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第6話 昇級試験


 俺はF級のクエストを達成していた。


 【下水に巣食う大鼠の駆除】達成。


 続いて、【鑑賞用のスライム捕獲】のクエストに挑戦。


 その道中の戦闘でヴァンスレイブのレベルが上がる。


『主、スキル、 回転遅延(スピンスロウ)を取得したぞ』


 このスキルは、対象の足に旋風をまとわり付かせて動きを遅くする技だ。

 複数の敵や素早い敵と戦う時は有利である。


 そして、スライムを捕獲籠に入れてギルドに戻った。




ーー緑のギルドーー


「わ! マワルさん、今日もお早いですね」


 受付嬢が目を見開いた。

 絶賛は続く。


「このクエストはスライムを生きたまま捕獲できなくて、断念する冒険者が多いんですよ。それを、まぁあっさりと」


「スライムの捕獲くらい大したクエストじゃないさ」


『いや、主、大したものだぞ。生捕りは相当に難度が高い。それを上手く我を使って籠に追い込む戦闘は目を見張った』


「スライムだぜ? 大したことないって」


「マワルさん、誰と話してるんです?」


 あ、いけね。

 ヴァンスレイブの声は俺にしか聞こえないんだった。これじゃ独り言をブツブツ言ってる気持ち悪い奴だよな。


 俺は適当に誤魔化してクエストの達成報酬を受け取った。


 受付嬢はニコリと笑う。


「F級のクエストを3回達成しましたね。これで昇級テストの条件を達成しましたよ」


「よっしゃ! 早速、受けるよ!」


「つ、疲れてないんですか?」


「 全 然 ! 」


「ははは……凄い。こんなに早くテストを受ける冒険者も珍しいですよ」


 こうして俺は昇級テストを受けることになった。



◇◇◇◇


ーーハジマール平原ーー


 遠くに見えるのはトーナリ山。確かこの辺はゴブリンと戦った場所だよな。


 試験官は3人。いずれもC級の冒険者だ。

 大きくて立派な剣を装備している。


 うーーん。剣が守護武器なんだな。

 羨ま……。


 ブルンブルンと大きく首を振る。

 

 いかんいかん。俺には相棒がいるんだった。


『どうした主? 緊張しているのか?』


「緊張なんかしてねぇよ。ちょっと複雑な気持ちになっただけだ」


『悩みごとならなんでも聞くぞ』


「ありがとよ……。んで、なんかごめんな」


『なぜ謝るのだ?』


「ははは。気にすんなって相棒」


「誰と話している!」


 試験官の一括。


「ああ、すいません。独り言です」


「おいおい。真剣に取り組まんと大怪我するぞ!」


 大怪我ねぇ……。


「どんな内容なんですか?」


「うむ。では説明しよう──」


 そう言ってニヤつく。



「ゴブリンを1体! 倒すのだ!!」



 試験官達は3人ともが、どうだ参ったか? とばかりにしたり顔。


「え……? あ、たった1体でいいんですか?」


「た、たった1体とはなんだーー! 強がりはほどほどにしなさい! ゴブリンと言えば初心者殺しで有名だ。そんなモンスターをたった1人で倒さなければならんのだぞ。F級冒険者としては難関と言っていいだろう──」


 ハァ……。そうなのか?


「私の場合、E級になるには半年かかった!」


 すると同調して他2名の試験官が加わった。


「私なんか1年ですよ!」

「俺なんか1年と半年です」


 かかりすぎじゃね?


 俺が呆れていると試験官は眉を寄せる。


「君の噂は聞いている。なんでもゴブリン3体を倒したらしいな……」


 噂になってんのか?


 軽く会釈。


「ども」


「ふん。私はそんな話、信じないがね」


 そう言ってブーメランを見つめてニヤついた。


「それじゃあ。今から《《ブーメラン君》》の昇級テストを始める訳だが、いかんせんゴブリンは野生のを使うんだ。だから遭遇してから開始となる」


 開始うんぬんはいいとして……。ブーメラン君ってなんだよ?


「制限時間は1時間だ。それまでに倒せなかった場合失格となる」


「ハハハ。そんなにいらないですよ」


「おいおい。えらく気楽だが、本当に大丈夫か、《《ブーメラン君》》?」


 変なあだ名付けられたな……。

 

「ゴブリンと対面した瞬間に震えて動けなくなるんじゃないだろうな? 助けを求めないと我々は動けんからな。声は出せるようにしておいてくれよブーメラン君」


 

 歩くこと1時間。その時は来た。


 眼前に現れたのはゴブリンが5体。

 この前と同じように丸太を持っていた。


 試験管は武器を構える。


「チッ! 多すぎる!! 4体は私達が片付けるから、ブーメラン君は残った1体をやりなさい」


「ああ、いいっすよ。俺1人でやりますから」


「え!? あ、おい!! ま、待て!!」


 俺は試験管が止めるのも聞かず飛び出した。



回転遅延(スピンスロウ)!!」



 目の前に投げたブーメランは空中で停滞し、そのまま回転を加速させた。

 次第にその回転は渦巻き状の風を起こし、その風がゴブリン達の脚に絡みついた。



『『『  ギギッ!?  』』』


 

 ブーメランを回収すると、再び放り投げる。


双刃ダブルブーメラン!!」


 その瞬間、ブーメランは2つに分裂。

 2体のゴブリンを仕留めた。


戻る(リターン)!」


 素早く回収。そして、再び 双刃ダブルブーメランで2体を倒す。


「残り1体はシンプルに止めだ」


 俺はゴブリンの丸太攻撃を掻い潜り、ブーメランを手に持って額へとぶっ刺した。



グサァッ!!



 瞬く間にゴブリン5体を撃破。


 今回は動きを遅くできたから余裕だったな。

 


「ね! 5分もかかってないでしょ?」



 試験官は空いた口が塞がらない。



「う、嘘だろ? つ、強すぎる……」



 こうして俺は昇級テストに合格した。


 よぉし、これで今日からE級だぞ。




 試験官は俺のブーメランをマジマジと見ていた。


「《《マワル》》……。お前の守護武器。……凄いな」


「あれぇ? 俺の名前はブーメラン君じゃなかったんですか?」


 試験官は真っ赤な顔で咳をするのだった。






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現在の状況【読み飛ばしてもストーリーに影響はありません】





名前:マワル・ヤイバーン。


冒険者等級:E級。NEW


守護武器:ブーメラン。


武器名:ヴァンスレイブ。


レベル:4。NEW


取得スキル:

戻る(リターン)

双刃(ダブルブーメラン)

回転遅延(スピンスロウ)。NEW


アイテム:薬草。


所持金:4万3千エーン。NEW

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