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こじらせオタクの卑屈な初恋  作者: 志井波利太
未知の生物、男性
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未知の生物、男性

私、囃子沙紀がいわゆるボーイズラブの世界に足を踏み入れたのは、小学生の頃だった。


年の離れた姉が、毎月新しく買った漫画を机の一番下の引き出しに仕舞っておくことを知っていた私は、その日も学校から帰ったら、引き出しを開けて新しい漫画は無いかと覗きこんだ。

大きな本の表紙には、当時週刊誌で連載されていた漫画のキャラクターが描かれていて、「イラスト集かな?そういえば、この前発売されたって書いてあったなぁ」なんて思いながら、ページを開いた。

新しい世界に足を踏み入れた私は、周囲のクラスメイトが知らない世界を知った優越感と面白さからボーイズラブにのめり込み…クラスメイトの男子で妄想したり…まぁ、とにかく色んな事を小学生の頃からやらかしていた。


そんな私は中学校で女子校に進学した。

女子校には漫画オタクや男性アイドルオタクが多く、とても居心地がよかった。

仲がいい同級生と、ボーイズラブ小説を一冊のノートにリレー形式で書いていったり、情報の授業でパソコンを使用した時は二次創作検索サーチなんてものを見たりしていた。

女性ならそろそろ色恋沙汰も囁かれ始めるような時期である高校生の時も、そんな感じに過ごしていた。

アルバイトは校則で禁止されていたが、勿論こっそりとやっている人もいた。私には度胸がなかった。

日がなボーイズラブ妄想で過ごしていた私、当然男性と会話する機会なんて無い。父親と、兄と、教師とは会話を交わしていたが。


そんな娘を心配したのか、母親は「大学は共学にしなさい」と必死に薦めてきたが、学力が足りず落ちてしまい、なんとか入学したのはこれまた女子校。

サークルにも入らず、オタクの聖地と呼ばれる場に週3回は通い、友達とオタク的活動をして過ごしていた。


しかし、私にも危機が訪れた。金銭的な問題である。

携帯電話の料金、食費、趣味などは、自分で払うようにと親から通達が出たのだ。


大学に通わせてもらえている身だ、その位は当然出さなくてはと考え、私はアルバイトを始めた。同人誌やグッズを買うためである。



そして、あの人に出会った。

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