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異世界の女子どもが俺のぱんつを狙ってる  作者: シャイン樽画
第一章 旅立ち ~俺のぱんつを狙ってる~
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 15枚目 しゅぎょう

 かくして、暗黒の淑女会の脅威は去った……


 と思いたいところだが、あんなしょうもない、『びっくりするほどユートピア』効果がいつまで有効か、わからない。

 自分でそう仕向けておいて何だが。


「むしろ、恨みを買うことになったんじゃない? 後で、効果がなかった、って怒鳴りこまれたらどうする気なの?」


 というのはスイーツの言。

 うーん……まあ、その時は、土下座するか、尻尾巻いて逃げ出すか……


 てか、どの道、早く強くなって、この街を出ようと思っていたんだ、俺は。

 予定通り、マールさんに護衛兼で修行に付き合ってもらうことにしよう。


 そんなわけで、俺は宿で軽く朝食を済ませると、マールさんと共に出発した。

 そして、街道を進んで行くと、商店の前で声をかけられた。


「あら? ユータさんじゃありませんか」


 シスター・クレアだった。

 シスターは、相変わらずのシスター服に、買い物カゴ片手にいた。


「ユータさん、どちらへお出かけですか?」

「これから、マールさんと街の外へ、修行を兼ねて狩りに出かけるんですよ」

「二人だけで?」

「え……いや、まあ……」


 そう言われて、あらためてマールさんの存在を意識する。

 修行のつもりでいたけど、よく考えたら女と二人きりとか、デートみたいなものじゃないか……

 うお! そう思ったら、何か緊張してきた!

 失敗しないようにしなきゃ!

 あ、昔読んだサイトに、デートは、口臭や体臭に気をつけろとか書いてあったっけ?

 やべえ! 俺、昨日はお楽しみしたから、きっと体臭がイカ臭……


「大丈夫なんですか?」


 シスターが耳打ちしてきた。


「え? は? あ、大丈夫でしょう。マールさん、つい最近まで冒険者をやっていたそうなので戦闘では……」

「そういう意味じゃありません」


 シスター・クレアは、ふるふると首を横に振った。


「どういうことですか?」

「マールさんも、ぱんつの秘密を知っているんですよね?」

「ええ、まあ……」

「無理やり奪われませんか?」


 え? 奪われる?

 それはまさか、逆レのことっすか?


「ぱんつですよ、ぱんつ! ユータさんのぱんつ」


 ああ、そっちか。

 うーん、それを言われると、確かに心配だな……


「まあ、大丈夫かと言われれば、あまり大丈夫とは言えませんが……以前も無理やりぱんつ脱がされましたし……でも、意外に常識のある人ですから大丈夫でしょう……多分」


 俺がそう言うと、シスター・クレアは顔を曇らせる。


「やはり心配です。人間、魔が差すということがありますから……それに、講習会でお見かけした時から思ってましたが、マールさんって、意外に執念深いですよ?」


 それから、シスターは黙って考え事をしている風だったが、やがて顔をあげて、俺の目をしっかり見ながらこう言う。


「あの、私も同行したいのですが、よろしいでしょうか?」

「え? でも、シスター、何か用事の途中では?」

「大丈夫です。すみませーん!」


 そう言って、シスター・クレアは、お店の人に買い物カゴを渡して、教会に届けてくれるように頼んだ。

 それから、俺はシスターをマールさんのところに連れて言った。


「マールさん、シスター・クレアが狩りにご同行したいと言ってるんですが……」

「え……シスターが?」

「何か問題でも?」

「いや、そんなことはないが……」


 マールさんはいかにも、困ったな、と表情で言った。

 対して、シスター・クレアは、微笑みを絶やさない。


「シスターは、こんな男を、何で気にかけるんだ?」

「マールさんこそ、貴女ほどの腕の人が、こんな素人に付いてあげるなんて不自然ですよ」

「フフ、まさか惚れたとか言わないよな? こんな男に……」

「ホホホホ……まさかぁ。それは趣味悪いとしか言いようがありませんねぇ……ねえ? マールさん?」


 もうやめて、二人とも! あたいのことで争わないで!

 うおっ、今気付いたけど、これ、ハーレムじゃないか!

 俺を巡って二人の女性が火花を散らすとか!

