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うちのスライムが弱いはずが・・・・・・くっ!  作者: たてみん


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44/59

ここはラストダンジョンですか?

どことなく終わりの雰囲気ですがまだもう少し続きます。

章立てしてたら2章完ってところです。


きっとこの後、ここで終わらせておけば良かったのにね~っていう自分が居るw

 えっと改めて会議室を見回せば、室内に残っているのは俺、魔王様、伯爵、リャンさんの4人か。

 いつの間にか伯爵夫人まで向こうに行ってしまったみたいだし。

 そしてなぜか一様に冷や汗と苦笑いを浮かべているのは見ないことにしよう。

 あの、リャンさん。無言で肩を叩くのはやめてください。


「ごほんっ。

 えっと、どこまで話してましたっけ」

「お、おう。そうだな。

 確かシュージが国を興すという話の最中であったな」

「ふむ。良いのではないかね?」

「って、リャンさん。そんな簡単に決めるような話ですか?」


 なんかまるで旅行のお土産を決めるようなノリだったぞ?

 それともこっちの世界ではお父さんが『ほら、出張土産だ。土地の権利書だぞ~』とかいうのか?

 流石にそんなことは無いと思いたい。


「まぁ難しく考えたって結論は出んよ。

 どうせ失うものなどないのだ。やってみるが良かろう」

「魔王様までそんな」

「ただそうなりますと問題が2つ」

「お、流石伯爵。やっぱりそんな簡単に建国なんて出来ませんよね?」

「ええ。国名を決めねばなりませんし、国王になるならシュージ殿に家名があった方がよろしいでしょう」

「そ、それだけですか?」

「ええ、まぁ」


 だめだ。ここに反対する人は一人もいないようだ。

 建国とかゲームのジャンルが違う気がするんだけど。

 立身出世が目的だっけ?違うよな。

 ……いや、自由度の高いこの世界の事だ。これはこれで1つのルートとして用意されていたのかもな。


「国名はやはり、スライム教国だろうね」

「うむ。シュージが国王なら他にあるまい」

「彼の性格からして帝国という線はありませんしな」

「シュージ君。君、家名はどうするかね?」


 っと、考え込んでいる間に話が進んでる。

 うーん、まぁいっか。建国したからってやれることが増えるだけだと思うし。


「家名、ですか。一応元の世界では古井と名乗ってましたが、そのままこちらでも名乗るのは問題が起きかねないので……」


 流石にフルネームをそのまま使うと身バレの恐れもあるしな。

 苗字にはそれほど拘りは無いし適当にもじっても良いだろう。

 やっぱりここはスライムから取って『スライム・シュージ』? いやないな。

 なら古井とスライムを掛け合わせて『フルイム・シュージ』。あ、これなら良いかもな。


「決めました。『フルイム』にします」

「スライム教国のシュージ・フルイム国王か。うん、語呂も悪くないね」

「よし、では我々はスライム教国を世界に発表する準備をするとしよう」

「はっ。デルモント家も全力を尽くす覚悟です」

「うむ。特にデルモント伯爵領とは国境を接することになるだろうしな」


 なんだろう、みんな凄いやる気になってしまってるな。

 ま、水を差す必要もないだろう。好きにさせておこう。


「では俺は俺でユグドの枝を植えてきます。

 これがちゃんと根付かないとこの話は白紙に戻さないといけませんからね」

「そうだな。

 っと、そうだ。それなら前に預かった魔石を持っていくと良い」

「あれってもう転移門に使っているのでは?」

「なに。開通さえ出来てしまえば後は通常の魔石でも賄える。遠慮なく持っていくと良い」

「分かりました」


 そうして会議室を出ると丁度隣の部屋からもローラさん達が出てきたところだった。

 みんな特に怪我をした様子はないから喧嘩にはならなかったようだな。

 良かった良かった。


「そっちの話し合いは終わった?」

「はい、滞りなく」

「お互い出来る事でシュージ様をサポートすることにしましたわ」

「だからあなたは大船に乗ったつもりでやりたいことをすると良いわ」

「ん?あ、ああ。(いったいどんな話をしてたのかは怖くて聞けないな)

