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4話 ハーフエルフ?

 


「アリスちゃん、着きましたよ〜」

「あ〜う!」

「チュッ♡ アリスちゃん、ディフフ……♡」



【バブみ本舗】……2階建ての赤い屋根に白の外壁。外見は至って普通ですね。名前が変わってるから、外見もインパクトのあるお店なのかと思いましたけど、案外普通のお店でした。



「ごめんくださ〜い」

「失礼しますぅ」



 あれ? 店内はシーンとしていますね。もしかして、今日はお休みなのかな?



「はぁ〜い♪」



 あぁ、良かった。どうやら営業していたようです。とりあえず赤ちゃんについて、色々教わりたいのと用具を一式揃えたい所ですね。



「いらっしゃいませ〜♪ あら?」

「んんんっ……!?」

「先生!? ミレーナ先生ではありませんか!? 何でこんな場所に!」



 めっちゃ見覚えある顔だと思ったら、魔術学院の頃に私が教えてた生徒じゃないですか。まだ理事長に就任する前に、先生として教鞭を執った時期が私にもあったものです。この子の名前は、確かセレーヌですね。赤髪のポニーテールの愛らしい女の子で真面目な性格の子だ。卒業後はこの街で働いて居たとは……しかも、私の変装を容易く見破るとはね。成長しましたね♪



「あら、セレーヌさんお久しぶりですね♪」

「はい! あ、今は理事長と呼ぶべきでしたか?」

「いえいえ、もう私は理事長を退任しました。残りはのんびりとスローライフを送るつもりです」

「そうでしたか……なるほど。先生もついに立派なお母さんですか♪ 差し支え無ければ......お相手は?」



 あ、これは弁明しないと恐らく勘違いしてるわね。



「あ、この子は訳あって私が育てて居るの! 名前はアリスちゃんよ! 私が産んだ子では無いけどね……」

「あら? そうでしたか、まあ、事情はお聞きしませんよ」



 その時でした。アリスちゃんが私の腕の中でモゾモゾと動いて、今にも泣きそうな顔をしています。



「ううっ……」

「ん? アリスちゃんどうしたのかな?」

「おぎゃああああぁぁっ……!」

「あ、もしかしてオムツかな?」



 あぁ、この匂い。アリスちゃん漏らしちゃったんだね。オムツを替えなければ行けません。



「先生、ここは私に任せて下さい」



 私はセレーヌちゃんにアリスちゃんを渡しました。彼女は手慣れた手付きで、アリスちゃんのオムツを替えて行きます。



「はい、お待たせしました」

「セレーヌちゃん、凄い……」

「ふふ♪ 私にも娘が居ますので♪」

「え!? セレーヌちゃんが卒業してから、もうそんなに時間が経過してたの……セレーヌちゃんがお母さん!?」



 時が経つのは本当に早いものですね……そら、私もおばあちゃんになる訳ですよ……とほほ。見た目は20代くらいのお姉さんかもしれないけど、中身はもう立派なおばあちゃんですよ。しかも、セレーヌちゃん処女から卒業したのですね……私なんてまだ殿方とキスすらした事が無いと言うのに! 



「子育ての事なら何でも聞いて下さい、先生♪」

「ん〜正直分からない事ばかりだよ」

「それなら、この本を渡しますよ! 暇がある時に読んで見て下さい、参考になると思いますよ♪」

「おお! セレーヌちゃんありがとう!」



 この本があれば子育てを上手く出来るかもしれません。今日の夜に早速読んで見るとしましょう!