 俺は、異世界テンプレ的展開に心が躍るように思った。


 そんなことを考えて、にやけていたら、スイーツが近寄ってきた。


「ねえ、ポジティブになるのはいいけど……わかってると思うけど、貴方、じゃなくて、貴方のぱんつに興味があるのよ、この二人は……」


 スイーツはそう言って、俺のことを、まるで可哀想なものでも見るかのような目で見やがった。


「回復魔法の講習会でのこと、もう忘れた? 一緒に講習受けていた女の子達は、ぱんつ魔の貴方のこと、どういう視線で見てた? 戦わなきゃ、現実と!」


 言って、スイーツは両手の拳を握って、ガッツポーズを作って見せた。

 ぐぬう……

 だ、だが!

 もしかしたら、俺のことをわかってきて、少し気になって来た可能性だって、微粒子レベルで存在するかもしれないじゃないかッ!


「な~んて、どう考えても、ぱんつ目当てなんだろ、シスター?」

「ですよねぇ! もう、マールさんったら変な冗談言うから!」

「こんな、イケメンなわけでもない、レベルが高いわけでもない、男としての魅力もないやつに惚れるわけないよなあ……」

「マールさんったら……あまり本当のこと言っては可哀想ですよ?」

「チッ、二人っきりなら、無理やり奪ってやろうと思ったのに……ぱんつを!」

「何言ってるんですか。それが心配だから、私がついていくんですよ」


 やめろ……やめろ……せめて夢見させて下さい……

 何で、俺……異世界転移してまで、こんな……こんな目に……

 何て夢の無い世界だ……


・・・・・・


 とまあ、そんな茶番はおいといて、俺達は、門番に挨拶をして街の外に出た。

 そこから、てっきり森の方へ行くのかと思ったら、マールさんは草原の方へ向けて歩み出した。


「え? マールさん、方向違うんじゃないんですか? そっちだと、ルーキーマウスとかの出る初心者用の狩り場では?」

「ああ、そのことなんだが……」


 マールさんは歩みを止めると、くるりと俺の方へ向き直して言った。


「ちょっと考えたんだが……君は昨日、ルーキーマウスより強い相手と戦って自分を鍛えたいと言っていたが、ルーキーマウスより強いやつといえば、ゴブリンだ。で、ゴブリンの狩り場を教えるのは簡単だが、それでは、大した鍛錬にはならんだろう……」


 そして、マールさんは真剣な表情になる。


「急いで強くなりたいんだよな?」

「ええ、まあ……」

「なら……私が直接稽古をつけてやろう。ホントは、シスターがいなければ……人目がないダンジョンとかで、厳しく痛めつけてやろうと思ってたんだが……痛くないと覚えないからな」


 何か怖いこと言ってる。


「まずは、君の力が見たい。ここらのモンスター相手にどの程度やれるか、見せてくれ」


 そして、連れて来られたのは、ルーキーマウスやルーキーラビットといった初心者用モンスターの出る草原だった。


 マールさん、俺のことナメてないか?

 初期の頃ならともかく、今の俺には敵じゃないぞ、この辺のやつら。

 よーし、見てもらおうじゃないか、俺の実力を。


「お、丁度いいの発見!」


 森の方から、ひょっこりとルーキーラビットが現れた。

 俺は剣を構える。


「てやあ!」


 声をあげて、ラビットに向かって勢いよく駆け出す。

 上段から思いっきり振り被る!

 そして、盛大にスカる!


「オラ、そこだ! カァーッ! 何でそこで大ぶりするんだ!」


 と言ってるのはマールさん。


 くっ……

 だが、確かに今のはよくなかった。

 上から袈裟がけはダメだな、大ぶりになりやすい。

 ならば、横に薙いでやる! これなら、範囲が広いから当たりやすいはず!


 今度は、俺は剣を横に一閃!

 ラビットは、まるで縄跳びでもするかのように、剣の上へジャンプして避けた。


「相手の動きを予測しろ、バカ! 相手の行き先に、剣の軌道を合わせるんだ!」


 や、やり辛え……

 いつもならもっと上手くいってるはずなんだが、人に見られているせいか、どうも上手く当たらない。女性を意識して、良い格好してやろうと考えたのがよくなかった……


 その後しばらく、ラビット相手に立ちまわったが、どうにも攻撃が当たらない……

 やっと当たったと思ったら、ラビットの毛をかすった程度だった。

 そのくせに、奴のキックはよく当たるんだ!