 あ、そうだ。俺はこれから死の大地に作った拠点に向かうんだけど、みんなはどうする?」

「お邪魔でなければご一緒してもよろしいですか?」

「そうですね。お手伝いできることもあるでしょうし」

「死の大地かぁ。流石の私もまだ行ったことないのよね。楽しみだわ」


 どうやらみんな行く気満々なようだ。

 まぁあそこにいる魔物たちならみんなに危害を加えることもないだろうし大丈夫だろう。

 あ、お土産はあった方が良いか。

 という訳で、果物や甘味系を街で買い込んだ後、転移門を通って死の大地へと飛んだ。


 飛んだ先で俺たちを待ち構えていたのは、真っ黒い教会だった。

 何というかRPGのラスボスの居城って雰囲気がビシビシ伝わってくる。


「ま、まぁ立派な教会ですね。ふふふっ」

「いやローラさん。無理に取り繕わなくても良いですよ」


 おかしいな。俺が作ったのは1畳程度の小さな小屋だったはずなんだけど。

 飛ぶ場所を間違えた?いやでも、転移先は『死の大地:自拠点』ってなってたしなぁ。


「あ、もしかして」

「何かわかったの?」

「いや、イニトの教会みたいに格が上がったんじゃないかなと思って」

「あり得るわね。というか、この外壁、何で出来てるのかしら。

 黒曜石とも違うし、金属とも違う気がするわね。アダマンタイト?でもないわね」


 そう言いながらミーシャがガンガンと壁を殴って強度を確かめているけど、ビクともしない。


「庭石にも同じ素材が敷き詰めてありますけど、この地特有の素材でしょうか」

「ただどこか生物的な魔力の流れを感じますわ」


 流石ローラさん。

 そういう感じ取る分野に関しては強い。

 というか、これって間違いなくあれだよな。


「これ全部、黒龍王の鱗だね」

「はぁ!? これ全部って……」

「黒龍王に建材になるものが欲しいって言ったら出てきたのがそれだったから。

 まぁ俺が作ったのは小さい小屋だったはずなんだけどね」


 そう言った俺を見て、3人ともが深いため息をついた。

 3人で『誰が行く?』って目配せをして仕方なさそうにローラさんが前に出た。


「シュージ様。黒龍王の鱗は間違いなく世界最高峰の素材であり、天界の大聖堂でさえこれほどの素材が使われているかどうか分かりません」

「えと、つまり?」

「この教会そのものが強力無比な魔道具であり、建物という性質上、その素材に合わせて成長を続けます。もちろん一定の大きさになったら表面上の成長は止まるでしょうが」

「表面上……」

「教会内部はダンジョン化する可能性もあるという事です」

「それはまた凄いものが出来ちゃったね」

「出来ちゃったね、じゃないのですが。

 はぁ。もういいです。シュージ様が規格外なのは今に始まったことではありませんし」


 何か酷い言われようだ。

 俺としては、予定外に家が大きくなって、予想外に見た目が禍々しいだけだ。

 流石に中に入るたびにダンジョンを攻略しろって言われたら困るけど、それは無いと信じたい。


「ひとまずは中に入ろうか」

「そうですね」


 皆を連れていざ正門へ。

 すると自動扉の様に勝手に扉が開いた。

 ちゃんと俺を主だと認めてくれている証拠だな。

 そして特に迷う事もなく礼拝堂へ。

 そこも既に1000人規模で収容できそうな大きさだ。

 流石にこんなところにそんなに多くの人が来るとは思えないけど。

 そのまま祭壇前に行くとアイテムボックスから特級魔石を取り出して台の上に置いた。


「じゃあ、ローラさん。よろしく」

「はい。では。

 シュージ様は祭壇のそちら側へ」

「ん?ああ」


 なぜか祭壇を挟んで俺とローラさん達が向かい合う形になった。

 そのままローラさんを先頭にミーシャとコンディさんも膝をついた。


『我らが王シュージ・フルイム様。

 我らはこれよりシュージ様の忠実なる臣下として魂果てるまで御身のために尽くすことを誓います』


 あれ?なんか思ってたのと違くないか?

