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救出!唸れ装甲車

「案の定ここもやられてる」


夜だというのに街には灯りが無い。それに道には時折血痕があった。


「無事な人はいないでしょうか?」

「望みは薄いと思う。長居は無用、森を確認して帰ろう」


一通り周りを見たのち二人は再び車に乗ろうとした。だが遠くから声が聞こえた。


「何か聞こえます」

「後ろの方からだな」


男はしゃがみ耳を地面に着けた。明らかに複数人の足音が聞こえる。


「ドカドカと足音」

「生存者でしょうか?」

「でも数が多い……追われてる?」


明らかに逃走劇が繰り広げられていた。途中で銃声すら聞こえた。


「もうエンジン音でバレてるな。ヨハンナは後ろで待機、後部扉から車内に引きずり込んだら一気に逃げるぞ」

「魔術で化け物を一掃が早いと思いますが」

「炎だと距離によっては巻き込む」


二人は扉を開けて車に乗り込んだ。男は直ぐに音のする後方に車を後退させる。


「後ろが見えない……」


普通の車なら側面の窓から顔を出せば多少は後ろが見える。だがこの装甲車は円柱状の銃塔がやや車体からはみ出す形で置かれており運転席からは一切見えないのだ。乗用車ではありえない構造に男は呟くしかなかった。


「ヨハンナ!後ろが見えない……車から降りて指示をくれ」

「分かりました……あれ?後ろにもホイールがありますよ?」

「後退用か!それで動かして」

「車の運転なんて知りません。それにレバーとかがありませんよ」


少女は困惑しつつも後部操縦席に移動し覗き窓の装甲板を開けた。


「後ろは方向を決めるだけで加速とブレーキは前か?なら方向だけ操作して」


男の予想は当たった。ようやく車は後ろに進む。道を曲がると逃走劇のラストスパートが見えた。


「ここに飛び込んで!」


少女は叫ぶ。走ってくるのは初老の男と少年、そしてそれを追いかける元人間のゾンビ一行。距離は近く炎の魔法では巻き込むのは確実だ。


「乗ったら教えろ。すぐに出す」

「わかりました」


距離はどんどん近づく。車に近づくと老人は少年を担ぎ後部扉へ飛び込んだ。少女はそれをさらに引っ張る。


「乗った!」

「よし!」


男はスロットルを全開にし一気に進む……とはならない。装甲板や二つの銃塔のせいで車重が重いからだ。5.3トンに50馬力。満載の3トントラックを軽自動車のエンジンで動かすようなもので加速は鈍い。


「遅!これでもくらえ!」


老人は散弾銃をぶっ放す。ゾンビの集団は仰け反った。


「生き残りは貴方たちだけですか?」

「おそらく」

「ではこの街を吹っ飛ばしてもかまいませんね?」

「???まあどのみち終わりだろう」

「ではやっちゃいます」


そういうと少女は車から何かを蹴落とした。


「師匠!できる限りここから距離を取ってください」

「言われなくともそのつもり!」


なおもやってこようとするゾンビを銃塔に移動した少女は撃つ。そして加速が鈍いとはいえある程度速度が出ればもう車が追い付かれることは無く村を出た。


「そろそろ時間ですね」

「「「時間って何の?」」」


三人とも同じことを考えた。すると後方で大爆発が起こり火炎が昇り、驚いた男は驚いて急ブレーキをかける。


「何だ?」

「新作の術式です。燃料を耐圧容器に入れたまま加熱。一定の圧になったら弁を解放すると急激な圧力低下で気化しながらもの凄い勢いで広まるのでそこに着火してドカンッ!。炭鉱や製粉工場の爆発事故から着想したんですよ」

「き……危険にもほどがある!」

「可愛らしい見た目して怖いなぁ……」


よく分からないやり取りをする二人を見ている老人は目が点となり少年はポカーンとしている。


「ところでお二方……装甲車ということは軍人か憲兵?」

「人手不足で来させられた宮廷魔術師だよ」

「その弟子です」

「宮廷からわざわざ。災難だな」

(ここ)の住人よりはましですよ。お二人は家族ですか?」

「いや。俺は移動の途中、こいつがこの街唯一の生き残りだ」

「君がこの街の?」


少年は頷いた。男はペンと紙を取り出す。


「何が起きたか教えてもらえるかな?」

「え?今聞くんですか?」


少女は驚く。老人は何かを察したのか何も言わない。


「人の記憶は簡単に改竄されるから早いうちに余計な情報を入れずに聞かないとダメなんだ。もちろん話したく無いなら無理強いはしないよ」

「いや、話せるよ。あれは5日前だったかな?」


少年はことの起こりを話し始めた。

モチーフとなった装甲車の情報収集に凄い時間がかかりました。バック方法だけで1時間はかかったかな?ちなみに少年は書いてる途中で生まれたり老人ももう少し後で出す予定でした。プロット通りの方が少ないですね……

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