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転生先は大空でした  作者: 高木 藍
第五章 私には普通ではない学校と貴族には普通の学校

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予期せぬ客

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 その後も、マカリスターは何かと絡んで来ようとしていたが、敵の筈のキャローリンが上手い具合に邪魔してくれたのお陰で事なきを得た。


 授業が終わり、何時もの様に、私室で寛いでいた。今日一日で、思い知った。面倒臭い人達に絡まれるリスクを考えると、1日も早く卒業したい。


 「ねぇランにリーネ。私が早期卒業したら貴女達困るかしら?」


 まだテス達が来ていないので、1年生組の二人に尋ねてみる。


 「システィーナ様なら、早期卒業もあっという間ですね」


 ランは困った様な笑顔で言った。


 「主の為さる事に、異を唱える事は致しません。私も努力して早期卒業を目指すまでです」


 リーネは勇ましい。


 私が早期卒業する事は、簡単だろうが、私が居なくなった後、リーネはまだしも、ランが心配だ。下級貴族で高位王族の庇護を受けるなど、妬まれるに違いない。


 「…よし、3人で早期卒業目指しましょ」

 「…3人でですか?」

 「…ど、努力します」


 …あれ?二人引いてる?


 「私も仲間に入れてください」


 いつの間にかやって来た、テスが言った。


 「私が先に卒業する予定でしたのに、追い越されてしまいます」


 テスが笑顔で言った。


 「レッドも頑張りますよきっと」


 「…早期卒業してしまったら、私はシスティーナ様と共に居る事は出来ますか?」


 ランが不安そうに此方を見た。


 ―そうだった。テスは正式に召し上げているけれど、リーネとランとレッドは貴族院での従者だった。でも、もう、私の中では身内同然だ。


 「レッドも、リーネもランも卒業と共に正式に召し上げます。既に家族同然ですわ」


 「ありがとうございます!」「誠心誠意尽くします」


 ランとリーネは嬉しそうだ。


 「今、本人は知りませんが、喜びますよ」


 テスがレッドの代わりに言った。


 …レッド、扉の外だった。


 急に魔石が光った。


 画面にはレッドが映し出された。隣に見知らぬ大人が居る。


 「レッド何かございまして?」

 「システィーナ様、今からマカリスター様がいらっしゃると、先触れがございました」


 ―げ。断れないやつじゃん。しまった。とっとと帰れば良かった。


 「…承知しました。とお伝えください」


 マカリスターの従者には聞こえているだろうが、レッドに伝えるよう言う。


 

 通信が切れると、テスとランが慌ただしく準備を始める。


 …はぁ。アルベティウス様が居たらなぁ…


 憂鬱になっていると、再びレッドから通信があった。


 「システィーナ様、アルベティウス様がいらっしゃいました」


 ―!!シュラーリア様に感謝を!!


 「やぁ。入っていいかい?」


 「直ぐにお通しして」


 レッドが扉を開けると、ニコニコしながらアルベティウス様が入ってきた。本当は飛び付きたいけれど、皆の手前止めておいた。


 「アルベティウス様、いらっしゃいませ。如何なさいました?」


 「今日のマックの様子を見ていたら、此処にやって来る気がしてね」


 …流石!アルベティウス様!素敵!


 「ええ…。今し方先触れがございました」

 「やっぱりね。君と二人にする訳にいかないからね」

 「二人になんて。皆がおりますのに」

 「マックが人払いを命令したら、この子達は逆らえるのかい?」

 「…」


 …隣国の皇子様の命令を無視など出来ないだろう。


 「君でも出来ないのに。マックに対抗出来るのは、今の所僕だけだろう?師匠は忙しそうだしね」

 「考えが至りませんでした。いらしてくださって有難うございます」

 「君の為じゃない。私が君に会いたかったんだ」


 アルベティウス様はキラースマイルでウインクする。


 ―くっ。心臓が保たない。こら、そこ。ランとリーネ、声を出さずキュンキュンするんじゃない。恥ずかしいわ。


 ランとリーネのキラキラした眼差しに、居心地の悪さを感じた時、レッドから通信が来た。


 「システィーナ様、マカリスター様がお出でです」

 「お通しして」


 アルベティウス様以外、信徒の礼で入室を待つ。


 「邪魔するぞ」

 「ようこそお出でくださいました」

 「うむ。楽にせよ…?!な、何故だ!アル兄が居るのだ!」

 「マカリスター様、此方へお座りください」


 マカリスターをアルベティウス様の向かいに促した。マカリスターは渋々座った。


 「やぁ、マック。我が婚約者に何用かな?」

 「べ、別に。初めて会った従兄妹に挨拶に来ただけだ」


 …絶対違うよね


 「アル兄は教師で在りながら、一生徒の私室にやって来るなど、贔屓だとか色々変に勘繰られたらどうするのだ」

 「変に勘繰るって言った所で、システィーナは婚約者だし、贔屓も何も、全てに飛び抜けているのに今更だろう?それに、私は教師ではなく、『講師』だからね。縛りは無いよ」


 アルベティウス様は、笑いながらテスが淹れたお茶を飲む。


 「未婚の王族が私室を尋ねる何て、其方の方が醜聞に成りかねないだろう?」


 マカリスターはぐっと言葉に詰まった。


 …何か追い詰めてるけど、此処、特別高位王族塔は、セキュリティーも厳しいし、そんな事はならないのに。マカリスター、騙されてるよ。まぁ、何も言うまい。ってか、既にレイモンド様が来てるけど、アルベティウス様には内緒だ。


 「まぁ、今日の所は従兄妹同士の交流と言う事にしよう」


 …私に何か言う積りで来ただろうに、針の筵になってしまったね。もう来ないでね。


 アルベティウス様のお陰で、ピンチを切り抜ける事が出来た。今は、お茶を楽しもう。

 

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