 てっきり神様に貢物ですよって祈って終わりだと思ったんだけど。

 そしてこれって俺が応えないといけない奴ね。

 えっと、えっと……。


「その誓い、確かに受け取った。

 これから多くの苦難が待ち構えているだろうが、共に手を取り世界をより良き方へと導こう」

「「はい!!」」


 その言葉と共に魔石は光輝き消えていった。


『クディー』

『『クディーー』』


 外からクディの鳴き声が聞こえてくる。

 どうやらイニトの街からわざわざ飛んできたみたいだ。

 新光鳥の面目躍如ってところなんだろうな。

 ただ窓から見えたのは新光鳥の編隊。

 あれは……クディの子供たちかな?

 いつの間に新光鳥に進化したんだろう。

 まいっか。


「さ、儀式っぽいことはここまでにして、やることやろうか」

「「はいっ」」

「ローラさんはこのまま教会の事をお願い」

「かしこまりました」

「コンディさんはユグドの枝を植えるのを手伝って」

「お任せください」

「ミーシャは外の魔物たちと遊んできて」

「はーいって、なんか私だけ仕事じゃなくない?」

「そんなことないよ。多分この中では一番大変な仕事だから。頑張って」


 そうしてみんなで教会を整備し、無事にユグドの植林を終え(実がなるまで3月かかるらしい)、魔物たちとの親睦を深めた。

 あ、流石のミーシャでもここの魔物たちの相手は大変だったみたいだ。

 1週間もしたらレベルがだいぶ上がったとため息交じりの報告を受けた。

 そして1か月足らずの時間が経ち、ようやく作業もひと段落したのだった。


「では皆さん。ここの管理はお願いしますね」

「お任せください。フルイム王」


 教会、というか城の管理は俺達だけじゃ間に合わなかったので、魔王様と伯爵の伝手を借りて人を派遣してもらった。


「コンディも何か困ったことがあったら俺でも良いし、デルモント伯爵とかに力を借りてね」

「はい。こちらのことはご心配なく」


 ここの家宰?宰相?はコンディだ。

 彼女を筆頭にここの運営をしてもらうことになった。


「私はそろそろイニトの教会に戻りますね」

「うん。子供たちにも長い事会えてないけどよろしく言っておいて」

「はい。時間が出来ましたらこちらにも顔を出してくださいね」

「分かってる。ローラたちをほったらかしにする訳にもいかないからね」


 そうしてローラは転移門でイニトの教会へと帰っていった。

 ローラはいつの間にか向こう側の国全体の教会の纏め役になっていたらしく、今後はスライム教国の名と共にスライム教を向こうで広めていくと意気込んでいた。


「ミーシャは」

「私は世界を回ってくるわ。出来るだけあなたが行ったことのない土地を中心に。

 それで今度からどこに行くにしても私がサポート出来るようになっておくわ」

「そうか。それは楽しみだな」

「だからたまたま近くを寄ったら会いに行ってあげるわ」

「ははっ。うん、楽しみにしてるよ」

「じゃあね」


 最後は何とも軽い感じで転移門を通って王都へと飛んで行った。


 さて。

 俺は俺で、これからどうするか。いったん今やるべきことはすべて終わったしな。

 あ、スライムタワーに行くってのもありだな。

 あといい加減、通常のシナリオ進めるか。向こうの王都に結局行ってないしな。

 そう考えたところで、空が割れた。


「あ、これってもしかして黒龍王?」

『シュージよ。お主暇か?いや暇だな、暇だろう。そうに違いない』

「やっぱり、ゾートさんだ。そしてその決めつけは何ですか?」


 空間を割って出てきた黒龍王のゾートさんは俺の話を一切聞く気が無いようだ。


『実は西の蒼龍王から海の掃除を頼まれてな。

 奴には借りがある為、無下に断ることも出来ん。

 そこでお主に代わりに行ってもらいたい』

「海の掃除、ですか?」

『お主は我に色々と借りがあるだろう。これでそれをチャラにしてやろう』


 借り……鱗を貰ったり転移門を作ってもらったり?

