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接敵!正面から挑む

 「確か4日前。森からゾンビが陣形を組んで襲ってきたんだ」

「陣?あいつらに知能はないのに……」


 基本的にゾンビに知能は無い。襲う時も散発的で考え無しに動く。


「妙です。指揮者でもいるのでしょうか?」

「……何か変なものが封印されてるとかそんな伝承あったり、する?」

「伝承?確か何百年も昔の邪悪な魔法使いの話はあったけど」

「絶対にそれじゃん……内容は?」

「力の籠った指輪を手にして暴れて倒された的な」

「いい気になって身を滅ぼした感じか」

「どんな魔法を使うかとかは分かりませんか?」


 少年は考えて気まずそうに言った。


「町役場にまとめはあったけどさっきの爆発で……」

「……」

「では森の大元を叩きにいくぞ」

「……そうですね。応援も絶対来ませんし」

「それに早く片さないとクビになるかも」

「それはマズイです」

「待って?死ぬより嫌なの?」


 老人はツッコミを入れた。街よりも酷い状況では勝てる見込みは薄い。そう思うのも至極当然だ。


「だって死んだらばそこで終わり、生きてたらまた金欠の日々ですよ」

「そこまで振り切った考えには私も驚いた」

「え?師匠も同じじゃないんですか?」

「確かに革靴を煮込むのはもう嫌だけど」

「二人ともどんな生活をしてきたんだ……」


 老人は遂にツッコミを諦めた。


「ではここで別れか。俺はこいつをどこかへ連れて行く」

「お願いします」

「もう会うことは無いだろうが元気でな」

「さようなら」


 街で助けた二人を置いて車は森の方へと進んでいく。


「一体原因は何でしょうね?」

「意図的にしては規模が酷い。水兵の陽動にしてはやり過ぎだし……」

「そもそもこんな騒動にできる魔術師なんてそんなにいませんよ」

「魔術師って大体体制派ばかりだしな」


 この帝国、近代化や教育などは遅れに遅れているが魔術だけは別だった。積極的に囲い込み、反乱や外圧に耐えるためだ。宮廷に入れば中流貴族並みの資産を手に入れることも可能だろう。


「まあ個人的な恨みか?」


 そして車は森にたどり着いた。車からおりさらに奥地へ忍び寄ると二人の想定通りゾンビだけで無くスケルトンもたくさん沸いている。


「正面からは無理ですね」

「術者がどこかにいるはず。だけどどれだ?全部死体じゃないか」


 目に見える範囲に生者はいなかった。どんなに歩いて探してもいない。そうなれば答えは一つだった。


「術者もゾンビかスケルトンではないでしょうか?」

「死者が死者を使役?だとしたら……見分けが付かない」

「双眼鏡で見てもさっぱりですね」

「何で持ってるの?」

「車の中にありました。あと鉈とかも」


 男が運転に腐心するなか少女は車内を物色していたのだ。用意の周到さに男は驚いた。


「よく頭が回るな」

「日頃から色々活用できないか考えていますからね」

「その姿勢は見習うべきかな」

「是非とも!」

「それでもいきなり街を吹っ飛ばせないけど」

「最初は小さな所から一歩ずつ踏み出せば良いんですよ」

「私に何の道を踏み外させようと?」

「その気でないと革新(刺激)的なのは出来ません」

「やっぱり敵わないよ」


 男は呆れつつ対抗策を考える。そして伝承のことを思い浮かべた。


「伝承の人物が原因なら指輪してるんじゃ?」

「流石にそれは双眼鏡でも……そもそもつけてるのは何体もいるでしょうし」

「それもそうか……効果だけでも分かれば良かった」

「単純に魔力使い放題!みたいな?」

「呪われて無ければいいな」

「……もしかして奪って使うつもりですか?」

「バレた?」


 変わったものがあると試したくなるのは誰でも同じだった。特に研究職でもある魔術師なら強くそう思うのも不思議ではない。


「でももし有用なら既に奪われるか失敗して騒動になってますよ」

「数百年放置されてたし限定的か……」

「それが今更解き放たれたのは謎ですが」


 結局何ら有効打や対策は思い浮かばなかった二人。これ以上考え続けても時間がかかるだけ。男はそう思ったのかとんでもないことを言う。


「もう正面から全部焼かない?」

「考えた結果が脳筋戦法ですか……」

「さっきと違って巻き込みもないし」

「私のこと忘れていませんか?」

「俺を何度も殺しかけたやつが何をいう?」


 男は空に向かって発砲した。


「俺はここだ!ここにいる!」


 当然ながら一斉に亡者は群がってきた。


「正気ですか?」

「まとまってる方が効率がいい。焼け焦げろ!」


 あたり一面が炎に包まれる。難燃加工もされてないゾンビはなすすべもない。スケルトンもボロボロになり自重を支えきれず自壊した。


「この調子で続ければいけそうですね」

「流石に何度もやると身体が保たないけど……向こうとこっちどっちが先に倒れるかな?」

「何度か暴れれば向こうから来ると思いますよ」

「そんな簡単に……何だあれ?明らかにおかしいのがいる」


 それは異質な見た目だった。体感がグニャグニャしている他のゾンビと違い背筋が伸びている。またタンパク質はすでに消えスケルトンとしても年季の入った骨だった。


「親玉が来るとは話が早い」

「さっさと倒しちゃいましょう!」

「█ █ █ █ █」

「何言ってるのか分からねえよ」


 すると親玉の手元が光り出す。それを見て男も炎を出した。ほぼ同時に互いの魔法は着弾し親玉は燃え、怪しい光は男の左手に当たった。


「反撃は……無いのか。にしても今の光は?」

「ちょっと失礼」

「何だ?」


 少女は男の左手を斬り落とした。

リアルの事情が忙しくて頻度が落ちました。あと私の中でも設定がコロコロ変わり過ぎているのも原因ですね。書いてるとその場で別の案が出てしまうのですよ……思いついた場面と場面を繋ぐのが難しい

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