11話 フェンリルの休日②【フェン視点】
―――ロクサスの街―――
・3番ストリート・
「フェン様見てくださいまし! 主様が使ってた至高なる【コンディショナー】がこんなにも沢山ありますわ!?」
「分かったから......お、落ち着いてユニちゃん」
やれやれ......僕達は現在、ロクサスの3番街にある大手雑貨店【シルフィ商会】のお店に来ているのだけど、ユニちゃんが初めて見る商品ばかりで凄い興奮してるんだ。
「おおおおお!? 【アクアマドンナ】、【女神の微笑み】、【ピユリース】、【シトラスハグ】この香水も欲しい......どれも欲しいですわ! 人間が作る物がこんなにも素晴らしいとは......ワタクシ、正直......見直しましたわ。人間何て取るに足らない下等な生き物だと思ってましたけど、人間の知恵と工夫、創造する力は恐ろしくも油断なりませんわ」
「そうだね〜僕も主が使ってるコンディショナーを使ってから、最近毛並みの艶と匂いがだいぶ違うんだ♪」
「なるほどですの......フェン様から素晴らしい匂いが漂って来ますわ♪ 他にもワタクシも色々試して見たいですわ!」
前にユニちゃんが、主からおこぼれで貰ったコンディショナー、香水、シャンプー、化粧水等に心を奪われたのか、美容グッズに対してまるで飢えた獣の様に飛び付いて来るんだ。
てか、今日護衛と言う名目で買い物しに来たかっただけじゃないの?
「ユニちゃん、お試し用のテスターと言う物が置いてあるよ」
「!? ただで全部使っても宜しいのでしょうか!?」
「駄目に決まってるじゃん! 僕達は主の顔に泥を塗らない用に、常日頃から恥じぬを行動を心掛けないと行けないんだよ? あ、ユニちゃん。向こうからお店の人が来たよ。良い? 打ち合わせ通りの対応でね?」
「はいですの♪」
何やら、僕とユニちゃんが美容グッズコーナーで長居していたせいか、お店の女性店員さんと店主と思われる頭の上が、氷河期を迎えてる禿げたおじ様がやって来たのである。今の僕はユニちゃん......ユニお嬢様のメイドと言う設定なので、違和感無く演技をこなさなければなりません。
「これはこれは......当店をご利用して下さり誠にありがとう御座います♪ 失礼ですが、何かお探し物がお在りで御座いましょうか?」
「店主とやら、妾は髪の毛がパサつきやすいのじゃ。何かオススメのシャンプーやコンディショナーを教えて下さりなんし♪」
「さ、左様で御座いますか......でしたら、こちらの【ルマネコンティ】と【ビオレリア】と言う商品がオススメで御座います♪ こちらはパンテノール、パンテニルメチル配合で、付けて長い時間放置せずとも髪に短時間馴染ませる事で、高いコンデショニングと髪への浸透性や潤いを持たせる事が出来............」
ううっ......え、何? このおじさん呪文か何か唱えているの? パンテノール......パンチラメチル配合? うへぇ......全く意味が分からないよぉ。てか、ユニちゃんいつもと喋り方が全然違うんだけど? お嬢様口調から、何処かの女帝みたいな口調になってるよ。
「ふむふむ......」
あ、ユニちゃんこれ絶対分かってないな。表情は真剣だけど、内容に関しては僕と同じ気持ちを抱いている筈。ユニちゃん、根は素直だけどアホなんだよねぇ......例えるなら、ユニちゃんは礼儀正しいサラマンダーかな。
「店主」
「は、はい!」
「これでありったけの! 美容ケア用品を用意するのでありんす」
「こ、これわ!? 白金貨幣!? 市場価格は常に変動はしますが、最低値でも金貨1000枚の価値が保証されていると言う......王侯貴族でもそう簡単に手に入れるのは難しいとされる幻の硬貨......あ、ありえない!?」
え、何でユニちゃんそんな凄い硬貨持ってるの? もしかして、僕よりお金持ち? どゆこと? 僕、どんなに頑張っても主から月のお小遣い金貨1枚何だけど? お皿洗いや外掃除に料理や洗濯もしてるのに! ぐすんっ、何だか悔しい......
「し、失礼なのは大変承知なのですが......貴方様は一体」
「妾の名は、ユニ。正体に付いては、すまないのじゃ......店主よ。妾は現在お忍びプライベート中なのじゃ。そこに居る妾の下僕......メイドのフェンがどうしても美容ケア用品が欲しいと言っておってなぁ」
は? ねぇ、ユニちゃん何か調子に乗り始めて無いかな? 僕が一番欲しいのはビーフジャーキーとお菓子何だけど? 白銀の美少女メイドは百歩譲ってまだ良いとして、下僕? それってぇ......殺されたいって事かなぁ!?
「は、はい......お嬢様のワガママにはいつも苦労しております♪(帰ったら......今日の晩御飯は馬刺しかユッケかな)」
「わ、分かりました.....ユニ様。これ以上は詮索はしない事に致しましょう。今後とも当店に寄られる際は、最高のお・も・て・な・しを提供致しますので、今後ともご贔屓に♪」
そして、頭の上が不毛の大地の店主はこの店の従業員をここへと呼んだのである。その数おおよそ30人......統率された動きで並んでる。
「ユニ様にはこちらの【プレミアムゴールドカード】をお渡し致します」
「ふむ? 何じゃ、このぷれみあむ......なんとかカードとやらわ?」
「はい、当店と系列店限定では御座いますが、こちらのカードを見せて頂けると当店が取り扱ってる更に上の最高級ランクの品物をご購入できる代物となっております。さらには割引きや季節毎の豊富な特典等、様々なメリットがあります」
「最高級!? 頭の寂しい店主よ......金に糸目は付けぬ。妾の前に美容グッズも含めて全て持って来るのじゃ!」
「ははっ......おい、皆聞いたか!? ユニ様に最高級の品をお持ちしろ!」
ねぇ......もう面倒くさいから一人で行動しても良いよね?
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