 そう考えるとかなりの借りなんだけど、たかが掃除で相殺でいいのか?


『では任せたぞ』


 俺の返事も聞かず、一方的にゾートさんは話を終わらせると俺に転移魔法を発動させるのだった。



後書き掲示板:

No.19 通りすがりの冒険者

皆お疲れ様~

あとリア充は爆発しろ!!


No.20 通りすがりの冒険者

今回も運営GJでした

そしてリア充爆発しちゃえ!


No.21 通りすがりの冒険者

無事に北側に魔物来てくれたからね。

レイドボスまで倒せてウハウハ。

だからリア充爆発してください。


No.22 通りすがりの冒険者

うーむ、攻略組の呪詛が凄いな


No.23 通りすがりの冒険者

まぁそれも仕方ないかと

急増カップル増え杉

みんな爆発すればいいのに


No.24 通りすがりの冒険者

どうせ夢から覚めるのはすぐだ

その前に爆発しとけ?


No.25 通りすがりの冒険者

べ、べべ、別にゲーム内なんだから羨ましくもなんともないんだからな!


No.26 通りすがりの冒険者

まぁ奴らは爆破しておくとして。

今回のイベントの成果は良かった。


No.27 通りすがりの冒険者

爆破w

まぁな。レイドボス討伐に参加したメンバーは漏れなくLV50で3次確定だし。

既に3次の奴にも特典があったっぽいし


No.28 通りすがりの冒険者

ああ。どうやら特殊3次職ってのもあるらしい。

その為に必要なアイテムの一つが手に入った。


No.29 通りすがりの冒険者

ただなぁ。特殊職ってほんと特殊だからな。

特殊2次を見ればお察しだけど。


No.30 通りすがりの冒険者

特殊2次と言えば例の魚人くん、大活躍だったな。


No.31 通りすがりの冒険者

だな。

ただ今後活躍の場面があるかは謎だが


No.32 通りすがりの冒険者

それは言わないでおいてやろう。


No.33 通りすがりの冒険者

少なくとも陸上のイベントは参加不可なんだろうな。

なむなむ


No.34 通りすがりの冒険者

しかし、どこもかしこも派手にやったもんだよな。


No.35 通りすがりの冒険者

まぁな~

北側は船と要塞と諸々の残骸だらけ

南側はお祭り後のゴミだらけ


No.36 通りすがりの冒険者

ポイ捨てとかマナーがなってない


No.37 通りすがりの冒険者

全くだ。奴らごと埋めてやりたい


No.38 通りすがりの冒険者

というか、なんでゴミ残ってるの?

ゲーム的に消せば済む話だと思うんだけど


No.39 通りすがりの冒険者

あれじゃね?

リアルでも海はきれいにしましょうっていう啓蒙


No.40 通りすがりの冒険者

……ありえるな。

今港町に聞き込みしてみたら、海岸を使った奴らのせいで俺達全員の評価が軒並み下がってる。


No.41 通りすがりの冒険者

くそっ。奴ら許すまじ。


No.42 通りすがりの冒険者

誰か爆薬ありったけ持ってこい!


No.43 通りすがりの冒険者

……あれ?そういえばバイキングクランって誰か見かけた?

名前からして今回のイベントを見過ごすとは思えないんだけど


No.44 通りすがりの冒険者

さぁ。大型船を造ってるのは見たけどな。


No.45 通りすがりの冒険者

ボス戦には一応申し訳程度に小舟が参戦してたぞ


No.46 通りすがりの冒険者

その後はめっきり見てないけどな

どこ行ったんだ?


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― 新着の感想 ―
[一言] やっぱり主人公もう遊んでるの別ゲーだよwwwww他の人たちがイベントに参加しながらヒャッハーしてるのにwwwシュージはなんか魔界で建国して国王になっちゃってるしwwww龍王と魔王と聖女様に伯…
2020/05/27 02:45 退会済み
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