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脱出

来た道を戻ったが女の頭は居なくなっていた。

丈は森の中を大回りし、車が停めてある駐車場まで戻ろうと足を速める。


ガサガサガサ!


自分の右側の茂みから音が鳴り、ライトを向けるとさっきの女の頭が居た。

ニタニタと笑いながらまた迫ってくる。

丈はその頭をおもいっきり殴り付けた。

殴られた頭は茂みの中に転がっていき、右手には殴った感触が残っていた。

確かに人間の顔の感触だった。

幽霊だが実体があり、物理攻撃も普通に効くようだ。


丈は再び走り出す。

しばらく走っているとようやく駐車場へたどり着いた。

直ぐに自分の車に乗り込みエンジンを掛け道路に出る。

辺りは真っ暗でライト無しではほぼ何も見えない。

樹海を脱出し、安堵したが念のためバックミラーで後ろを確認すると、案の定人影がふわふわ浮きながら追ってきていた。

その人影は男性の様で、迷彩のパーカーを着ており、顔全体が傷だらけで一部骨が見えていた。

追い付かれまいとスピードを速めるが引き離すどころかどんどん距離を詰められ、とうとう追い付かれ後ろの窓ガラスに張り付かれてしまう。

「うぉッ!」

張り付いた男の顔を見て丈は思わず叫ぶ。

男は目をかっ開いて車内を覗き込むと頭をガラスに何度も打ち付けガラスを割ろうとしてきた。

ガンガン!と鈍い音が響く。

すると正面ガラスに大量の手形がペタペタと音を立て、付き初めた。

「ワァァァァァァァ!!」

丈はパニックになり急ブレーキを踏む。

するとその反動で張り付いていた男はガラスに強くぶつかり遠くへ飛んでいった。

冷静になり前を見ると、まだあの男が居た。

ずっとこっちを睨んでいる。

「これでも食らえ!」

丈はアクセル全開で突っ込み、男を撥ね飛ばした。

ドゴン!と鈍い音が鳴り男は吹き飛び、アスファルトに叩き付けられた。

丈はバックミラーを見たがもう何も追ってくる

気配は無かった。

その後は何事もなく自宅のアパートまで帰ることが出来た。

車を確認するとガラスの手形は消えていたがボンネットはへこんでいた。

撮った映像を観ると女の頭や歩いてくる人影かはっきり写っていた。

「スゲェ…スゲェ!」

丈はこれに歓喜し、直ぐに動画編集に取り掛かった。




続く



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