第8話 「開祭前夜」
神響世廻 8話 「開祭前夜」
「そうだナ、もう日も帰って行ってるし僕がタバルジールでお気に入りの宿に案内してあげるヨ!」
「あ、あぁ2回もすみません…」
「他人行儀はやめてよ!僕達はもう友達さ!」
そんな会話を少しだけ交わした。
シュルルッーーー
お馴染みの移動方法で、僕は森の奥であろう所にある、ほのかに空気を照らす宿に着いた。
「ここがそうさ!ここはタバルジール1高い山で水が湧く池がある絶景宿、その名も「詞凛菴」だ!って事で、手続きは済ませてあるから、僕は祭りの準備に行ってくるナー」
言うだけ言われて、アヌイは行ってしまった。
「貴方が、ルーク様でございますね。」
後ろに、従業員らしき人がいた。
「っ、はい」
何を答えれば良いか分からず、心地悪い回答になってしまった。
しばらくして
「それでは、こちらへどうぞ。」
そこは、宿のそこそこ高い階で、それで書院造の広い部屋だった。
色々道具等が綺麗に置かれていたが、その中でも異色を放つものがあった。
それは、机の上の手紙、本、コインのような物の山。
「すみません。あの机の上のもの達はなんですか?」
「説明が遅れました、あちらはアヌイ様からと言うことで、緑乾騎士団の管轄隊長の、ハルビス・フローゼリア様から頂きました。
(おおっ、ハルビス、最初に出会って、名付けをしてくれた騎士か)
「それでは、何かございましたら、そちらの鐘を鳴らしてくださいませ、ごゆっくりしてくださいね。」
そう言い残し、彼女は去っていった。
僕はまず、手紙をみた、三通ある。差し出し人は…首神のアヌイ、騎士のハルビス、会長のシシからだ。どれから読もうか……
まず、薄い方のアヌイからの手紙を読むことにした。
ーーーーーーールーク君へ
やぁ、さっきぶり。
今回は、君に伝えたい事があるんだ。
でも、口頭では話せないから、手紙にしてみたヨ。
さて、最初に教えておきたいこと、僕は何故、君に草元素を授けたか。だ、色々、この世界には当たり前のルールや方程式があるんダ、まず、君にはそれを知っておいて欲しい。
まず普通の人間以外は、大体のオーラを感じる事があるんだ、それは大体モヤって感じで見える。
それに加え、ある程度の実力者は、相手の持っている元素が見えるんだ。
それよりももっと凄い、僕みたいな神は、相手の固有能力が見えたりもする。
この世界では、それを総称し、闘眼と言うんダ、僕がその闘眼で、君を見たんだ、するとね、君はオーラは凄くあって、草元素を渡していない時も、何らかの元素の痕跡が見えた。
透明の元素オーラも見えた。
固有能力の形あったんだが、それは何故か僕でも見ることが出来なかった。
それで、僕は君がオモシロイと感じて。
試しに草元素を与えてみたってわけ。
そしたら、おかしな事に、君の元素の後には、8大元素の数をも超える元素があった痕跡があったんだ。
普通の人間や、生命は、元素を1つしか持つことが出来ない。
それ以上になると、肉体や魂がバラバラになるからね。
でも、君の魂や肉体の許容量は、神をも凌駕していた、ほぼ無限に近いほど。
君が、8大元素を集める使命に元々あったんだと僕は思うよ。
以上、アヌイ様でした。またな!
なるほど……自分が何者か、のヒントを貰えた気がする。多分、記憶が無くなる前に関係しているのか……?とも思った。
次は、ハルビスの手紙は最後に読みたい。だから、会長ーーー……シシさんの手紙を読むことにした。
拝啓 ルーク殿へ
いきなりで悪いね、君に文を伝えようと思ったのは、とある事情で、これから書き連ねるもの達に、理解と注意をしてもらいたかったからだ。
それは何かというと……って書こうと思ったが、簡潔にすまそう。
まず、僕の固有能力は「情報」の能力だ。
それは単に、情報を操る。と言うものだ、だから、君が僕に伝えてない事も知っているかもしれないが、そこは了承して貰って欲しい。
次、最近城内、城外に謎の元素をもった不審な人物を目撃している。君も、何か分かることがあれば教えて欲しい。
最後だ、祭りの日、城門にハルビスを待機させている。回る時はそこに行ってくれ。
余談だが、「水元素の国 スーシャ」が物騒らしい。冒険者協会の本部もあるし、祭りが終わったらそこに行くことにする。では
冒険者協会会長、シシ より
…アヌイと違いかなりコンパクトな文だ、
流石は会長って感じだ
さて…お次はお楽しみのハルビスだ
ルーク君へ
僕はその……あんま書くことないかな。
そういえば、僕は君と別れたあと、今までの努力の甲斐あって、緑乾騎士団の管轄隊長から、副団長の側近になったんだ!だから、今までより忙しくなって、会うことが難しいと思うな。
そうだ、今まで宿代は間接的に国…いや草神負担だったけど、ここを出たら、多分君が払うことになると思う。だから、今のうちに君に、通貨の使い方、それと、通過を渡そうと思うよ。
多分、この手紙の置いていた所の下に、箱があると思う。
その中に、僕からの最初のお金をちょっとあげるよ。
そして、アヌイが作ってくれたいい感じのお財布も入れてある。
覚えていて欲しいんだが、この世界は全国"ワンカ"で統一されているよ。今回、僕があげるのは、4000ワンカだよ。あと、バイトや、冒険者協会のクエストで、ワンカを稼ぐ事ができるってかんじ。まぁ、僕はあんまり書くことは苦手に近いから、そろそろ終わらせてもらうよ。シシさんから多分聞いたと思うが、祭りは僕が付き添わせてもらう。最近、不審な人物の目撃情報が多数あるからね、そこんとこ理解してくれ。それじゃ!
ハルビス・フローゼリアからでした!
うん、なるほど…ちょっと色々知れたな、そういえば、4000ワンカは、何を買えるんだろうか、それは祭りの屋台で確認するとしよう。そして、さっきから、不審人物が気になるな、かなり警戒されているようだが、どうなのだろう。まぁいい、今日はここでゆっくり過ごすか
そうして僕は、この宿で、残りの半日を自由に過ごした。
「よし。今日も終わりだ、明日のために、早く寝ておこう。」
ザッ
「…よし、寝たな…」 スッ