 しかも痛い!

 一時、蹴られた痛みで、持っていた剣と盾を手放してしまいそうになったくらいだ。

 何だ? 何かおかしいぞ、このラビット……


「おーし、ストップ! もういいぞ! 大体の実力はわかった」

「ぜいぜい……はあはあ……も、もう少し待って……本当の実力を……」

「もういいって。君、才能ないから」


 容赦ない一言が胸に突き刺さる。


「い、いつもはこんなんじゃないんですよ! ルーキーラビットごとき!」

「ルーキーラビット? あれが?」

「え……」

「はあ……もう、その時点でダメダメだな。あれは、よく似ているが、草食のルーキーラビットではなく、肉食のキラーバニーだ。たまにルーキーラビットに混じって出現する上位種だぞ?」


 そうだったのか……

 いや、そうならそうと、教えて下さいよ!

 いや、それよりリベンジ! リベンジお願いします!

 今度こそルーキーラビット相手にして、俺の本当の実力を見せてあげますよ!


 そう言ったが、「もう十分だから」とマールさんは取り合ってくれなかった……


「よし、こっからが本番だ。私が相手だ。どっからでもかかって来な」


 と、剣と盾を構えるマールさん?

 え……マールさん?

 それ、真剣なんですが?


「痛くないと覚えないからな。丁度、回復のできるシスターもいることだし、半殺しでいくから体で覚えろ!」

「ちょ……」

「致命傷でなければ、どんな傷でも治してあげますから、ドンドンやられて下さいね」

「クレアさんも! 聖職者なら止めてあげてよぉー!」


 そこからは地獄だった……

 スカ、スカ、スカっと、こちらの攻撃は全く当たらない。

 マールさんの攻撃は、ザシュ、ザシュ、ザシュっと当たる。

 んで、ビュッ、ビュッ、ビュッと流血が飛ぶ。


「オラァ! どんな時も腕下げんな! ノーガードになるぞ! いいのか?」

「ひぃ!」


 ザシュ、ザシュ、ザシュ、ビュッ、ビュッ、ビュッ。

 ザシュ、ザシュ、ザシュ、ビュッ、ビュッ、ビュッ。

 何か、擬音だけにすると、リズムゲームでもやっているみたいだな。

 ザシュザシュザシュ!

 ビュッビュッビュッ!

 なんか、音だけだと卑猥だ……


 でも、うま~く致命傷になるところは避けてくれているのか、切られても動けなくなるような怪我にはならない。マールさんの剣術は、とんでもスキルだな。


 で、クレアさんに回復魔法をかけられるとすぐ治る……

 お陰でゾンビのように、俺は何度も何度も立ちあがって、戦い続けた。

 まあ、そうは言っても、回復魔法では、スタミナまでは回復しない。

 ついには、俺はスタミナが切れて、へとへとになってしまった。


「よーし、やめ!」


 日が暮れて、影の背丈がすっかり長くなったところで、今日の修行、終了の合図が来た。


「や、やっと終わった~……」

「情けないな……君のこと、自分から強くなりたいと言うから、もうちょっと根性があると思ったんだが……」

「まあまあ……ユータさん、頑張りましたね。マールさんもお疲れ様です」

「ああ、クレアさん……女神様のようだ……ぐす……」

「言っておくけど、この調子だと、次の街に旅立てる中級レベルになるには、あと二週間くらいは必要だぞ!」

「そ、そんな~……鬼ぃ~!」


 だがまあ、とにかく今日の訓練は終わった……

 そして、やっと乗り切った、と安堵していると……


 カーン、カーン、カーン!


 突然、鐘の音が聞こえた……

 街の方から?

 妙に甲高い、聞いていると何だか不安に駆られる音だ……


「何でしょうか?」


 俺がそう言って、二人の方を向くと、二人は深刻な表情をしていた。


「冒険者ギルドが鳴らす、緊急事態を知らせる鐘です……」

「街で何かがあったんだ!」


 マールさん達は口々にそう言うと、街の方へ向かって走り始める。


「ちょ! 置いてかないで!」


 疲れて、へとへとになっている体に鞭打って、俺は二人を追いかけて走り始めた……

作者「やべえ、ギャグ入れたいけど、入れると話が滅茶苦茶になるっぽいから入れられない……」

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