キリシタン塚
新潟県 佐渡島
最恐の心霊スポットへ、丈は懲りずにまた夜中に訪れていた。
「今俺は、江戸時代に幕府により迫害されたキリスト教徒達が首を跳ねられ処刑されたキリシタン塚へ続く峠道の前へ来ております。」
丈は入り口の前でカメラを回し実況を始めた。
「キリシタン塚までには1kmの峠道があり、そこを抜けた広場がキリシタン塚であります。」
実況をしながら丈は峠道へ足を踏み入れた。
木々がうっそうと繁る峠道は静まり返っており、それがまた不気味であった。
しばらく歩いていると道の左側に看板があるのが目に入った。
看板の奥には古い墓があった。
「この場所で処刑されたキリスト教徒が晒し首にされていたらしい。」
看板を読んでいると少し寒気を感じた。
「なんか寒気がしてきたぞ~ 霊が集まってきたのか?」
そこで丈はスマホで墓と周囲の写真を撮ってみた。
撮った写真を見てみると墓の近くにオーブが2つ写り込んでいた。
「オーブだ オーブが写ってる。はっは!ワクワクする。」
丈はオーブに興奮し、再び歩き出した。
歩いていると開けた場所に出た。
丈「到着、この広場がキリシタン塚だ。」
広場の中心に看板がありそこには120人余の信者が打ち首にされた場所とある。
「さっきまでとは雰囲気が違うな。」
すると丈は広場の隅に何か落ちているのにきずいた。
近付くとそれは歪な形をした石だった。
手に取ると石の中心に丸い紋章が刻まれていた。
紋章は中心に丸い点があり、その周りを同じ丸い点が囲んでいるものだった。
「んだこれ? 変な石を見つけた、紋章が刻まれてる。」
丈は石をリュックにしまい、再び歩きだす。
マリア像の横を通過し、遂に最奥のキリスト像の前へたどり付いた。
「これが噂の血だらけのキリスト像。
血のように見えるのは錆なのか下地が出たのかよく分かっていないらしい。
ホントに血かもしれない。」
奥までたどり着いたが、写真にオーブが写る以外何も起きていない。
それに少し落胆していると、突如背後に気配を感じ、バッと振り返ると一瞬白いモヤが見えた。
「おいっ!見たか!見たか今のっ!見た!?見たか!?」
興奮し、喚く丈。
まだ何か出ないかとしばらくそこで待ったがもう何も起きることはなかった。
丈は諦めて下山し、車に戻った。
車内で撮った動画を見返し、帰路に付いた。
続く




