12話 怒哀
「それに対して、お前は逆だな。いかにも、モテモテでクラスの人気者。みたいな感じの見た目してるし」
ささやかに褒めると、彼女は何故か俺から目を逸らし、挙動不審になった。
「そ、そうね。中学生の時はモテモテで、毎日告白されたりなんかもしたわよ」
「…………」
あ、コレ絶対嘘だ。ってかコイツ嘘つくの下手くそだな! 鈍感なバカでも気づくよコレは!
「なっ、何よ」
「……スマンな。もう深くは聞かないから安心しろ」
コイツの過去には何かあったのかもしれない。これ以上は触れないでやろう。
「な、何勝手に察してんのよ! アンタだってどうせ、友達居なかったんでしょ!」
「悪い。超可愛い幼馴染みと腐れ縁の友達も居るし、クラスでも普通に男子と仲良かった」
ありのままの事実を述べると、彼女は涙目になって、小さい拳で俺の胸を叩き始めた。
「嘘だ! 嘘つくなぁぁ!」
彼女は本気で殴っているつもりだろうが、全く痛くない。もしかしたら猫のパンチより弱いかもしれない。
「ちょ、落ち着けって! マジだよマジ! 何なら紹介してやろうか?」
やべ、傷口に塩塗っちまった! ああぁ、めっちゃ泣いてるし……どうしよう。
「嘘だもん! 私がこんなゴミより負け組なわけないもん!」
「とりあえず落ち着けーーってお前今、何て言った!? せめて価値のあるゴミにしてくれ!」
何で俺は、美少女に泣かれながら殴られなきゃいけないんだ……ってか、初対面からこんなボディータッチしていいもんじゃないだろ! 本当に初対面か!?
「ううぅ……ううぅぅううう……友達欲しいよぉ……」
彼女がすすり泣きをしながら、遂に願望を言い始めた。
「はぁ……お前には羞恥心ってもんが無いのか? 後、初対面からそんなにボディータッチをするな。勘違いされるぞ」
そう言って彼女を一旦離すと、動きがピタリと、止まった。
「初対面……」
「ああ、そうだよ。初対面からそんなに馴れ馴れしくしたらーー」
「うわぁぁああぁあん!」
「今度は何事!?」
俺、今何かダメなこと言った!? 言ってないよね!?
「もうアンタ何て大ッ嫌いよ! 一生関わりたくない!」
「何で俺、振られた彼氏みたいになってんの!?」
マジで状況が掴めんぞ……何故、コイツは怒ってんだ?
「うう……」
「わーったよ!! 今度、俺の友達紹介してやるから! それでいいだろ?」
「……」
彼女の顔から涙が止まるが、何故か気に食わない、という表情をしていた。
「分かった。許す」
何で、俺がやらかしたみたいになってんだよ……まぁいいか。終わりよければすべてよし、って言うしな。




