中国高齢者事情(+作者の邪推)
最近、半島の出生率低下の報道をよく見かけるようになった。
というのも、これは韓国経済がここ20年で最悪の水準になり、将来への展望が抱けない事に起因した変化だからだ。
日本でも「経済低迷は人口減少が原因」などと言われるほど、人口は国の力で最も重要視すべき指標だ。
人口が減っていく国とは衰退していく国であり、他のどこが華々しい成果を上げようと、未来が無い。
だから人口減少・高齢化社会問題は世界で最も注目されるテーマの一つである。
(ただし私は人口減少と経済低迷は、順番が逆だと思っている。経済が低迷したから人口が減少した、が正解だと思う)
しかし、です。
人口減少問題を言い出すなら、同じようにひどい状況にある中国。
今では廃止されたが、有名な「一人っ子政策」を30年余りも取ってしまった残念な大国は、韓国ほどではないとはいえ、やはり酷い。
2012年に「1.18ショック」と言われる報道があり、出生率が1.18にまで落ち込んだ事が話題となったのです。
特に北京地区・上海地区の少子化は深刻で、出生率は0.7程度だったようで、貧困を理由に結婚すらままならない状態になっていました。(なお、韓国のソウルが0.84で東京は1.0ぐらい)
ある意味、一人っ子政策が正常に機能した結果なのですが……大都市では2030年ごろに、2人に1人が高齢者となる社会が生まれつつあったのです。
これを機に政策が緩和されていき、2016年には一人っ子政策は廃止されることになるのですが、出生率の上昇はほとんど見込めていないのが現状です。
長い間一人っ子政策を推し進めていたのでそれが「常識」になってしまい、子供を二人以上作ることに抵抗を持ってしまったわけです。
また、景気低迷により、そもそも結婚し、子供を作ろうとする若者が減っている。それも人口減少の原因になっています。
2017年の出生率は1.24と、やや回復はしましたが、まだ低水準です。
ぶっちゃけてしまえば、中国は日本や韓国など比較にならない「超超高齢化社会」になることが確定しています。
2030年が最後のライン。
そこを越えたら、中国は確実に衰退します。
今の日本が高齢化社会で社会保障が問題になっているのは皆様ご存知の通り。
中国は、その数倍の規模で社会保障が破綻するのです。
それをどうにかするのに、人道的な考えは無力です。
この流れを食い止めるための棄民政策として「信用評価システム」を作り上げたんじゃないかと私は邪推しています。
見捨てる理由に「信用スコアが低いから」と言えば、一応の筋が通るから。
早い段階で導入し、定着すれば、2030年以降を乗り切れる。
その結果、高齢者がどれだけ孤独死しようが構わない。
中国共産党がそのように言っているのではないか。そう思えてなりません。
まー、根拠はあるけど推測・推論の域を出ない意見ですけど。中国の高齢者が見捨てられるようになるのはほぼ確定だと思っています。
日本はそれを見て、どう動くのでしょうね?
中国に倣う?
反面教師にする?
自分が高齢者になるまでまだ時間がありますけど、怖い世の中になったものですねぇ。