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毒の中で

更新が遅れてしまって申し訳ありません。完全に副作用をなめてました。


 フィールド効果、毒霧……。かなり厄介なデバフがついてしまった。

 紫がかった視界の端のHPバーが少しずつ削れていく。今のところ減少幅は緩やかな感じだけど、説明通りならどんどん削れるスピードが速くなるはず。



「アリス、自分に《パナシーア》っ」



 言ってから気づいたけど今の言い方だと私に《パナシーア》をかけてって言ったと受け取られるかも……? まあ私が考えた通りにアリス自身に使ってくれたし、ある程度読み取ってくれるみたいだけど。

 それはともかく、パナシーアによってアリスにかかっていたデバフは解除されたものの、一秒後にはまた同じデバフがついてしまっていた。説明に書いてある通り弱体解除は根本的な解決にはならないみたい。

 ただ、時間経過とともに増えていっていた1秒ごとのHPの減少量はデバフ解除時に一番最初の状態までもどっていたので、まったくの無駄というわけでもない。

 減少幅が大きくなりすぎる前にパナシーアでどうにかできればいいんだけど、MP消費量も結構多いのでどうにかやりくりしないと……。



「リーナ、回復頼んでもいい?」


「オッケー! でも回復量少なめだからあんまりあてにしないでね?」


「大丈夫!」



 今は少しの回復でもほしい状況だし、アリスがMPを回復している間のつなぎになってくれるだけでもだいぶ楽になる。


 アリスとリーナがパーティの立て直しを行いつつ、残ったメンバーで攻撃を行う。

 まだバフの効果時間は残ってるので、陣形も気にしつつ。ただリーナの回復が近距離まで近づかないと発動できないものなので、それぞれ途中で私の近くまで戻ってもらったりもする。



「ゴァアア!!」



 剣が地面にたたきつけられて、巻き込まれた毒腫が濃い毒霧を噴き出した。

 それを避けるように動いて陣形を組みなおしながら、次の指示を考える。


 この毒霧状態はオーバードゴブリンのHPが一定以下になったから発動したものだと思うけど、毒霧が出始めた以外に特に変化がないので一応どうにかなってる……かな?

 これでオーバードゴブリン自体も発狂モードみたいになってたらどうしようもなかったわけだけど、見た感じの印象はむしろ動きが緩慢になっている感じがする。剣の攻撃は相変わらず範囲が広いので気を付けるべきではあるけど、その剣を担ぎ上げるまでの時間が長くなってるような……とにかく、そのおかげで毒の対処がギリギリどうにかなってる状況だった。

 まあ誰か一人でも欠けたらそこから瓦解しかねないので綱渡りって感じではあるけど。


 そんな中で、アルルが放った銀の炎が爆発してオーバードゴブリンが怯んだ。

 その隙にサクが突撃して《クレセントスクラッチ》で攻撃。銀の軌跡が閃いて――そこで違和感に気づく。



「……あれ、霧が晴れてる……?」



 霧の中からだからよく見えないけど、オーバードゴブリンの周囲だけ霧の色がかなり薄くなっているように見える。

 さっきまではどこも同じくらいの濃度だった気がするんだけど……もしかして《銀炎》が原因?

 いや、特定のスキルがそのままトリガーになってるってことはないだろうし……ちょっと試してみよう。



「カイル、こっちに《天風(あまかぜ)》!」


「ピィッ!」



 私が指さした場所に向かってカイルが《天風(あまかぜ)》を発動した。

 この魔法はシンプルな風属性の範囲攻撃魔法で、着弾地点を中心として円形にダメージが発生する。

 渦を巻くように流動する風が止まった後、その範囲内には毒霧がほとんどなくなっていた。



「やっぱり……!」



 まだ確定とは言えないけど、風が発生する攻撃を使うと一時的に毒霧を払うことができるみたい。

 そして毒霧のない場所にいる間はHPの減少がストップする。デバフ自体はそのまま残っているけどこれなら全く問題ない。


 カイルに指示を出してアルルとサクの辺りに《天風》を撃って安全地帯を作り出す。

 安全地帯が出来たことで回復の頻度が減り、アリスだけで対応できるようになったことでリーナがバフを更新できるようになった。

 こうして毒霧対策が完成してからは一方的な戦いとなり、毒霧を放出するごとに弱っていくオーバードゴブリンにアルルとサクが一方的に攻撃をぶつけていくような形になって……やがてアルルの爪が喉元を切り裂いて、オーバードゴブリンは力を失って地面に倒れ伏したのだった。



[オーバードゴブリンを撃破しました]


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