「セレーヌちゃん、アリスちゃんの服とか他にも子育てに必要な物があれば教えてくれるかな? お金に糸目は付けないよ」



 私は懐から、聖金貨を1枚取り出しました。これがあれば大抵の物は買える筈です。



「先生!? そ、それはまさか……」

「うん、聖金貨よ。これでお支払いを頼むわ」

「ひぇぇええぇぇぇ……!? 駄目ですよ先生! そんな大金……!」

「そう? じゃあ、金貨100枚くらいで足りるかしら?」

「いやおかしいですから!? 金貨1枚でも沢山買えます!」

「じゃあこれで頼むわね」



 とりあえずこれで、哺乳瓶、おもちゃ、お洋服、ベビーベッド、アリスちゃんのおやつに粉ミルク等が一通り揃うわね。また必要な物が出て来れば追加で買えば良い。



「お洋服は私の娘のお下がりですが、それも入りますか?」

「じゃあ、頂こうかしら。このお店にある服全て下さい♪ ベビーベッドは一番高い物でお願いするわね♪ あ、お金足りなかったら追加するから」

「え、マジか。流石先生だ……買い物の仕方も豪快ですね」



 アリスちゃんの笑顔が見れるなら、私は金貨だろうが聖金貨だろうが、いくらでも払いますよ♪ 貯蓄はまだまだ沢山ありますから♪



「量が凄い事になってしまいましたね……先生、荷台あるので使って下さい」

「え、良いの? セレーヌちゃんありがとう♡ じゃあ、お言葉に甘えようかな♪」



 最初から荷台を用意しておけば良かったですね。



「主ぃ、これ僕が引っ張るよ!」

「フェンちゃんありがとう! あ、後あれも買いに行きましょ。生活用の魔石と食材も」

「あいよ〜」



 私達は買い物を済ませてから帰路へと着きました。






 ――――――その日の夜――――――





「主ぃ……そろそろ寝ないと」

「主よ、俺が面倒を見るぞ?」

「フェンちゃん、サラちゃんありがとね。でも、私が抱っこしてあげないとアリスちゃんまた泣いちゃうから」



 育児の本を読みながらアリスちゃんをあやして居たのですが、私がちょっとでも手を離すとアリスちゃんがぐずって泣いてしまうのです。フェンちゃんやサラちゃんもアリスちゃんを寝かし付けようと頑張ってくれてるのですが、中々思う様には行きません。



「あだっ……! あ〜い♪」

「うふふ♡ 元気に育ってね。アリスちゃん♡」

「まーう!」



 ベッドに腰掛けながらアリスちゃんを抱っこしていると、人化した姿のフェンちゃんとサラちゃんが横でアリスちゃんの事を優しげな表情で見守っています。サラマンダーのサラちゃんは、人化すると赤髪の目付きの怖い、オラオラ系のお姉さんへと大変身します。口調は荒いのですが、案外面倒見も良く結構真面目な性格です。



「ほ〜ら、お嬢様の大好きな僕のもふもふ尻尾だよ〜」

「あだっ……ば〜ぶぅ♪」

「ほれほれ〜♪」



 フェンちゃんもサラちゃんも昔と比べるとかなり穏やかになりましたね。出会った当初何て、物凄い好戦的で戦いの中に喜びを見出していた戦闘狂でした。



「あるじぃ〜」

「ん? どしたのフェンちゃん?」

「僕、この歳になってようやく分かったよ。争いは実に無益なものだと」

「フェンちゃん熱あるの? 大丈夫?」

「大丈夫、僕は至って普通だよ。純粋なお嬢様の面倒を見てたら、もう闘争心やらプライドやら色々な事がどうでも良くなっちゃったよ」

「分かるぞ。俺も同じ気持ちだ」

「サラちゃんまで......」



 あらあら、2人とも立派なお姉ちゃんになろうとしてるのかしら? アリスちゃんは本当に凄い子ね。フェンちゃんやサラちゃんがここまで変わるとは思いもしなかったよ。



「あう!」

「ん? お嬢様、僕の尻尾気持ち良い?」

「あーい♡」

「そかそか♪」



 フェンちゃんとアリスちゃんの絡みが見ていて尊い♡ 女の子同士と言うのがまた良さみが深いですね。



「主ぃ、ふと思ったのですが、お嬢様はもしかしてハーフエルフではありませんか?」

「うん、恐らくね。もう少し成長すれば……判断も付くかしらね」



 生粋のエルフなら生まれてから直ぐに分かります。耳が長く、魔力量も人間の数倍ありますし。ハーフエルフは成長するに連れて耳も少しずつエルフ耳になるので、今の段階だと人間かハーフエルフなのか判断をするのは正直難しい所です。


こんばんみー! 二宮です!


ブクマと高評価ありがとうございます! 私の拙い作品を読んでくれて感謝です!



少しでも面白い、続きが読みたい、と思っていただけたのなら、ブックマーク登録や、下の☆でポイント評価をいただけると嬉しいです。


書く意欲に繋がりますので、よろしくお願いします!


次回からアリスちゃんが少し成長する所から始まります。可愛いとほのぼのをもっと盛り込んで行きたいと思います! 深淵の魔女……ママは段々と過保護になって行きます。



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