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恐怖

目が覚めると辺りはすっかり暗くなっていた。

カメラを持ち昼間行った場所まで歩きだした。

森の奥まで着くと昼間とは打って変わり真っ暗でほぼ何も見えなくなるっていた。

持ってきていた懐中電灯で辺りを照らしカメラを起動し撮影を始めた。

風で木々が揺れ、ざわざわと音を立てている。

しばらく歩いていると、どこからか視線を感じ始めた。

こんな夜中にしかも森の中に人が居るのはおかしい、丈はすぐにそれが幽霊だと確信した。

その姿を捕らえてやろうと視線を感じた方向へ歩きだした。

前方の草の中に目と思われる二つの光が見えた。

丈が近づくとその光は草の奥へ消えていった。

それを追って行くと開けた場所へ出た。

月明かりで周囲が照らされ、周りがはっきり見えるよようになった。

辺りを見渡し開けた野原へ目をやると、



顔があった。



髪の短い女の頭だった。

青白く、生気の無い顔が暗闇の中、浮かび上がっていた。

その頭は地面か生えるように存在いしており、こちらをじっと見つめていた。

丈はしばらく固まって動けなくなっていた。

ハッと我に返りその頭をカメラに写そうとした。

するとその頭は地面をスライド移動してこちらに迫って来ていた。

カメラに写ったのを確認すると丈は来た道へ一目散に走り出した。

「おおおおお!」

丈は恐怖で絶叫しながら全力で走った。

遊歩道まで戻り後ろを振り向くと、その頭は何故か奥の方で止まっていた。

そんなことは気にせず遊歩道を走り出すと前から人影がこっちに向かって歩いて来ているのが見えた。

よく見るとその人影も丈をじっと見つめて歩いて来ていた。

丈は直ぐに逆方向へ走り出すが、そっちからも人影が迫っていた。

仕方なく丈はさっきの頭が居る、森の中へ向かった。



続く


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