表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/9

夏である。


朝からミンミンと元気に蝉が鳴く。

何で蝉はこんなに元気なんだ?

くそ暑いのに。

おかしいだろ?

蝉の体温ってあるのだろうか?

そりゃあるだろう。生きているのだから。

蝉の体温はどの位なのだろう。誰か計った事がある人はいないだろうか。

蝉は熱中症にはならないのだろうか?

僕はそんな事を考えた。


昨日の夜は僕の部屋の網戸にとまった蝉が「みーん。みんみんみんみん」とずっと鳴き続けて、うるさくて眠れなかった。

窓を閉めてエアコンを入れてあるのにうるさかった。

だって、すぐそこで鳴いているのだから。

追い払っても追い払っても蝉はやって来た。

そして鳴いた。

夜なのに。

街灯が点いているせいか?

それとも温暖化のせいか?

体内時計が狂っているんじゃないか?

それとも単なる嫌がらせか?


僕は蝉に負けた。

タオルケットと枕を持ってリビングのソファで寝た。

明け方、自分の部屋へ移動した。

蝉は消えていた。

僕はぐっすりと眠った。


僕は狐と遊ぶ夢を見た。

二人でカンケリをする夢。

何度やっても狐にカンを蹴られて、僕は鬼から脱却できなかった。狐は高らかにカンを蹴り上げると、得意げにはははと笑う。僕は悔しくて地団太を踏む。


あいつを一度ぎゃふんと言わせてみたかった……。

僕は眠りながらそんな事を考えた。

そんな夏休みのある日曜日。


母が僕のドアをノックした。

かちゃりと開けると言った。

「サトル。まだ寝ているの?お友達が来ているわよ。T町のお友達だって。あなたとすごく仲良しだったって言ってる」

僕は「うん?」と頭を上げた。

「こんた君って言う男の子」


僕はがばりとはね起きた。

そのまま玄関に走った。


ドアを開けると狐がいた。

高校生の狐。

やけにイケメンになっている……。

狐はにやにや笑いながら言った。

「神様のご意向でね。睡蓮池の弁天様にちょっとお遣いに行って来いってさ」

「序にお前の所で少し遊んで行こうと思って」

そして家の中を覗いて言った。

「お前の家、いい家だな」

狐は悪い顔でへへっと笑った。




読んでくださって有難う御座いました。

 

「コメオ1/3」に続きます。

 続くと言うか、ちょっと登場します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