埼玉心霊研究所
動画編集をしながら丈は、キリシタン塚で見つけた石を眺めていた。
編集を終えるとネットでその石を調べてみたら、オカルトサイトに石の紋章と同じマークが描かれていた。
サイトによるとそのマークは大昔の霊媒師集団の紋章だという。
その霊媒師集団は各地で妖怪や心霊騒動を沈めていったらしい。そして除霊する際にはあの紋章が刻まれた石に霊魂を封じ込めていたとされる。
「でもこれ砕けてるよな…」
丈は石を片手に呟いた。
このサイトを運営してるのは埼玉心霊研究所という所らしい。
丈はそこに連絡をとり、翌日その研究所へ向かった。
駐車場に車を停め、研究所の入り口へ向かう道中その研究所のデカさに圧倒された。
東京ドーム2個分のかなり広い施設だった。
入り口の自動ドアを抜けると中は大広間になっており、正面にはエスカレーターがあった。
入って右側に受け付けがあり、そこで話すとすぐに研究員らしき人が現れ、奥へ案内された。
研究員「ウチのサイト見てくれたんすか~」
丈「えぇ、そうなんです。」
研究員「あ、その記事書いたの私なんですよ。」
廊下にはよくわからない計器類がチカチカ点滅しており、しばらく進むと全面ガラス張りになり研究所内が見えるようになっていた。
そこでは白いモヤが入った複数のカプセルがあり、研究員が見ているパソコンにはよくわからないグラフが表示されていた。
そして丈は廊下の突き当たりにある応接室に通された。
研究員「あの霊媒師集団についてですよね?」
丈「えぇ」
研究員「あの集団は明治初期から存在していて払った魂をこの石に宿らせていたんですね。」
そう言って紋章が刻まれた石を出した。
しかも砕けておらず鏡餅のような形をしていた。
丈「あっそれ!?」
研究員「ウチも一つ見つけたんすよ。
この石をスキャンしたら中に大量の霊魂が閉じ込められていました。」
丈「それ、どこに合ったんです?」
研究員「これは大阪の廃病棟で見つけた物です。
そちらはキリシタン塚で見つけたんですよね。」
丈「でも俺のは割れてるんすよ。」
研究員「おそらくキリシタン塚の霊もその石に封印されていたが、なんらかの原因で石が割れ、再び霊が解き放たれたんでしょう。」
丈「そうか…」
続く




