒き出しました。
「枯れ木に花を咲かせましょう」
そこら中の枯れ木に花が咲きました。
そこへこの国を治めるお殿様が通りかかリました。
「その方らは何をしているのじゃ」
「はい。枯れ木に花を咲かせております」
「では、あそこにある枯れ木に花を咲かせることはできるか」
「はい」
二人の爺は灰をその枯れ木に向かって撒きました。きれいな花が咲きました。
「うむ。見事じゃ」
二人のおじいさんはお殿様にたくさんの褒美をもらいました。
お殿様が帰った後、ふと見ると、一冊、燃え残っている本がありました。それは獣姦の本でした。二人のおじいさんは顔を見合わせると犬の方を見ました。
「わ、、、わん、、えっ?」
犬は逃げようとしましたが捕まってしまいました。
こうして、二人のおじいさんと犬は末永く幸せに暮らしました。
その後、犬はここ掘れわんわんと鳴いて、お尻を向けて尻尾を降っています。
おわり




